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妹が、世界を壊す前に  作者: ピザやすし
第三楽章 胎動

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EX-08 災厄収束可能性に関する報告書

件名:災厄収束可能性に関する報告書


発信:

合同調査団統合本部(技術連邦・錬金公国・神政庁・ギルド 連名)

代表機関:技術連邦 魔力災害対策局(局長印)


宛先:

各国災厄対策会議常任理事国 代表局

ヴァルデリア王国宰相府、アルケマリア技術連邦中央評議会、ルーヴェルミュール錬金公国研究管理庁、聖フィルデア神政庁魔導審議院、冒険者ギルド上級理事会


機密区分:機密指定第二級(開示制限付き:災厄特異事案)

開示対象:対災厄関係政府機関ならびに災厄事案特別審議会所属者に限定


一、調査概要

本報告書は、合同調査団が旧帝国領にて観測した災厄級魔力異常に対し、王国王女殿下による対応を経て確認された事象について、収束可能性の観点から検証を行ったものである。


調査団は、災厄波形の観測・対象区域の物理的影響・異形存在の出現記録・魔術的現象の収束、ならびに当該収束における王女殿下の魔術行使状況を、現場の複数術技師および調査官の記録に基づいて検討した。


二、魔力異常の概要とその収束

合同調査団は、旧帝国領にて以下の現象を確認した。


・大気中への災厄級魔力の偏在的沈着

・魔力に侵蝕された異形種の出現

・空間歪曲、視覚異常(黒い太陽、降雪現象)

・魔力波形の乱調と急激な収束


これらの異常は、王女殿下による魔力行使の直後に急速に消失した。特筆すべきは、王女殿下が特定の詠唱も魔法陣も伴わず、無詠唱で魔力を行使し、その効果が災厄波形と逆位相に近い干渉を示していた点である。


三、魔術的考察と制御可能性

本調査では、王女殿下の魔力波形が災厄波形に対して明確な干渉効果を持つことが確認された。また、王女殿下の魔力は環境干渉性が高く、通常の術者とは異なる伝播様式を持っていることも観測されている。

特に注目すべきは以下の2点である:


・王女殿下の魔力波形は、災厄魔力と相殺干渉を起こす性質を持つ。

・王女殿下が感情高揚状態において、暴走ではなく逆に安定化を示したという観測結果。


これらより、王女殿下が災厄現象に対する自然干渉因子として機能し得る可能性が高いことが示唆される。


四、制御実験提案

本報告書では、王女殿下の魔力行使と災厄収束の相関性を踏まえ、今後の災厄対策として以下の提案を行う:


・王女殿下を対象とした災厄魔力に対する制御実験の実施

・実験は技術連邦の魔術安全研究棟にて、厳重な監視下で行うこと

・実験目的は、王女殿下の魔力による災厄干渉の再現および安定制御法の確立とする


この実験により、災厄現象に対する実効的な抑止力の確保を目指す。


五、倫理的配慮

なお、本実験は王女殿下の尊厳と安全を最優先に配慮するものとし、王国との事前協議および実験実施中の常時監査を保証する。


六、結語

本報告書は、災厄の再発を防止し、世界安全保障の維持に資することを目的とするものである。王女殿下が持つ未知の魔力資質は、未曾有の災厄に対し、唯一の希望たり得る可能性を持つ。よって、その検証は不可避の国家的・世界的課題であると判断する。

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