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第七章 初任務 9


ここは戦場ですよー。

 ふよふよと不規則的に戦場を舞う球体に気をとられるとメガロはすぐに歩みを止めようとしてしまう。メガロの動きを確実に意識化に置きつつ、周りの状況も認識しろというのは中々酷なことを要求するやないの。

 

 普段生活しているとき、俺らは歩くことを特に意識はしない。歩きたいと思えば自然と足が前に出るし、それと対をなして腕もプラプラと勝手に揺れる。

 走りたいと思えばさほど意識しなくても足が地面を蹴りつけて、ザックザックとそれなりのスピードで進んでいける。そのときに誰が「右足を出したら左足をあげて・・・」などと考えるだろうか。 

 近くで大きな音が立てば、驚いて反射的にその方向を向く人間がほとんどだが、音が聞こえたことに対して、一から「音の方向を確認し、首を左方向に向けた後に体を旋回させ・・・」など意識する人間はまずいないだろう。

 つまり、俺が何を言いたいかというとだ。メガロはそうしなきゃ動いてくれんっちゅうことなわけよ。つまり俺がメガロのブレインにならなんだらいかんわけやな。俺という意識を持ちながらも別の意識を持たなくてはならない。それがこのメガロのパイロットらしい。本当かどうかなんてわからんよ。俺がいま思っただけやから。

 ほんまに、ようこんなもん運転するよな。サメオさんもそうやったけど、今目の前でもたついとる小隊のヤツラも、メガロのパイロットなやつら全員。あーあ、変な意地でもって「動かす」なんて言わなんだらよかったわ。


「無理やろ、これ」


 半笑いで思いを口にしても、今は止まるわけにはいかない。いよいよもって、命を覚悟しなくてはならない状況だ。めんどいけど、一応腹くくっとこうか。腹はくくるが、生きることは諦めない。まだ死にたくないし、あんだけ見栄張っといて無言の帰国とかカッコ悪すぎて堪えられんわ。多少卑怯でこずるくても、なんとかなる方法があるならば今の俺なら躊躇うことなく飛びつくだろう。 

 そんな際どい状態の俺が思い出したことは、やっぱり以前やっていたゲームのことだった。

 自分でロボットを組み立てて動かして戦って、ってゲームがあり、よくサイチやタクと自機のデータを持ち寄って遊んでいた。

 敵の中には、中継地点こそないが、目下の問題である遠距離からの攻撃を得意とするヤツもいて、そいつの攻撃をくらないように俺たちは乱立した建物の森の中へよく逃げ込んだものだ。

 そう、スナイパーからの攻撃を避けるには障害物の多い方へいくのがいい。この新型さんに果たしてそのセオリーが通じるかはわからなかったが、今の俺にできることはそんなことぐらいだった。

 小隊の兵士らは自分らのことで手一杯のようで、こんなボロボロの非戦闘用メガロが近くにいても気付かないフリをしているようだ。

 広漠とした砂漠ん中、あのゲームのように都合よく背の高い建物なんてものは存在しない。

 申し訳ないが、今この瞬間からあんたらは障害物だ。別に申し訳ないとはあまり思ってないんやけどな。

 

ようやくバラついていた小隊が立ち直り、スナイパーの子分たちを叩き壊し始めた。もっとやれ、もっとやれと他人事のようにエールを送りながら、付かず離れずの距離を保ち進んでいく。

 我ながら、小隊を利用するのは賢い選択だった。それなりの訓練と実績を積んでいる兵達だ、察知能力と反射神経が半端じゃない。おかげさまで、その小隊の動きが俺にもある程度のことを教えてくれるのだ。


 こりゃ結構いけるんじゃないか?そんな俺の安堵感を拭い去るように、一陣の風が戦場を駆け抜けた。


お久しぶりです。お待たせしており・・・ましたか?


身内の不幸がドンドコショと重なりまして、すこしバタバタとしておりました。

久しぶりに書いたもので、感覚も少し忘れておりました。


大体、週末を更新の日と考えております。もし、続けと御読みいただいている方がいらっしゃいましたら一つの目安にしてくださいませ。

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