表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【休止中】自己至上主義者の世界征服〜我が神才に跪く栄誉を与えよう〜  作者: シュベラ・イスト・ダ・ルォーラー
【迷宮攻略】〜屈服せよ、我が配下となる栄誉を与えよう〜
3/9

3話【迷宮と進化】

処女作です。誤字脱字報告、よろしかったら是非お願いします!

感想、評価、ブクマを付けてくださっている方々、本当にありがとうございます!!


カクヨムでも連載始めました!https://kakuyomu.jp/works/16816452219161376531


*午後七時に更新(度々更新日を変更して申し訳ありません。一週間に1~3話投稿する予定でしたが、それも厳しいので、10日ずつ1話投稿しようと思います。最近仕事が忙しいため、更新日を減らさせていただきました。ある程度仕事が落ち着いたら、更新日を明確にし、投稿頻度も増やそうと考えています)

 

 そうして武技の練習兼二匹の育成のために出発して丸一日が経過した。この一日の間に倒した黒斬狼の数は約80匹と普人族(ヒューマン)二人。その結果、(かえで)の『盾術』と美羽(みう)の『鑑定』をLv2まで上げることに成功した。

 (かえで)は黒斬狼が現れたらずっと肉壁として『流水(パリィ)』をさせて、美羽(みう)は魔力量不足で倒れるまで『鑑定』を使わせていた成果だろう。

 しかも《種族》と《天職》のLvも既に8になっている。この変化した世界ではどうなのかは分からないが、ゲームではLv10みたいな節目では、かなり強化されていたので楽しみだ。

 そして、その期待のLv10はすぐに到達するだろう。今日中は確実だと考えていい。


 何故ならば、俺が『調教(テイム)』した黒斬狼十匹に俺たち以外の人間の捜索を命じたからだ。


 もう一度言うが、この一日の間に俺たちは黒斬狼約80匹の他に、普人族(ヒューマン)二人を討伐している。

 その普人族(ヒューマン)二人は共に行動しており、俺たちが黒斬狼を約50匹討伐したときに遭遇した。

 遭遇した二人組は、楓と美羽を守って死んだ3人組と同じように紫のネクタイを身につけており、俺の後輩である高校一年生の男二人組だった。

 彼らはこれまで奇跡的に黒斬狼には出会わなかったようだが、急にこのようは汚らしい土の迷路に閉じ込められて精神が摩耗していた。

 俺たちが声をかけると疲弊の色が強かった顔を喜色に染めて俺たちに駆け寄って来た。

 他の生存者、しかも先輩である俺を見て助かったと思ったようだ。とはいえ、もちろん俺は当分は配下を増やす予定などない。食糧的に考えてもな。

 そして俺は彼らが駆け寄って来たと同時に首を刎ねて殺したのだが、その時何と黒斬狼とは比べ物にならない程の経験値が手に入り、Lvが上昇したしたばかりなのにまた上昇したのだ。


 しかも、同時に『同族殺し』という《才力(スキル)》も手に入れ、次からは同族を殺した際の取得経験値量は3倍になるおまけ付きだ。

 もちろん、破格の効果を持つこの《才力(スキル)》には定期的に同族かそれに近い《種族》を殺さなければ理性を失うというデメリットもあった。

 しかし、それでも尚メリットが非常に大きい。まるでこの世界の新たなシステムが『同族殺し』を勧めているようにすら感じるほどだ。

 まあ、それならそれで俺たちは当分普人族(ヒューマン)を標的にするだけだ。これよりも現状Lv上げに効率的なものはない。


 そして俺は、その高経験値の狩りの効率を上げるために、索敵要員として黒斬狼を『調教(テイム)』することにしたのだ。

 先程ようやくそのための黒斬狼たち十匹を『調教(テイム)』するという準備も終わり、最早俺たちがLv10になるのは時間の問題となった。

 元々美羽の『鑑定』で、黒斬狼が『嗅覚強化』を持っていることが判明したため、『調教(テイム)』することにしたのだが、俺の予想よりも遥かに黒斬狼の索敵能力は優れていた。

 黒斬狼の『ステータス』を確認したところ、何と黒斬狼は『嗅覚強化』の他に、『聴覚強化』『気配感知』『魔力感知』という索敵に役立つ能力を三つも備えていたのだ。

 索敵に使える《才力(スキル)》を四つも持っているとは、

 むしろこれで時間の問題でなかったら何だというのか。俺たちはこれまで殆ど出会わなかったが、それは黒斬狼がいなかったからだ。黒斬狼がいれば極短時間で多くの普人族を発見するだろう。


「う、うわぁぁぁ、来るなーー!!」


 そんなことを考えていたら、早速黒斬狼は普人族(ヒューマン)を発見して連れて来たようだ。一人目を発見するのにかかった時間はたったの5分。驚異的な索敵能力と素晴らしく効率的なLv上げに笑いが止まらない。

 これはLv10どころか今日中にLv20になるかもしれない。とは言っても俺ではなくこの二匹だけだが。


 ゲームでもあるようにどうやら上位職は必要経験値が多いらしく、残念ながら未だに俺のLvは二匹のLvの半分しかない。しかし、そんな俺でも今日中にLv10は行きそうだというのだから、黒斬狼を利用したこのLv上げの効率の素晴らしさが分かる。

 さらに死んでも新しい個体を『調教(テイム)』すればいいから食糧を渡す必要がないという利点まである。

 まあ、死なない方が得だから出来るだけ食糧は渡す予定だが。一度自身の配下になった存在には出来るだけ死んで欲しくないからな。


 そう考えながら俺は一振りで一人目の首を刎ね、時々(かえで)を肉壁にしながら次々と同じ学校の生徒や教師たちを殺していった。


 § § §


 そんなことを繰り返し、だいたい5日が経った頃。


 俺たちは5mはある巨大な門を眺めていた。門には角の生えた黒斬狼の模様が描かれており、二匹の息を多少重くする程度の重圧を放っていた。これだけ聞くと大したことはなさそうだが、恐らくLv10程度であれば歩くことすら困難な程の重圧だろう。

 今の俺たちに効かないのは、単純にLvの差だ。二匹のLvは30を超え、Lv10に達してからさらに上がり難くなった俺のLvも15を超えている。流石にこのLv代になると、戦闘には向いていない鑑定士にさえ重圧は殆ど効かない。


 さて、この巨門の先はゲームでいえば間違えなく強敵(ボス)部屋だろう。薄々予想してはいたが、今回のことで俺たちが今いる場所が迷宮(ダンジョン)である可能性がさらに高まった。

 残念ながら美羽(みう)の『鑑定』だとまだLvが足りないせいか、今俺たちがいる空間どころか地面や壁でさえ『鑑定』が出来なかったので分からなかったが、ゲーム的に考えるとすればそうなのだろう。


 そしてここを迷宮(ダンジョン)と仮定した場合、もしもこの仮称強敵(ボス)部屋を攻略したら地上に戻れる可能性がある。まあなかったとしても、約6日が経過して他には何も見つからなかったのだから攻略するつもりだ。

 それに俺たちは最早同族狩りをしても殆どLvが上がらない状況であるため、大量の経験値を持っていそうな強敵(ボス)は倒しておきたい。


 というわけで、早速俺は二匹と十匹の黒斬狼を連れて巨門の先へと足を踏み入れた。




 巨門の先に広がっていたのは、予想通り強敵(ボス)部屋だったようだ。強敵(ボス)部屋には、黒斬狼とは比べ物にならない威圧感と殺気を放つ、全長3mを越える巨大な狼がいた。

 巨門に描かれていた存在のようで、頭に角が生えたことと大きさ以外は黒斬狼にそっくりだ。恐らく黒斬狼の上位種かそれに近い《種族》なのだろう。


 まあ、まずは情報収集だな。俺は素早く美羽に『鑑定』の使用を命じた。


美羽(みう)、巨狼に『鑑定』を使用して、分かった情報を俺たちに伝達しろ」


「はい。Lvは10、《種族》は黒斬狼主、《才力(スキル)》は『闇魔法』と『下位種召喚』、『身体能力強化』、『索敵』の四つを所持しています。『闇魔法』は対象の能力を下げ、『下位種召喚』は黒斬狼を召喚します。『索敵』は『気配感知』『魔力感知』などの複合上位互換のようです」


『闇魔法』と『下位種召喚』はかなり厄介だな。


 まず『闇魔法』だが、能力が下がること自体は問題ではない。能力が下がってもこの巨狼を討伐できるだけの力はあるだろう。問題は、突然身体能力が変化したら、身体の制御が困難になることだ。

 俺はまだ大丈夫だろうが、他はそうではないだろうしな。もしも敵の目の前でそんな事態になったら、大した抵抗もできずに死ぬだろう。


 逆に『下位種召喚』は純粋に厄介だ。こちらの数の利がなくなるどころか、逆に数的不利になる可能性もある。また、俺も従えていて分かったが、黒斬狼は群れとしての能力も優れている。優れた群れは、時に強靭な個人よりも危険だ。

 俺はもちろん、(かえで)美羽(みう)の二匹にも対多数の戦い方は指導したので大丈夫だろうが、黒斬狼十匹はこれまで数で戦っていので厳しいだろう。数で戦う存在は、より優れた連携や数を持って戦う存在には負ける。

 奇跡的に黒斬狼はこれまで死ななかったが、今回の戦いで何匹か死ぬだろうな。Lvが上がったことで、索敵能力も上がったのに残念だ。


 いや、いっそこの巨狼ーーーー黒斬狼主ーーーーを『調教術』で『調教(テイム)』できないだろうか?『調教術』のLvも2に上がっている。さらに能力値的にもかなりの差がありそうだし、可能なのではないだろうか?ではまずは戦って格を示さなければならないな。


 § § §


 結論から言うと、残念ながら強敵(ボス)であった黒斬狼主を『調教(テイム)』することは出来なかった。戦っている時、間違えて(かえで)が止めを刺したのだ。

 まあ、予想よりも黒斬狼主が強くて、二匹にとっては命懸けの戦いだっただろうから仕方ない。それに、別にあの黒斬狼主にこだわる必要もなかったしな。


 何故その必要がないかというと、俺は強敵(ボス)であった黒斬狼主を『調教(テイム)』することは出来なかったが、狙っていた黒斬狼主は手に入れたからだ。

 そう、俺が数匹は死ぬだろうと予想していた十匹の黒斬狼が進化したのだ。どうも俺の予想よりもLvの力は大きかったようで、俺たちと行動を共にしてLvが上がっていた黒斬狼にとって、『下位種召喚』で召喚される同族は相手にならなかった。

 そして、(かえで)が黒斬狼主に止めを刺して経験値を獲得した瞬間、《種族》LvがMAX(30)になったらしい。黒斬狼の進化先を決定する十個の『ステータス』が俺の前に現れた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『固有名』

 《種族》黒斬狼LvMAX(30)  《天職》狩人Lv30

 性別:雄(8匹)・雌(2匹)  年齢:0


 能力値

 筋力:D- 魔力:E- 速力:C- 妖力:E- 堅力:D 魅力:E-


 《才力(スキル)


 近接物理戦闘系

 『狩猟術Lv3』『爪術Lv2』『牙術Lv2』

 身体能力強化系

 『嗅覚強化Lv3』『聴覚強化Lv3』『脚力強化Lv2』

 特殊能力系

 『気配感知Lv4』『魔力感知Lv3』『連携Lv3』『隠密Lv2』


 所有者マスター:剣崎(けんざき) (しずく)


 進化候補


 黒斬狼LvMAX(30)→ 黒斬狼主Lv1

 黒斬狼LvMAX(30)→ 黒刃狼Lv1


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『ステータス』が記している通り、進化先は二つ。


 一つ目の黒斬狼主は、今俺たちが討伐した強敵(ボス)と同種族だ。体躯が大きくなり、全長も1m程増える。また、恐らく強敵(ボス)と同じように、『闇魔法』と『下位種召喚』を覚え、現在所有している身体能力強化系の《才力(スキル)》が『身体能力強化』に、特殊能力系の《才力》が『気配感知』と『魔力感知』が『索敵』に統合進化されるのだろう。

 美羽が強敵(ボス)の全てを『鑑定』出来なかったせいで真偽は不明だが、召喚した黒斬狼に指示のようなものをしていたことから、主の名に相応しい統率系の能力も獲得すると予想される。


 二つ目の黒刃狼については、見たことがないから分からない点も多いが、()()に変わったことから、『爪術』と『牙術』に影響する可能性が高い。


 正直、現在の情報を比べるならば、黒斬狼主一択だ。『爪術』や『牙術』のLvも高くないしな。それなら多才な黒斬狼主の方がいい。

 大きくなったことで一見これまでの役割であった索敵には不向きに見えるが、『索敵』を持っているようにむしろ能力が強化されている。召喚した黒斬狼にやらせることもできるしな。


 だが、俺はあえて三匹は黒刃狼に進化させようと考えている。俺は黒刃狼ではなく、そのさらなる進化先に期待しているのだ。また、いくら非常食や人肉があると言っても、進化して大きくなると食糧消費も激しくなるだろうしな。

 黒斬狼だった頃と違い、進化までしたのに殺すのは勿体無いというものだ。


 そういう訳で、俺は七匹を黒斬狼主に、残りの三匹は黒刃狼に進化させた。そして、そのまま強敵(ボス)の部屋の奥にある階段を降りていくのだった。


 さて、次の階層には果たして何があるのだろうか?


「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!

していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません!

ぜひよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ