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プロローグ ~こうして私だったモノは死んだ~

電子レンジで加熱しすぎたスコッチエッグが爆発したのをヒントに書きました。

大嘘です、本当はトイレでアイディアが色々な物と一緒に出ました。


飽き性なので、終わりまで続けばいいなーと思っております。


どうか、冬の朝にすっかり冷め切った湯たんぽのような温かさで見守って頂ければ幸いです。



「ヒュー・・・・ ヒュー・・・」


息を吸おうとするが、うまく呼吸が出来ない。 代わりに胸に空いた穴から血が肺に流れ込んでくる。

口の中が鉄の味しかしない、視界が定まらない、寒い、なによりも・・・息が苦しい。


通路を這いまわる男の着る白衣が、緊急事態を知らせる赤いランプの光を浴びて更に赤くなる。

通路には、聴いたものが顔をしかめるような警告音が大音量で鳴り響くが、意識の朦朧とした男の耳には届いていない。

やがて、男の引く赤い線は施設内の別館にある一室へと伸びる。

暗い部屋の中には、培養液で満たされているカプセルがあり、中には新生児が浮かんでいる。


男は壁に寄りかかりながら、カプセルに繋がれた端末を操作し「廃棄」のボタンを押すと、カプセルの中身が培養液と共に排出されはじめる。

既に、脳には酸素が届かなくなっており酷い眠気のような物が男を襲うが、死に物狂いで男はカプセルの薬品投入口から赤い宝石が埋め込まれたネックレスを投げ入れた。男は、糸の切れた操り人形のように再び地面に崩れ、冷たい肉となった。


カツ・・・カツ・・・カツ・・・カツ・・・。

銃で武装をした部隊5人に取り囲まれるスーツ姿の老人が杖をつきながら、地面に残る赤い順路を辿り男の元へ辿り着く。

部屋に着くと同時に、部隊が散開し部屋の安全確認を行う。

内一人は、血だらけの白衣を着た男に近寄り足で男の体を仰向けにすると、

手持ちのペンライトで男の目を照らし、首に指を当てた。

「死んでいます。 遅かったようです。」 ガスマスクをした口元から、篭った声が老人に向かって飛ぶ。


老人は、白髪の残る頭を掻き毟りながら「記憶だけでも回収しろ! 少しでも”あの技術”の情報を拾え!」と怒号を飛ばすと、部屋を後にした。


部隊の中でも大柄な一人が持っていた注射器のような器具を、白衣の男の脊髄めがけて挿すと機械が駆動しはじめる。20秒ほど経つと、機械に点ったランプが赤から緑になり、今度はオレンジ色になる。

「駄目だ、完全に脳が死んでるぜ。多分吸い出せたのは、こいつの全記憶の半分ってところだろうよ。」と、大柄な男がため息混じりに言いつつ手に持った機械の中から赤い宝石を取り出し、小型の箱にしまう。


それを聞いたガスマスクの軍人は一瞬眉間にシワを寄せるが、一言「撤収」と言い放つ。


部屋に残されたのは、首筋にBB弾程の穴が三つ空いた赤い白衣を着た研究員だけだった。

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