夕食前
さてさっきとんでもない殺気が込められたブリザードがチェルンを中心に吹き荒れたなんて事は無いが(凍傷ダメージまじで重たいよ。)寒さによりオートマタが緊急停止しその間に脱兎のごとく部屋を逃げ出したのだ。チェルンが。俺・ミィーナは去り際に状態異常麻痺をキュアで凍傷を魔力熱で溶かして転職部屋に向かった。
「遅かったわね。ササッと済ませましょう。」
そう言いながら部屋の中央にある水晶に触れる。
あの水晶浮んでいるけどどんな原理なんだ?技術者としてとても気になる。
「へぇ~メインとサブがあるのね。じゃあコレとコレで。」
と水晶が明滅する。この光は・・・魔力光!トンデモナイ光量なんだけど・・・。コレは・・
『チェルンが上級職につきました』
?脳内にアナウンスが響き渡る。確かに受付嬢のサリーさんはそんなこと言っていたな。
「でどんな職業だ?」
「う~ん大賢者と裁縫師。」
「成程。」
と話していると急に目が痛くなる。あれ?セーフティーエリアなのにダメージが入っている。目が痛い・・・また魔力光かよ。目が潰れるんじゃないか?確かポケットなモンスターのポリゴンフラッシュだったけ?あれレベルだよ。経験した訳じゃないけど。
そうこう考えている内に俺以外の全員は職業を選択したようだ。
じゃあ行ってみよう!
水晶に触れるとメニューが開かれる。
それには超大量の職業が書かれている。というか多すぎね?一番下までスクロールしてサブに鍛冶見習いを選ぶそして上まで持っていく。う~ん迷う。俺ってMMO系でスキル振りとかとんでもなく時間かけるんだよな。そう考えるとあのデスゲームはとてもやりやすかったな。などと考えていると何と小さくNEXTと光ってある。気になるのでタップする。そこにあった職業が俺にピッタリだったのでそれを選択した。
そしてそれに伴いアラートがなる。メニューを起動すると6時半だ。結構長時間プレイしていたな。夕飯の準備をする為にログアウトする。
長時間ログインしていた為か心なしか体が硬くなっていたが事前にストレッチをしていた為か少し体を動かすと数年前の感覚を取り戻したかのように思考した瞬間に体が脊髄反射レベルで動く。
「にしてもさくらが生徒会長ね・・・。」
確かにカリスマ性はあるし人を纏める能力も凄いしいろいろと気が回るが俺と同じ様な裏で工作して誰か目立つ人に擦り付けると思っていたんだが・・・。誰が説得したんだろうか?もの凄く気になる。というか学校に通っている事自体が驚きだ。わりと手先が器用で何でもそつなくこなすので普通に服装関係の仕事に就くと予測していた。
そんなことは如何でも良いか。
さて割と長時間脳を使用していたせいか無性に甘いモノが欲しい。が美波は小柄ながら健啖家なのでわりとガツガツしたモノを好むので非常に迷う。とりあえず部屋に備え付けているブドウ糖結晶を口に放り咀嚼する。
「う~ん確かアレがあったな。・・・よし材料は全部あるな。」
時間が無いので五目ご飯が用意できないが幸いこの前愛子の家から大量の油揚げを貰っているので稲荷寿司が用意できる。更に軽く素麺を湯がく。それに合わせて鳥天や夏野菜を揚げる。とりだけでなくワイバーンやコカトリスも揚げよう。どうせ知らずに食べているしねうちの暴食姫は。
「美波ご飯出来たぞー。」
一応呼ぶ。まぁ俺がログアウトしたのはギルド内だしその時に事情も説明してあるので直に下りて来るはずだ。時間に送れる事の無謀さは知っているはずだしな。家事能力が壊滅なのは女子高生として如何かと思うが・・・・。
と考えていると美波がipod持って降りて来た。何故に?
「・・・美波一応言っとくがアレは巨大PCだからな」
そう言いつつ居間に備え付けている軍用の巨大モニターを指す。とある理由から俺の家に設置してあるが普段は6面もしくは4面もしくは1面のPCとして使われている。というか映画館よりもでかいし。空間魔法は本当に偉大だな・・・・。
じゃない。アレも魔改造してあるので迂闊に持ち歩かないで欲しいのだが。家の中なら良いけど。
「知ってるよ。でも掲示板とかみづらいだよね。」
なるほど。俺は普段からそんなことに使わないから分からないだよね。履歴はとんでもないけどな。薬草関係や魔女狩りなどそう言う風な物によっている。後は去年の灼爆の新年に数年前の虚空の生還者及びデスゲームなど基本的に俺が関わったものとなっている。あとは美波の通う学園のサイトに俺が営む細工雑貨や木工品を通信販売のみで行うサイトと農作物。今考えてもとんでもないな。通帳なんて見たくもない。




