EXスキル
あの後別のシズに乗った魔女の弟子に魔女とそのシズは連れて行かれ今度会った時にでもお礼をと言われた。
「そろそろ出てきたら如何だ?」
街の門の手前で俺は後ろを見ずにそう呼びかける。
すると木の裏から銃を両手に持ったプレイヤーが現れる。
その名前表示はオレンジ。犯罪者予備軍と言う訳だ。ちなみに普通で有ればプレイヤーは青・NPCは緑でNPC・プレイヤー問わず犯罪者予備軍と言われる盗賊やナンパものなどだ。一般的には軽犯罪者や迷惑人間などである。そして赤はNPC殺人者やPKなど裁判を受ければ死刑になる事があり得る奴らを指す。
ちなみに敵対性があるものは黒。無いのはピンクである。
でつまり目の前に居る男アマテラスはPKしても問題ないのである(つまりは正当防衛が認められるとか賞金首である可能性も無きにしも非ずだから)。
「アイ、2人を連れてエドウィードさんの所へ。チェルンは・・・分かるよな?」
「えぇ。」
「・・・何をするのかは分からないけど・・・キルはちゃんとしておいて。」
俺はアイとチェルンの2人にこっそりそう伝えマナを飛ばす。
「エンチャント AGI」
3人に速度上昇のエンチャントを掛ける。そして其処に割り込み後追いをさせないようにする。更にマナを練り込み結界を完成させる。
「さて用件を聞こうか?」
腹黒い笑みを浮かべながら俺は近づく。
それに怖がったのかヤツは銃を撃とうとするが弾は発弾されない。当然だ。
「万無の境界 参之陣」
俺はそう唱える。
万無の境界 参之陣は指定エリア内の爆発燃焼を禁止する対現代軍に対して大打撃を与える事が出来る魔法の一種。
「銃は効かない。」
情報を断片的に流す。すると火魔法を自身に当て爆発させてだそうとしたがその過程でその魔法は改変される。すると銃が解け始める・・・溶解だ。爆発の熱エネルギーを集束させる魔法になりそれが一気に襲いかかり本来壊れないはずの初心者用の武器が溶ける。
「なら―――――――ファイヤ」
男は、今度は左手に別の銃を持ち放つ。
がそれさえも解ける。当然だ。空間を指定した継続魔法なのだから。
「さて、帰るか」
聞こえるように呟き踵を返し門へと向かう。
『PVP がアマテラスさんより申し込まれました。受けますか?』
と視界の右端に現れる。
そして手元にはYorNの文字が選択肢として浮かび上がる。
当然俺はYを押し戦う事を選択する。
《EXスキル 魔法剣 を得た》
《EXスキル 万物視 を得た》
《EXスキル 精霊王の瞳 を得た》
《EXスキル 万無の境界 を得た》
コレに続く数多のEXスキル獲得のインホォメーションのログを見ながら。
ところでEXスキルって何?
「さてと、お前何でつけていた?」
強めの声でそう聞く。この手の輩は実力を示さないと言う事を聞かないのは経験則で分かっている。目線などでそれを解析するのは帰還後だからまず地球人には間違いなく通じる。そして感じたのは悪意に劣情。俺の鋭にして敏の感情に触れていたので直に分かった。
「俺がミィーナちゃん達と約束したのを無視するように言って自分に仕向けるようにしただろ?」
?言っている事が何一つとして分からん。ひょっとしてコイツ俺が居なければミィーナ達とプレイ出来ていて自分に好意を向けるとでも思っていたのか?
「フッ。」
俺はそんな頭の痛い馬鹿に冷笑を向ける。
「お前は馬鹿か?そんな天文学的な確立を信じているのか?まぁアイツらはそう言う事に慣れているから正式版の開始時に俺を誘ったのだろうけど。」
別に啜れた関係では無いしファンの間でも俺の存在は知られている。無論最初の頃は否定されていたし脅しもされたがある事の解決に尽力を上げその首謀者の一族諸共を晒し者にし美波たちや同じ事務所所属の人に手を出すのは無策である事を徹底的に世の中に叩きつけた上にその逆恨みで襲ってきた連中を素手で嬲り殺しにしたなどでどちらかというとボディーガード的な感じでの評価だがそうなるように3人にお願いし保護者の協力によるネームバリューで護衛という形に落ち着いている。と言ってもアイの家の力が凄すぎなだけだしその所為で常時アイツらの保護者的位置に付く羽目になったが。
閑話休題
《PVPデスマッチ 景品 対戦プレイヤーの全財産》
ほう?よく見ていなかったから気にしていなかったが全財産ね・・・。
そして転送された場所は遮蔽物の多い森林ステージ。
《勝負開始まで 3 2 1 スタート》
「ニヴルヘイム」
《YOU WIN》
開始の合図とともに放たれた魔法は一瞬で全てを凍らせ一瞬の間に相手のHPを刈り取った。
とルチルが現れる。
《ただいまプレイヤーによるGMコールがなされたのでログを遡ります》
《その結果プレイヤーアマテラスによる違反行為などが確認されました》
?如何言う事?
《迷惑を掛けられたプレイヤーにはそれ相応のお詫びをさせていただきます》
《今後ともAWOをお願いします》
「結局何がしたかったんだ?」
「さぁ。迷惑を掛けられる事が多い私たちが理解できるとでも?」
俺のふとした呟きにチェルンが反応しその応答に苦笑を浮かべる。
「まぁ異世界沙汰やデスゲーム沙汰に比べればなんて事は無いが。面倒な物は面倒だな」
「それよりも町に入った時の方が大変かもよ?」
「えっ?」
さりげなく爆弾を落とされたが反応できず俺はそれに反応できず直後
「リョーさん危ない」
「時空剣技 クノロスア」
「あっ!」
万物摸法で描いたアスタリスクの様な斬撃痕は泥人形を解体する。
と同時に何故か俺に視線が集まる。




