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真の恐怖のお話し(第二段)  作者: 夢カモメ
1/7

千秋

安アパートの片隅で息を潜める何かの気配


何年もの間蠢く事もなく

過ごしてきた


しかし…

今日を境に蠢き始める


見逃してはならない

見逃してはいけない


真の恐怖を貴方にお届けします。



これは…事実を元にしてますが


登場人物は


事実とは異なります

灯火消えんとして

又明らかに


影自体もその深まりを強めて行く中で


それは…


部屋の片隅にうずくまる様にして現れる…




目を凝らさなければ

その存在を認める事はなく。


やがて…其奴ははっきりとその形を現す様になる。



安アパートの一室

築三十年を越えようかというアパートに俺は住んでいる。


二階建ての角部屋…

別に不都合はなかった。

田舎とはいえ家賃二万七千円には心引かれた。


八部屋で構成するこのアパートに他に住民は居ない。


ローカル線ではあるが…直ぐ近くに駅もある。


家の目の前にはバス停もある。


但し田舎の為…

一時間に一本のペースだ。

俺のすむアパートの間取りは1DK


玄関を開ければ左手にトイレ右手に風呂奥にキッチンその前にダイニングがある。


初めての独り暮らしを始めてもう…五年になる。

この安アパートと職場の往復のみの毎日が続く。


いずれ…誰かと結婚をして穏やかな暮らしを始める日がくるのだろう。


その為にもお金は貯めて措かねばならない。


しかし…

このアパートと職場の往復の俺に異性との出会いは無い。








俺は酒をたしなむ程度。

月に一度か二度

焼き鳥屋でビールをジョッキで二杯…

勿論ホッピーで十分だ。

串焼きを五本程頼み…


焼き上がってくる間に

一杯目のジョッキを空にした。


《ガラリッ》

入り口の引き戸を開き暖簾をくぐって…

若い女の子が入ってきた。

その内の1人には見覚えがある。

確か…中学時代の同級生だ名前はなんと言ったか良くは覚えて無い。


彼女らも次々とビールを頼んで行く。

俺が二杯目のジョッキをを空にして

勘定を済ませようとしたとき…



『あれぇ…吉田君でしょぉ?私ほら…バレー部だった。多恵子よ原田多恵子…』

今思い出した。

この女の名前…


そう言えば…原田多恵子と言ったっけ?

真面目一辺倒の俺には殆ど接点の無い

明るく賑やかな女だった。

ハッキリいってどちらかといえば…

苦手な人種だ。


多恵子は隣のえらく若い女を指差し…


『ほら…この娘千夏の妹の古賀千秋…

ん…千夏を覚えて無いって顔してるわね 。

仕方が無いか?

千夏は目立たない女の子だったもんね?』


紹介をされた。千秋は

俺に向かい小さく頭を下げた。




静かな滑り出しに

拍子が抜けたでしょ


真の恐怖はこれから…


徐々に加速を始めます。


この話しに関わりを持ってしまったあなた。


最後までお付き合いくださいませ。

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