翌朝
「おはよ~。」
「起きたか美波。さっさと飯食え。」
「はぁ~い。」
朝7時15分。いつも通りの時間に美波が起きて来た。
スリッパをペタペタと鳴らし椅子に座り朝食を取り始める。にしても相変わらず朝弱いよな美波。
そう思いながらコーヒーを淹れる。
「今日は?」
「蒲公英。ちょうど良く蜂蜜があったし。」
「ふ~ん。じゃあおやつにホットケーキ。」
「了解。」
蒲公英の根を炒って乾燥させたのものを使うコーヒーは蜂蜜と合わせると個人的には好みなのだが実際は不評である。と言っても使う蜂蜜が特殊すぎる為市販されている物よりも遥かに高級過ぎるからだ。家に迷宮があると色々便利主に食材関係で。
さて俺はリビングに置いてある作戦用衣装からローブを出す。自衛隊特殊任務分室特務艦迷宮第一隊員に支給される特殊ローブだ。と言っても俺の龍神山脈と言う最低でも竜種しか居ない鬼畜ダンジョンのワイバーンの皮膜・ミスルリ銀の金属糸シェイド針葉樹の樹液などと異世界産の素材ばかりだ。
「あれ兄さんそれを出すってことは今日は艦の仕事?」
「いや違う。さくらに呼び出しを受けた。朝、生徒会室に来いと。だから急げ。」
「?まぁ良いけどそれで行くの?」
「まぁ正装だし。・・・陛下の紋が無ければ唯のイタイ人だし。それにスーツって柄でも無いしな。用意は?」
「終わっているよ。アポート」
とある事情で俺の血を保有している美波は魔法をある程度使用できる。また体質的には空間作用系の魔法に適性を持つ実際には秘匿させているが瞬間移動の固有魔法を持っているある種の天才だ。
すっ、とバッグが彼女の背中に出現する。
「行きましょうか?お兄様?」
こ んな感じで激動の一日を送ることになるとは思いもしていなかった。




