第1話 魂の行方
僕の名前は、百鬼雄馬。ごく普通の30歳のおっさんだ。何にも無い人生だった、それなのに、最近は幸せの絶頂であると感じていたのだ。だって、彼女ができたんだよ、彼女が、、、
人は死の間際に何を感じるのだろうか?痛みや後悔だろうか?もしそうだとしたら、多大な幸福感を感じている僕はおかしいのであろうか?薄れる意識の中で、初めてできた綺麗な彼女が、僕に寄り添っている。どんな状況か把握さえ自分では、できていないのに、快楽が体全体をぼんやりと包み込む。
「あなた、愛していますよ。私の愛しくも憎い仇さん」
そう、僕を死に追いやっているのは、この彼女自身であった。父の仇らしい。彼女の父親は、偉大な戦士だったと言っていた。彼女が持っていた刃渡り30cmの刃物が、心臓を貫いていた。女の力でここまでできるのかと、一瞬驚いたが、刃物が淡く光っている直感的に、何かの力が働いているのは分かったが、その正体は理解できなかった。
良く分からないよ。初めてできた彼女が殺人鬼だったなんて――。意識は完全に自分の肉体から離れて逝ってしまう。俯瞰的に今の状況を、第三者として見ている状態となった。
ああ、僕は死んだんだな。場合によっては、体に戻る事も出来るのかもしれない。でも幸せそうな顔の彼女と、多幸感が現実への回帰を阻害する。
浮遊した意識は、だんだん上昇していく、自分や彼女はすでに見えなくなってしまった。地球からも離れ、惑星群をも超えて、銀河を飛び出す。無が続きまた銀河が現れる。どれだけ遠くへ行くのだろうか?時間や距離があいまいとなった空間は、僕が遠くへ離れたのか、近くへ寄りすぎたのか、すでに分からない。
そして、最終的には、地球に似た世界に引き寄せられる。抗いようのないそれは、とある国の、とある屋敷に落下。そして落下地点に子供が、抜け殻のように寝ていた。一瞬にして、僕の意識は、空になった骸の中に溶けこむのだった。
――牢の中
その子供は、すでに死んでいた。魂はどこかに抜けて無くなっていた。鉄の鎖が巻き付けられており、体の所々には傷がついている。そして、僕の魂が入ったその体は、再び生命の息吹を取り戻すのだった。
6月9日のPV数による分岐
PV50以上⇒圧倒なる力は、学園をも支配する。:覚醒ルート
PV1~49⇒奇跡は他人の手によりもたらされる。:正規ルート
PV0 ⇒抗えない現実:主人公死亡ルート
HP25
マロンさんはまだ出ません。




