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モテない俺でも彼女が欲しいんだ!  作者: ちくわ。
1 ただ俺は君が振り向いてくれるだけでいい
2/4

NO.2

同じ日に投稿ってww

よっぽど私が暇人なのがわかりますw

「ふぁん?」

やばい、すっかり寝入ってしまったようだ。



おっす、俺は尾田太一。ピカピカの高校の2年生だ。

現在、廃部寸前の読書部で活動中だが不覚にも眠ってしまったらしい。俺としたことがなんということだ・・・。まあ、俺はこの学校で優等生ということで通っているわけではないから、そんなに重大なことではないんだが。

さあ~て、一眠りもしたところで。帰ろう。どうせ、ほかの部員も活動しているわけじゃないしね。早く家に帰って「俺と彼女のラブコメディ」の新刊を読もう!

「俺と彼女のラブコメディ」(略して「俺カノラブ」)は最近の中高生に男女問わず売れている青春ラブストーリー。一見少女マンガ風(絵が強烈)だが、1度読めばその話の複雑さに、その文の美しさに、そしてそのセンスのあるギャグに、誰もが心惹かれるであろう。作者はMikotoといって新人漫画家らしいがとても新人とは思えない実力の持ち主で、今漫画家界で注目を浴びている。また、Mikotoは絵本作家としても活躍しているという噂も立っているが本当のところは分からない。ただ、みんなの心を引き付ける能力を持っていることは事実のようだ。

話を戻そう。熱く語りすぎた。

戸締り完了、片付け完了。よ~し、やっと帰れる!

図書室の鍵を閉め、誰もいない3階の廊下を歩く。うきうき心を弾ませていると、顔も見たことがない女の子がぽつん、いやちょこんと立っていた。じっくり顔を見ても名前を思い出せないのでおそらく1年生の子だろう。(ちなみに、女の子とゲームに関することだけは鮮明に記憶している。)

「どうしたの?」

その子がなぜここにいるのか見当もつかなかったので、直接聞いてみることにした。

「あ、あの。尾田、太一さんを探しているのですが、知りませんか?」

知っているも何も俺だよ。というかこの子、初対面なはずなのに、どうして俺の名前を知っているんだ?

「俺のことだよ、尾田太一って。どうしたの?」

そう言うと、彼女は急に頬を赤らめて俯いてしまった。

「あ、あの・・・。」

彼女はめちゃくちゃもじもじしている。そんな姿もなかなか可愛い。

「え、えーと。」

恥ずかしいのか彼女はまったく話を切り出せずにいる。どうしたものか。もじもじ姿もいいが、やっぱり話の内容が気になる。

「何か、相談ごと?」

とりあえず話を切り出しやすいようにアシストしてみる。すると彼女は、

「違います、違います!」

ぶんぶんと音が聞こえるくらい勢いよく首を横に振った。よく考えたら、初対面の男に相談することはないだろう。

「じゃあ、何かな?」

俺のその言葉でスイッチが入ったのか、彼女はきりっとした表情で、

「一目見たときから気になってました!付き合ってください!」

と告白してきたのである!17年の人生(=彼女いない歴←嬉しくない)で一番大きくて、幸せな出来事になる。ゆ、夢じゃないよね?!・・・うん、現実だ。こんなに疑っても覚めないということは現実だろう。

やったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!これで俺も念願のリア充ライフを送れる!

「俺でいいの?」

あまりにも嬉しくて顔がにやけてしまう。彼女はそんな顔をしている俺に優しく、

「太一さんがいいんです。」

と言ってくれた。もう、幸せすぎて天にでも昇れそうな気分である。

今日から俺は非リア充から、リア充へと生まれ変わった。

ちなみに彼女の名は坂下陽瑚さかしたようこ。黒髪に西洋風の顔立ちをしているので違和感を感じるかもしれないが、ミスマッチとはとんでもない。お人形のように可愛くて、正直俺とは釣り合わない。俺と彼女がミスマッチなんではないでしょうか?



次の日から、俺の生活は一変した。登下校はもちろんのこと、休み時間や放課後に二人きりでいちゃいちゃしている。お互い、スキンシップには慣れていないので、おしゃべりや読書などがメインだったが十分に楽しい。マジ最高!

そんなある日のことだった。いつものように二人で他愛もないおしゃべりをしているときのこと。陽瑚が急に俺の腕にしがみついてきた。

「どうしたの?」

彼女の行動を不思議に思って聞いてみる。別に悪い気はしないが。むしろ、もっとやってほしいです。

「たまにはこんなこともしてみたいんですぅ。」

語尾を強調してくるのもまた可愛い。

ほんとにこんな可愛い彼女がいて俺は幸せだなあ。夢なら覚めて欲しくないなあ~。と思っていると、

「ふあ~~。」

急に眠たくなってきた。ぁ、いいことを思い付いた。

「膝枕して。」

「ほぇ?!」

不意に話しかけられたからなのか、話の内容に驚いたのか分からないけど彼女はおかしな声を出す。

「ほら、早く早く!」

俺の勢いに負けたのか、陽瑚は「じゃあ、ちょっとだけですよ。」と言って膝を貸してくれた。俺は躊躇いもなく彼女の膝にダイブした。白くて、俺の頭を乗せた瞬間に折れてしまうのではないかと心配になるくらい細い膝は、すべすべで、あったかくて、ふんわり花のかぐわしい匂いが漂った。彼女の膝枕の魔力に負けた俺は、即効で眠りについた。



はっと目を覚ますとそこは3階の埃臭い図書室。陽瑚という少女はどこにもいない。・・・夢オチだ。

くそ、あんなに可愛くて性格のよい彼女だったのに!

人生=彼女いない歴の記録は現在も継続中である。あ~あ、残念。

(続く)

太一君残念でしたw次回は頑張って欲しいですね。

ここまで読んでくださってありがとうございます。

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