解放
帰宅し昼食を食べてから多少休みAWOにログインして経験値クリスタルを一つ取り出し割る。
すると体中に熱い何かが流れて来るのが分かる。
「くぅ!痛たたたっっ」
全身に熱が迸る。熱で体が焼けてしまいそうなほどの熱さがある。
(確かこの感覚はあの頃と同じ格上を倒した時に得られる偉業型の経験値。)
かつて魔王軍四天王の一柱を嵌めて殺した際に得た物と同じ経験値の質が永遠とでもいうべき時を流し俺の体に入り込んでくる。にしても長い。
(ひょっとして・・・ありえるかそんなバグ?)
この現象について考えているとさくらことチェルンがログインしてきた。3人娘は既に買い物に出かけているはずだ。
「チェルン経験値クリスタルが・・・」
「それが如何かしたの?のた打ち回っているようにしか見えないけど。」
「1つ使っただけでこのザマだ。痛すぎる。そして悪いがGMコールを」
「なるほどね。なら・・・・・完了したわよ。」
「助かる。ちょっと倒れるから来たら「来たから」はい。」
傷を休めようと(そんな事ある訳ないが)ベットに倒れ込んだ瞬間にGMコールが完了したらしく起き上がるように水魔法の改造肉体冷却を掛けて来る。
『で何のようかしら?』
GMコールで対応してくれたのはアイリの妹的存在ルーシーだった。
「すまんルーシー。称号による経験値クリスタルから経験値を得る際に1000倍化が適応されているのを修正するようにしてくれ」
『あら義父様。それはプログラマーが無視してらっしゃったから無理よ。それと既にどれもカンウンターストップしてらして。』
そう何故かルーシーは俺の事を義父と呼ぶ。理由としてアイリの所持者という事らしいがホムンクルス製造能力持ちで仮初の肉体ではあるが既に彼女らには与えてある。
「「はぁ・・・・えっ!?」」
と言う訳で俺はAWOトップ層へと一瞬で躍り出たのだ。
謎のプログラマーの所為で濃密経験値をたらふく味わった俺は大事な事を思い出す。
「あっ!そう言えばコレ《経験値クリスタル》まだ大量に在庫があるわ。」
「・・・・ねぇ実は私もそれ余っているんだよね・・・。」
ホテルの一室に勇者二人の哀愁ただよう空間があったとか。




