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亀裂と魔弾

 食事や風呂など一通りの事を終え再びログインする。

 ちなみにログアウトしたのはギルドの向かいにあったホテルであの4人と同じ部屋である。

「あっリョーさん。」

「アイだけか?ミィーナは今宿題中だが終わった?」

「・・・えぇ。私たちはそれなりに忙しいですから。ティアもあと少しだけですがあるそうです。」

「ひょっとしてまたか?」

「そうです。」


 今の会話で分かるように美波・雫・愛子の3人は同じクラスである。そして今の会話は夏休みの宿題についてである。というか

「何で一番暇なはずのアイツが終わっていないんだ?一番忙しいはずのアイが終わっているのに」

 愛子の実家である桜井家では毎年ある夏祭り・お盆に向けていろいろとすることが多く3人娘の中で一番忙しいはずだがその環境故か時間効率などがとても良く発表から2週間以内で全ての宿題が終わっているのだが何故か美波は6割近くも残っている。

 ちなみに雫が終わっていないのは自由研究らしくそれに関して俺の手配ミスであるので仕方が無い。

 ただ単に純度が高過ぎて実験にならないという能力故なので申し訳が無いと思っているが本人はデータが増えてやりがいがあると言うほどの研究者である。

「ティアには何かやった方が良いよな・・・アイ何か・・・アイさん?」

「いえ何も。ただ毎度毎度、丁寧だなと感じただけです。」

「ただの職業病だ。ん?」

「これって魔女の陰香?にしては魔力を感じない・・・。」

 言い訳をしようと思ったら嗅ぎなれた匂いが鼻を擽る。アイも同様に感じ取ったらしく何かブツブツと呟いている。


「《祓え》」

 右手を突き出し五行魔術特殊派生陰陽の祓いを一節で発動する。

 すると直に光の粒子となって消える。

「・・・・」

「・・・・」

「・・・?あら2人だけ?お邪魔でしたかお姉さん?」

 何故か暫く無言の状態で向きあっているとチェルンがログインしてきたらしくあの頃のように妖美な声で訊ねて来た。

「違う・・・そもそも同い年だろ。しいて言えばお前の方が年下だろ。」

 チョッとウザいのでジト目を向けながら口撃を行う。多少容赦が無いのは例の魔女の所為だが

「済みません。それで明日聞きたい事が出来たのですが・・・(チラ)」

 面倒になって説明放り投げやがったアイツ。

「・・・薬香だ。それも陰の魔抜け。多分俺の薬玉と一緒。」

「っ!薬玉と同タイプ!?」

「?如何言う事ですか?リョーさんがあの災禍と同じ何ですか?」

 俺の隠語をチェルンに伝えるとアイの顔が険しくなる。

「似ているだけよ。リョーの場合は精神破滅で災禍之魔女のは精神汚染。精神干渉型であることは広くは同意義だけど深くは違う。殺す為だけの薬玉と周辺を無にする御香。確かに中世で行われたのはリョーの方の破滅。でも災禍では無いわよ。詳しい説明は明日学校で行うから。リョー貴方も。ちゃんと精錬してから来なさい。」

「分かった。」

「・・・はい。」

 最後の声のトーンは有無を言わせない意志を感じ反論をせずに了承をするとしぶしぶながらもアイも頷く。

「じゃあ俺はログアウトするわ。」

「えぇ、じゃあ明日の朝、生徒会室に来て。」

「はいよ。」

 メニューからログアウトのボタンを押しログアウトし迷宮主スキル階層瞬動を使い主部屋の奥深くにある調合施設にワープする。

 そして作り上げるは暗殺ご用達の必滅の至高の魔弾。


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