迷宮そして称号
「兄さん・・・・それGMの1人ラーアが使うユニークスキル・・・。」
「なるほど。」
とミィーナの解説に納得するが
「今の泥人形どっから湧いてきた?」
「無視なんですね・・・下です。」
泥人形の後ろから三角飛びで俺の元に来た不貞腐れたミィーナが下を指差す。
「えぇ。エドウィードさん曰くα・βの戦場。神授の迷宮かと。」
「・・・・神授の迷宮?なぁチェルン」
「安心しなさい。貴方の知っている神授とは違うから。」
「いやそれもあるが・・・お前いくつだ?」
「勿論。無限よ。悠久の賢者。の名は伊達では無いのよ、精剣士いや完全摸法者」
「魔導女帝・・・・前者は良いが後者は職務倫理に違反するのだが・・・・。」
別にその二つ名は如何でも良いだけど俺からしてみれば確実に煽っているだけでしか無いトレーサーは好きじゃない。
考えて欲しい。
瞬殺出来るレベルに自分の能力を落としながら相手得意な戦い方で戦いつつ多少改良するのだ。上方に。様は相手の戦い方の弱点を補ってしまえばそれに勝つためには自分を超える必要がある状態に持っていくのだ。
「悪かったわね。・・・・あと迷宮だけど・・・墳墓があるわ。」
「っ!―――それは本当か?」
墳墓その言葉は俺とは切っても切れない関係がある史上最悪の迷宮である。
「貴方に対してたちの悪い冗談を言えるほど出来た人間ではないから・・・・それに」
「それに?」
チェルンが急に言葉を切ったので俺は寸座に続きを促す。
「恋歌の魔道騎士という墳墓に最も適したバックアップが居るならコンビではない方がいいかもね?」
「?意味が・・・ちょっと待て。」
その話の続きは気になるが今はこの大量のウィンドが邪魔だ。
何だ?死合って。
フレンドのみに可視化させ俺のウィンドを4人に見て貰う。
「「「・・・・。」」」
「・・やっぱりアントかぁ~。見ようによっては私たちを侍らせているようなものだからね。」
とミィーナは1人納得しており他の3人は沈黙している。何でだ?
「坊やだからさ・・・・と言いたいところだけど。」
「?確かエドウィードさんだっけ?」
俺の思考を読むように後ろから話しかけて来たのは流星剣という二つ名を持つ男エドウィードであった。
「まず一つに恋歌の魔道騎士というβ攻略パーティーの臨時や野良とは言え組んでいることからパワレベの疑いがある事。」
「パワレベねぇ~。あれって実力がある人間がやる分には問題が無いんだよね。つーか俺の場合はゾーンに自在に入れるからステータスがバカ高くないと動きづらいし。」
パワレベとはパワーレべリングの事であり大体のプレイヤーには嫌われる行為だ。何故ならプレイヤースキルが全くもって見に付かないなど色んな理由があるが現実よりも動けない人間がやる分には全くもって意味をなさないというよりも弱体化するのでそんな人間はしても良いと俺は考えている。
「二つに見慣れない初心者装備を持っている事。」
「・・・え?―――これ誰でもできると思うんだけど・・・魔法職は。」
「リョー多分だけどそれ魔力操作のセンスの問題があるわよね。」
「・・・・そうだっけ?」
魔力操作。
これはどの世界でも共通して行われている技術だ。
当然地球でも行われている事が多い。・・・よくいろんな物語では魔力の存在すらないかとてつもなく希薄な存在である事が一般的だがナンバーレスつまり元素番号0が魔素もしくはマナと呼ばれる存在だ。
魔素は世界樹が酸素の代わりに光合成で吐き出していたりダンジョンと呼ばれる異空間が放出している場合が多い。また魔物が魔力を扱う変換機として使う魔石も魔素を発する。それ以外にも霊峰や火山などがある。
つまり生まれた屋久島に富士山など曰くつきの場所に近ければ近いほどそう言った摩訶不思議な能力を所持している事や先祖返りというなんらかの特異体質である事が多い。それでも天文学的確率でしか無い。
俺の様に2つも持って生まれるのは珍しい方だ。(生来的に持っていたのは万物摸法に万無の境界のみで万物視はどちらかというと万物視は万物摸法の副産物程度でしかない)
現状、迷宮を上空数千mにそれ以外にも大量の迷宮を世界中にばら撒いている上に世界樹周辺は元魔王軍四天王の遺体を使って守護している。また精霊王として使役出来る精霊に一部の妖精に妖怪まで使っているほどだ。
屋久島にだけど。
まぁその場所に世界樹を植えているのだ。馬鹿みたいに頑強にしておく必要があるしそれによって産み出るであろうモノは全て食いつくしておく必要がある。
話が蛇行し過ぎた。
つまりは先天的な能力者なら魔力操作程度誰でもできる。
それこそ半世紀前にメジャーリーガーとして活躍していたイチタはある程度自由にゾーンに入れると噂されているがそれも魔力操作による恩恵でもあると考えられている。
様は異業を成し遂げた偉人はその程度楽に行使出来て当たり前だと言う事。
美波は心理の冥婦という精神干渉の魔法が使えるので心理状態を自由自在だし愛子は戦巫女は日本古来の刀に薙刀の扱いが上手くなると五行魔術が扱えると言う特異体質である。
エドウィードは多分だが流転という古来武技の一つが上手く当て嵌まるだろう。
ざっとこのゲームで見ただけでもそれなりの人が何らかの体質である事が分かった。
なので、使ってないと言う事は無いと思うのだが・・・。
「初心者用○○はチュートリアルエリアと特殊な条件を満たす必要があるから謎の初心者用武器は結構注目を集めるのよ。」
「・・・あぁそんな気がしたが・・・。」
「そうなのよ。βテスターはチュートリアルを受けれないのよ。βテストそのものがチュートリアルと言ったらアレだけどプレイ時間的にはそっちの方が圧倒的に長いし慣れが出来る。」
「じゃあ殺し合いは受けて問題無しだな。」
チェルン達の説明を受けそう判断すると周りのメンバーは頷く。
そしてYを選択して
「フレイムルノ」
存在理外の魔法はシステムをも凌駕し一瞬で相手全員を溶かした。
《称号 残虐無慈悲 を手に入れた》
《称号 殺戮者 を手に入れた》
《称号 恐怖体験再現者 を手に入れた》
《称号 記録保持者 最大火力 を手に入れた》
《称号 PKK を手に入れた》
《称号 賞金稼ぎ を手に入れた》
《称号 犯罪者K を手に入れた》
《称号 始まりの騎士 を手に入れた》
あっ、はいそうですか・・・・まて、どんだけあんだよそして前半酷いくね。




