好きだな
続編です。楽しんでいってください。
作者から一言「もう、付き合っちゃえよ!!」
それは一瞬の出来事になる。……ハズだった。愛は少し吐息を漏らして、俺の胸に顔を埋めた。背に小さな手が触れる。キュッと優しく、それでいてしっかりと俺を抱き返した。
「……ん」驚きもあるが嬉しみや恥ずかしさ等色々な感情の混じりきった小さな声が漏れた。やる前は直ぐに離れた方がいいと思っていた。だが、愛の反応を感じて俺は話すに話せなく、そして自分も話したくないと強く感じてしまった。「…… おやすみ」愛はそう言って俺から手を離した。それも、何処か名残惜しそうに。俺は抱き寄せていた左手をゆっくりと離し、頬へと滑らせた。ベットから立ち上がり、愛を少し見つめた。お互いに恥ずかしさが顔に出ている。俺は少し微笑む。……どっちも限界か。頬から手を離し少しベッドから離れ、愛に背を向けた。そうすると「ありがとう」そんな小さな声が聞こえた。続けて「大丈夫、ちゃんと……嬉しかったから」その言葉に安堵を漏らし「なら、良かったよ」そう短く応え、その部屋を後にした。
……流石に距離が近すぎた。高鳴る心臓は周囲の音よりも大きく激しく主張する。
……愛は今どう思っているのだろうか?そんな事を思い戸に背を預けその場に座り込む。今日は良く感じさせられる。
「……愛」
"カチャッ"戸と戸のストッパーが重なる音が響く。遠のいて行く彼に無性に手を伸ばしたくなって……それを抑える。彼の温もりは私の肌が忘れてはくれないだろう。それに、忘れたいとも思わない。少し前から気付いていた。彼に守られたあの日から、かっこいいと言う言葉が良く似合う彼に……私は恋心を寄せているんだと、今になって確信する。
「……仁くん」
そうして、俺は
そうして、私は
溢れ出した気持ちを我慢に出来ずに零す。
「「好きだなぁ……」」
その2人のお互いに聞こえてもおかしくないような大きな愛は2人の心臓の鼓動により聞こえることはなく、直ぐそこに迫るその時まで大切に胸にしまわれた。
休日はすぐに過ぎてしまい、また登校をすることになった。今までには考えられないほどの早い起床。そんなものもこなせてしまうとは……そんなことを考えながら俺はその玄関の前で足を止めた。スマホをチラチラと見て、やたら時間を確認する。しばらくそこで止まっていると、戸の鍵が開く音が耳に入った。戸は微かに音を立て半分も開いた時にその彼女と目が合った。「おはよう」俺は少し微笑み、愛に挨拶を送る。「お、おはよう…」驚きを隠せない表情で愛は俺を見やり、挨拶をする。「体調は大丈夫か?」一番最初に浮かんだ疑問を口にする。すると愛は少し微笑み「お陰様でね」そう返してきた。少しの安心と嬉しみが溢れる。「なら、ちゃんとデートに行けるな」その言葉と共に愛に目をやれば……顔を抑えていた。……可愛いなぁ。そんな思い、前なら感じることがなかっただろう。愛に恋をしてそんな感情を持ってしまったのだ。そうして俺は自分の内の恥ずかしさを紛らわすために言葉を並べる「愛はデートなんて言葉で照れるなんて、恋愛未経験なのか?」「…………」愛はその言葉を受けた後、
ジッと俺を見つめて……「ふぇっ!?!?」ようやく言葉の意味を理解した。「いいいいや、ままままぁ、確かに恋愛経験は……その、ない……けど」口ごもる愛は上目遣いで俺にそんな言葉をかけた。「じ、仁くんは……恋愛した事あるの?」「……」言葉の意味より先に美少女の上目遣いと言うものが脳に焼き付いてしまう……待て待て待て、変態か俺は!へ、返事を……
「したことあるように見えるか?」俺は落ち着いてそう問う。それに愛は「気遣いとか、上手だし……意外と料理とかできたり……頼れるとこも多いじゃん」と返してくれた。……まさか、褒められてる?愛に褒められるのはとても嬉しくどうしても頭に残ってしまった。
学校にだいぶ近付き、生徒もチラチラと見えるようになった頃。やたら視線を感じた。
「……?」愛も少し気づいている様子だ。何かあるのか?
その時の俺は愛の隣を歩くということがどれだけ男の怒りを買うのか知らなかった。
ご視聴ありがとうございました。
今後の投稿もよろしくお願いします。
この小説書いてると糖度高すぎて糖尿病になりそう。