どれだけ愛しても
「おはよう」
そう言ってオレに笑顔で話しかける君は、俺の想い人だ。
けれどそれは完璧にオレの一方通行。決して実ることのない、行き場のない想い。
お願いだから、そんな風に話し掛けないで。
愛しさが溢れてしまうから。
無邪気に微笑んだりしないで。
この想いが歯止めを利かなくなってしまうから。
夢にまで出てこないで。
目覚めた時、君が遠い存在だと痛感してしまうから。
オレと君の間には見えない壁がある。
それを突き破りたくて、突き破れなくて……切なさが止まらなくて……
「おはよう」
今日もオレは、本音を隠してイイ友人を演じ続ける。