『私は嬉しい』
続編です。楽しんで行ってください。
文字数が……文字数がぁ!!
「じ、仁くん!だいじょ……」 そう言い張る愛をベッドに寝かし付け「寝巻きに着替えてくれ」そうお願いした。「あの……」何かを言い出そうとする愛に「俺も心配なんだ」そう言葉を口にする。「………」愛は黙り込んでしまったが、続けて「愛が俺に関することの仕事で負担をかけて体調を崩したんじゃないかって」そう言った。「ち、ちがっ、そんなことないよ!」愛はそう言ってくれる。だが、「どうしても、そうだと思ってしまうんだ」愛が否定に入る前に「だから休んで欲しい、無理しないで欲しい」そうことばを吐きだす。「……うぅ」愛は困った表情を浮かべた後「……着替えるから外に出てくれる……かな?」そんな言葉を口にしてくれた。ホッと息をついて「分かった」俺は心からの安堵と共にそう返した。
リビングに出て袋に氷を入れ水を少量入れる。タオルの場所も分からないため、自分のバッグからタオルを取り出す。……そろそろいいか?
そう思い、トントンと二回戸を叩いた。「…大丈夫だよ」その声を聞いて俺は部屋の中へと入った。……完璧に忘れていた。そりゃそうだ、寝るんだったら寝巻きに着替えるもんだろう……寝巻き、そう寝巻きなのだ。「か、かわ」思わず声に出そうになったがセーフだ。……セーフだ!
「じゃあ、、コレとコレと」そう言いながら必要なものを置いていく。
「よし…大丈夫そうだな」俺はそう呟いて必要なものが全て揃っていることを確認した。「後は何かして欲しいことあるか?」俺がそう問うと「今は大丈夫かな…ありがとうね、でも別に動けない訳じゃ」そう言いかけた愛の口元に指を置き、「ちゃんと休んで元気になれよ」そう言った。愛はくるりと寝返りを打ち俺に背を向けて「仁くんのせいで熱上がったかも」そんな事を言ってきた。「な、なんで?」そんな問いも無視され静かな時間が少し訪れた。「明日の水族館は無理かもな」俺がそう言葉を零すと、「い、嫌だ……」愛がそんな事を言ってきた。意外だなと思いながらも「来週……は遠いか。そういや、4日後に祝日があったな。その時にどうだ?」俺はそう提案をした。……明日は万全になれないだろう。4日後なら長引いても治る分は治ってくれるはずだ。
「その日は……無理かも」愛は残念そうにそう言った。「何か……あるのか?」俺はそう問う。「あそこの水族館、祝日にはカップル限定サービスって言うのになっちゃって……行けないんだよね」愛は酷く落ち込んでいた。そんな愛を慰めたかった俺は「愛が嫌じゃなかったら……」と、その言葉を紡いでいた。「それでも一緒に行く事とか……できないか?」顔が熱くなるのが分かる。「……いいの?」か細い声が俺の耳に入った。ただ俺はその声に肯定して「あぁ、もちろん。どうしても一緒に行きたいんだ」そう本心を口にした。「だから」と、俺は言葉を続けて「しっかり治してくれよ?」そう言った後、俺は恥ずかしさに耐えれず直ぐにトイレに行くと言いその場から逃げてしまった。
今起きたことを振り返ってみるとやってしまったことの数々を悔やむ。愛に気安く触れたり、恋人限定の水族館のデートへ誘ったり、ましてや女の子の寝室に入り込んだり。壁に背を預けて色々考え込んでしまうわ……嫌われてないかな…そんならしくない心配をして、俺は自分の気持ちを考えていた。「好きなんだな……愛のこと」誰にも聞こえないように小さく小さくその言葉を呟いた。
俺はしばらくして立ち上がり。愛の部屋の前にたった。……今は必要ないか。そう勝手に考えて愛の部屋から離れ、俺はおもむろにスマホを開いた。俺はスマホをポチポチと操作して、次に耳に当てた。
「おはようございまーす」やる気のない声を出してその電話の相手と話す。「今日は学校休みますねー」俺がのんきにそう言うと「お前、退学が免除されたからって調子に乗るなよ?」そう返してきた。「確かにそうですねー」またやる気のなさそうに声を発した。だが次に真剣な声で「それでも、やらないといけないことがあるんで」と言葉を並べる。これには教師も「……お前がそこまで固執することなんてな。まぁ今日は大目に見てやる。来週は来いよ?」そんな反応をした。そう言われた俺は「善処します」それだけを声にして返事も聞かずに電話を切った。
……愛は連絡したのか?そんなことを考えたが、教師に聞かれてからでも遅くは無いと思った。ソファにゆっくり腰を下ろす。だが、他人の家のソファに勝手に座っていいものなのか少し心配になった。……愛なら許してくれるだろ。そんなことを考えて、再度腰を下ろした。
しばらく経過した頃、愛が部屋から出てきた。「……?必要なことがあったら俺を頼れよ?」愛に向けてそう言うも「い、いや。ちょっと御手洗に……」そんなことを言わせてしまった。「あ、ごめん……」気まずい雰囲気が流れる。愛は直ぐにトイレへと向かい俺は少しその場を離れた。
ものの1、2分経過した頃に愛は足下をふらつかせ出てきた。「ちょっ!?大丈夫か!?」愛の背と肩を支えてしんしつにまでつれていく。「体調を崩すことに慣れてないのかもな」俺がそう言っても、なんの反応も示さない愛。「……?大丈夫か?」心配の気持ちをを示すと「いや、あの……」愛は急にしどろもどろになり顔を真っ赤にしだした。そんな彼女から言葉が紡がれる。「きゅ、急にハグ……されたのかと思って」「……」少し間を置いて「……!?」気づいた。「ご……ごめん」何時もなら飛び跳ねて離れるところだが流石に体調不良の女の子を支えていてそんなことは出来ない。「ごめんな」再度謝り、続ける「俺には愛をハグする勇気なんてないかもな」そんな言葉を零す。愛も顔を上げこちらを見た。「愛みたいな可愛い女の子をハグするのはもっとちゃんとしたやつじゃないと、俺にはその権利がないかも」そう言い俺爆笑する。愛をベットに寝かせ布団をかけてやる。彼女は布団を目元まで持ってきて「わ、私は……」と驚きの言葉を言い放った。「仁くんにハグされたら……嬉しい、けどね…」心にグッとくる何かがあった。彼女はくるりと俺に背を向けてしまった。なんとなく、モタモタしている……ヘタレのような俺が気に食わなくて……なにか行動をしないと。そんな思いが奮い立った。
"ギシッ……"愛のベットに何か重みのかかる音がした。「……!?」目の前の少女はビクッとからだを震わせて驚きの表情を浮かべながらこちらに身体を向けた。
体を横に倒して、少女の首元に手を通す。右手で頭の後ろをそっと撫で、左手を背中に添えてグッと体を寄せ付ける。そうして、
『おやすみ、愛』
そんならしくとない優しい声をかけた。
ご視聴ありがとうございました。
今後の投稿もよろしくお願いします。
イケメン 仁+可愛い 愛 最高だ〜