表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
緋色の竜  作者: 水瀬白露
11/14

少女の望み、その願い

 陽が完全に沈み、緋色の時間が終わった頃、ネイトは声を聴いた。

 それは神々の世界に届く唯一の声。

 その神官の声は神にお伺いをたてる言葉だった。

 そして、それに重なるように、聞こえた声があった。

 それはネイトの耳元にささやく声だった。

 いつか聞いた優しい声だった。


「レシェフ……?」


『どうしてまた1人なんだ。どうしてまだその世界に馴染もうとしない?お前は、お前自身は何を望む?どこで生きたいと望むんだ。お前の魔法で、望むものを呼べばいい』


 それは今までに数度しか与えられたことのない声。

 それでもいつも聞いていた声だった。

 ネイトは未だにどこか凍っていた心が溶けていくのを感じた。

 1人はいやだ。知らないところに知らない人のところに連れまわされるのはいやだ。何も望めないなんて嘘だ。私は……私は、いつだって呼べたはずなのに、それでもいつも何も呼ぼうとしなかった。だけど、自分の気持ちを知らないフリをするのはもうたくさんだ。

 帰りたい。できることならずっと一緒にいたい。おはようって起こしてくれて、おやすみって言って隣で寝てほしい。そして、そしてできることなら……いつも私がいってらっしゃいって言うんじゃなくて、私におかえりと言ってほしい。

 ネイトは泣きそうになって声が震えるのを必死に抑えこみながら、ただ1人を想って歌い続けた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ