魔物大行進 2
更にアイの手を取る。
「ちょっ!」
「安心しろ 視覚同調」
急の事に慌てる様子を見せるアイ。ただ君たちそれに近い事をしているからな。だが現実で既に周波数は知っているから合わせるのは楽だ。
「これって・・・鷹の眼に発見?」
今アイは俺の鷹の眼と発見のスキルが組み合わさった状態だろう。
「そうだ。お前なら狙えるだろう。 エンチャント INT」
「えぇ薙刀の巫女の実力見せてあげるわ。ウィンド ブレス」
魔法攻撃力を上げるエンチャントを施す。
そこに不可視の風魔法が奔る。・・・・いや待て何でインビジブルシリーズが。
「凄い堂に入っているわね。」
「というよりも凄い構成ね。」
「エンチャント STR AGI」
と時空剣の女子2人は驚いているが無視し男子2人に攻撃力と敏捷力を上げるエンチャントを施す。
「基本属性弾幕」
「流星剣技 ハルティングブレード」
「カオスボール」
すると、ジャックが盾を構えエドウィードの剣が鈍色に光り20連撃を空中に放つ。更にティアの赤・青・緑・土のそれぞれの色の数多なる弾丸が放射されさらに紫と黄の混色みたいな球体が現れる。
それ以外にも数多の矢や魔法が飛び交う。と急に襲ってきていたモンスターが切り裂かれる。アイの風魔法か、いや違う。アイはまだ俺と同様な光景を見ているはず。流石に本人も見えないとかは無いだろう。
「何だ?アレ。」
と声に出すと隣から直に答えが返って来る。
「アレがエドさんの流星剣。MPを込めた分その場に剣の残撃が留まり続ける。」
「凶悪だな。PVPとかで使われると結構不利だな。」
と言うよりも流星剣って一也が得意にしていたんだよね。それ故に如何対処すれば良いか知っているので楽な部類だけど。それもあるって誰だ?AWOを造ったのは。
「そろそろ切断するぞ。」
「分かったわ。じゃあ最後に 風薙來雷」
流石に知力とスキルが足りないのでアイのMPタンク兼視覚拡張しか出来ないのでそろそろ第一陣の敵対性モンスターが前衛と脇の小道に隠れていた銃使いと激突する。それに合わせ俺はアイとの視覚共有を切りアイが魔法を発動して敵を抉った部分へと突っ込む。そして剣を抜き一気に踊りでる。先頭のモンスターと接触した時
《Wクエスト 始まりの町を守れ! が全プレイヤーに発動されました》
へ?
そう流れた情報に俺は驚く事しか出来なかった。
というよりも初日殺しは冗談じゃないのかよ。
俺が先頭の魔物と接触してから早数時間。門からかなりの距離を取って戦いを始めたが大分モンスターが多く俺が視る限りではそれなりのプレイヤーが死んでデスペナルティーを喰らいつつも殴りに出ている。
「長くないか?」
「えっ!リョーさんデスぺナは?」
俺がこの量のモンスターに対して疑問を持ち偶然近くに来ていたアイに聞くと答えは返ってこず更に勝手に殺されていた。
「残念だがまだ一回も攻撃を喰らった覚えは無いぞ。」
「いやいやそんな訳・・・・そう言えば一回も回復エフェクトを飛ばされたのを見て無い。」
「立ち回りと行動パターンを覚えてしまえば回避は楽だからな。っと危な」
今襲撃に出ている全モンスターの行動パターンを分析し終えたが流石に数が多く捌ききれない。が攻撃を確実に往なし矢を避けて別のモンスターに当てることで周囲のモンスターを減らす。足払いも交えつつ半径2mの空間には確実に俺以外が無い状態にすることでどの攻撃にも対処できるようにする。
「エンチャント AGI VIT」
アイの動きが鈍り始めたので俺はエンチャントでその動きを保持する。
そして
「喰らいなさい。 ダヴンズシルフブラスト」
「時穿剣 ストッリープ」
見知った勇者の魔法攻撃に合わせ万物摸法で一也が持つ時空剣の剣技を発動する。
「「レゾナンスキャスト レンジイレーズ・ウィンド」」
声のした方に手を伸ばし捕まえ俺固有の意識内演算処理領域を相方の周波数に合わせる。
「「リキャスト エアダヴンバースト」」
「えっ!?チェルンさん?というよりもリョーさんの能力って。」
空から降って来たチェルンとの連携攻撃に驚いているアイだが俺たちとしては不服だ。能力に制限が掛かっている状態だから繰り出せる攻撃に制限がある。
それをある程度緩和する為に俺の意識内に存在する万物処理演算で全ての魔法などを一級品に仕上げる。
「「マテリアルバースト」」
「いやそれダメでしょ。」
名前のみがとある事情により一致している現状発動できる最功峰の魔法が炸裂する。




