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緋色の竜  作者: 水瀬白露
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小さな守護

 ネイトはレシェフの斜め後ろで並ぶように歩いていた。

 この場所ならはぐれることもなく、機嫌も損なわないことを貴族の下での経験から知っていた。

 レシェフの仕事は酒場で酒を注ぐ仕事だ。

 しかし酒場は陽が完全に沈みきってから開くので、夕方は別の仕事をしていた。

 砂漠に出て、サソリ狩りをするのだ。

 サソリは砂漠における肉のようなもので需要が高い。

 黒くて小さいものが一般的で、たまに捕れる大きな黄金サソリは一匹だけで1ヵ月楽に暮らせるほど高価だ。

 レシェフはサソリを探すのが得意で、かたっぱしから捕まえると、食べられるものとそうでないものを選別して丈夫な皮袋に詰め込むとラクダにぶら下げていった。

 はじめネイトはサソリが不気味で怖くて仕方がなかったが、今ではもう慣れて、狭いところに捕らわれ窮屈そうにうごめくサソリを見てもとくに嫌悪感はわかなくなっていた。

 しかしネイトはサソリ狩りができるわけではないので、その辺りをうろうろと歩き回るのがいつものパターンになっている。

 砂漠の知識が豊富なわけではないネイトは砂漠の歩き方をよく知らなかった。

 そのせいか、その日、ネイトは小さい洞のようなものに気づかず、それを踏もうとしていた。

 その寸前、レシェフがネイトの手をひっぱり引き寄せた。

 ネイトはバランスを崩し、レシェフに寄りかかったが、レシェフは気にする風でもなくつぶやいた。

「巣だ」

「え?」

 ネイトが先ほど踏もうとした洞を見ると、そこから赤い斑点をもつ巨大なサソリがずる……と這い出てきた。

 それをみてネイトはぞっと鳥肌がたつのを感じた。

「毒がぬけるまで苦しむはめになるぞ」

 そう言うとレシェフは腰に差したサーベルを抜き、そのサソリに突き刺すとネイトを立たせ、絶命したサソリをそっと洞から離した。

 すると幼生サソリがぞろぞろと出てきて、レシェフはそれを一気に捕まえてしまった。


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