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【休止中】自己至上主義者の世界征服〜我が神才に跪く栄誉を与えよう〜  作者: シュベラ・イスト・ダ・ルォーラー
【迷宮攻略】〜屈服せよ、我が配下となる栄誉を与えよう〜
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1話【非日常と覚醒】

処女作です。誤字脱字報告、よろしかったら是非お願いします!

感想、評価、ブクマを付けてくださっている方々、本当にありがとうございます!!


カクヨム様でも連載しております!https://kakuyomu.jp/works/16816452219161376531


 

 最初、正直何が起きたのか理解できなかった。


 ついさっきまで、いつものように教室で退屈な授業を受けていた。

 真面目にノートを取る者、近くの席の友達と雑談する者、隠れてスマホを弄っている者など様々なクラスメートたちと教師を時折視界に収めながら、適当にノートを取っていた。

 ずっと変わらない、平穏で平和な素晴らしい日々を謳歌していた......そのはずだ。


 そんな俺の日常(幸せ)が、瞬き一つする間に書き換えられた。


 改築したばかりで真新しい教室が、汚らしい土色の部屋に様変わりしていた。

 低脳なクラスメートたちの姿も、無能な教師も俺の視界からいなくなっていた。

 唯一変わらないのは、俺自身とその所有物だけ。辺りには、鞄やロッカーにしまっていたはずの体操服と非常食が転がっている。


 一体、何が起こってこのような状況になったのか。

 授業中に睡眠薬でも打ち込まれて、この部屋に連れ込まれたのだろうか?

 それとも、突如として超大規模な地殻変動でも発生したのか?


 思わずそんなことを考えて、非現実的だと自嘲しそうになったが、そもそもこの状況が非現実的だったのでやめた。

 笑えないな。自嘲することすらもできないほどに、最悪な状況だ。とりあえず、これからどうすべきかを早急に考えなければ。


 現状での一番優先的に取り組むべき問題は、数秒前から聞こえてくる獣の咆哮だ。

 面倒なことに、この洞窟のような環境のせいか、咆哮を放つ獣からどこにいるのかよく分からない。

 だが、咆哮の大きさからして、あまり離れてはいないだろう。群れている可能性もある以上、この場に留まっているのは危険だ。

 刀でなくとも、何らかの武器でもあったら良いのだが、いくら俺でも学校にそんなものは持ってきていない。

 役立ちそうなのは、精々が文房具程度。もしも獣が群れていた場合、このままでは怪我を負う可能性が僅かにある。

 もちろん、致命傷は避けられるだろうし、流石に一回や二回の怪我で死んだりはしない。

 しかし、この場所にどれだけの獣、またその群れが存在しているか分からない以上、怪我の可能性は避けておくべきだ。


 ......まずは、ある程度近辺を探索して、咆哮が聞こえてきた場所を見つけ、その後は獣の痕跡が少なく、この地点から離れた場所で周囲の確認をしてから野営の準備をするとしよう。

 そして、食料が殆どないこととGPSが機能していないことも考慮して、この場所の地図を作成しながら人の気配が感じられる方向に移動する。

 残念ながら、このような異常事態で救助が即座にこれるとは思えない。この場所に俺以外の人がいる可能性に賭けるしかないな。

 ロッカーに非常食をしまっておいて良かった。この非常食があれば、数日は持つ。その間に、何としてでも人を見つけなければ。


「うわぁぁぁーーーー!!だ、誰か、助けてく......」


 俺がこれからの簡易的な計画を練り終わると、すぐ近くから耳障りな悲鳴が聞こえてきた。

 どうも、俺の予想よりも遥かに獣は近くにいたらしい。すぐ先の曲がり角にいる。

 まさか、この距離まで近寄っていたのに気付かなかったとは......俺もまだまだだ。


 低脳で役立たずの足手纏い(クラスメート)が、俺の近くまで逃げてきて食われているようで、耳障りな咀嚼音が聞こえてくる。

 肉が噛み千切られる音と共に、曲がり角からその汚らわしい血が大量に流れてきている。

 全く、これだから武術の一つも学んでいない一般人は駄目なんだ。


 まあ、予想通りとはいかなかったものの、俺にとっては幸運と呼ぶべきだろう。

 足音や気配からして、獣の種類は大型の犬か狼、数は一匹。群れの場合は撤退も視野に入れたが、一匹なら大きな問題ではない。むしろ、心許ない数しかない食糧を補充できるいい機会だ。

 まあ、だからといってこの異常事態で油断したりするつもりはないが。只の獣だったとしても、侮るのは馬鹿のすることだからな。


 さて、目の前の曲がり角の先にいる以上、獣にも俺の存在も十中八九気付かれている筈だ。

 野生かどうかは分からないが、基本的に獣がこの距離で気付かないわけがないしな。

 すぐに姿を現さないのは、獣の脚力から考えて、例え俺が逃げたとしても追いついて殺せると感じているからだろう。はぁ、随分と舐められたものだな。


 とはいえ、時間をくれると言うのならありがたく貰っておくが。食い終わるまで多少の時間はあるだろうしな。俺はその間に、戦闘に使えそうな物の準備でもするとしよう。

 まず、現状武器になりそうな物は、鋏と鉄製の30cm定規のみ。それとここは暗いから、一応スマホのフラッシュ機能も牽制には使えるか。

 家にある武具は高望みにしても、机や椅子があるだけで大分楽になりそうなものだが、無い物ねだりは出来ない。

 とりあえずそれらを急いでポケットにしまって隠し、スマホだけ手に握って曲がり角の方に構える。

 格闘術も一応使えるが、俺が使える格闘術は四足動物とは相性が悪い。鋏だとしても、あった方が良いだろう。


 くそっ、最近良いことばかり起きた反動か......?こんな目に遭うなんてな。

 この俺が愛する平穏な日常が、こんな、こんな一瞬でなくなるなんて......!

 ああ、考えるだけで身体が熱くなる。ここまでの怒りの感情が湧くのは久しぶりだな。

 まぁ、この怒りもこれから獣にぶつけるればいいだけだ。ぶつけたら、一時的に落ち着くだろう。


「グルルルルゥゥ......」


 そして奴は、凡人であれば心底から震え上がるような威嚇音を発しながら、俺の前に姿を現した。


 黒くて硬い体毛、血のように真っ赤な瞳、鋭く生え揃った爪牙。

 そのどれもが生物を殺すためだけに作られた、獣にとって極上の武器。

 体毛の硬さは自身の負傷を減らし、漆黒に近い黒色は夜に紛れる隠密性を高めるため。

 真っ赤な瞳は、相手に威圧感と恐怖を与え、獲物から闘争心を奪うと共に逃げ難くするため。

 鋭い爪牙は、獲物や敵がどれほど硬い肉を持っていても、切り裂き、貫き、噛み砕くため。


 これぞ天性の狩人であると断言できる強さが、身体中の肌で感じられる。

 それは知性を代価に、生身で戦う動物としての強さを捨てた多くの人類にとって、余りにも強大な敵であった。


 どうやら、たかが一匹の狼だと侮っていい相手ではないようだ。この強烈な気配からして、最低でも一般的な狼よりも数倍は強い。殺気の鋭さなど、最早一流の武人の領域に踏み込んでいる。


「ふぅぅ......」


 目を奴から離さず、深呼吸をして猛火の如き怒りを抑える。怒りに身を任せても確実に勝てる相手ではない。

 今にも駆け出しそうな身体を押さえつける。まだ動いてはいけない。相手が飛びかかってきて、自ら隙を晒すまで待つ必要がある。

 俺の速度は、奴より僅かに下。瞬間的な速度差も考慮すると、下手に動いた場合、あの鋭利な牙によって俺は一瞬で切り裂かれてしまう。

 だからここは待つ。待って焦らして完全に隙ができた時に、一気に息の根をとめるのが最善だ。


「グガァアァァ!!」


 少し時間が経ち睨み合いが続くと、狙い通りに奴が苛立って飛びかかって来る。

 奴は現在空中約2m地点、俺の予想よりもやや高い位置だが、それは現状では逆に好都合だな。恐らく身体構造は狼と同じ、空中にいるならばまともには動けない筈だ。

 今しかない......!!


 瞬時に操作し、スマホのフラッシュ機能を奴の目に向けて発動し、まずは一時的に視界を奪う。

 それによって奴は悶え苦しみ着地に失敗した。その隙に定規を目に可能な限り深く刺し込み、同様に鋏で首を突き刺す!

 これでとっとと死ねばいいのだが、どうやらかなり生命力が強いようだ。奴が暴れることも考慮して、致命傷にはならない位置から攻撃しているが、流石にこうも必死に暴れられると痛みを感じる。

 まるで天然の刃の如き真っ黒な爪が俺の身体に幾つかの切り傷を作り、血が落ちて地面に染み込む。並みの刃物では傷一つつかない俺の服を破るとは、凄まじいほどに鋭利な爪だ。


 だが、この程度の痛みなど飽きるほどに味わっている。そして、ここで痛みで手を止めることの愚かさも知っっている。だから痛みを無視して、俺はより力を込めて定規と鋏を奴の身体に突き刺す。

 只管に力を込める。より強く、そしてより深く刺し込む。こいつは確実に殺さなければならない。俺がこれからも生きていくために、貴様の血肉を喰らい尽くす!


 約一年ぶりの戦闘に対する昂揚のせいか、普段と比べると異常な殺意を伴ってより一層深く刺し込むと同時に肉が潰れるかのような音が聞こえた。

 そしてさらに同時に、まるで機械のような抑揚のない音声が、何処からともなく脳内に直接流れてきた。


『黒斬狼を討伐しました。初めての討伐を確認を確認しました。『ステータス』に覚醒しました。才能、技量、経験を元に《天職》及び《才力(スキル)》が発現します。』


 機械的な音声が脳内に流れるのと同時に、必死に抵抗していた奴の姿が忽然と消え失せる。奴がいた場所には、いつの間にか黒くて巨大な両手剣(ツーハンデッドソード)が置かれていた。

 さらに、身体からは今までとは比べ物にならないほどの強さが湧き出てくる。これは一体......


 思考停止に陥りかけた頭を無理矢理に回転させて考える。まだ少し混乱しているが、それを気にしている暇はない。


 これは一体どういうことなんだ?ゲームのような出来事が俺の身に次々と起こっている。

 転移みたいな突然の移動、並大抵の武人では歯が立たないであろう大狼ーーーー黒斬狼だったか?ーーーーとの遭遇に、戦闘が終わった途端に突如として脳内に直接響き渡った機械的な音声。

 世界がゲームに変わってしまったかのようだ。......そういえば、『ステータス』に覚醒したとも聞こえたが、ゲームではレベルや能力値を確認するあの『ステータス』のことなのだろうか?


 もしそうならば、一度『ステータス』を見てみたい。いや、『ステータス』に何か情報が載っている可能性がある以上、見なければならない。

 今のところ閲覧する方法の見当はつかないが、どうにかして『ステータス』を見なければという思いが湧き出る。

 まず、脳内に響いた音声に問いかけるように『ステータス』と念じてみたが何も起こらない。ならば直接声に出して唱えるべきだろうか?

 先ほどよりも強く念じ続けているが、何も起こらない以上試みるべきだろう。


 これで何も起こらなければ、『ステータス』をどうすれば見れるのか見当が付かないので、これで見れるといいんだが。

 とりあえず、唱えるとしよう。ただし、反響によって他の黒斬狼を引き寄せないように出来るだけ小さな声で。


「『ステータス』」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『固有名』剣崎(けんざき) (しずく)

 《種族》普人族(ヒューマン)Lv1  《天職》侍大将Lv1

 性別:男      年齢:17


 能力値

 筋力:C- 魔力:E- 速力:C- 妖力:D 堅力:D+ 魅力:B


 《才力(スキル)


 物理戦闘

 『刀剣術Lv10』『騎馬術Lv6』『槍弓術Lv3』『投擲術Lv2』『射撃術Lv5』

 妖魔戦闘

 『氣闘術Lv8』『乱氣Lv5』

 特殊戦闘

 『将軍Lv7』

 物理生産

 『茶道Lv4』『商術Lv4』『家事Lv4』

 特殊生産

 『指導Lv4』

 特殊能力系

 『戦眼Lv6』『気配感知Lv5』『勇気Lv5』『威圧Lv4』


 《固有権才(オリジナルスキル)


 【天壌の刀勇(アーク・ブレイブ)Lv1】


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 っっ..........!


 まさか、本当に『ステータス』が出現するとは。いや、出現することを望んではいたが、実際に見えることに思わず驚愕してしまった。

 だが、唱えると空中に半透明状の板で出現するとは一体どういう原理なんだろうか?

 いや、脳内に響いた機械的な音声も含め、これらは今考えても分かることではないか。とりあえず、世界の在り方が変わったということだけ認識すればいい。

 それよりも、今はこの『ステータス』の詳細について調べるのが先決だな。

 ゲームなどの娯楽に興味がある人ならば見覚えはあるし、大体の予想もつくが、それはあくまで推測に過ぎない。


 今度はこの『ステータス』の詳細を調べなければならない。しかし、『ステータス』を唱えたように、声に出して一つ一つ調べるには項目が多く感じる。

 『ステータス』が脳内に音声が流れる訳でもなく、空中に板状で出現していることを考慮すると、直接知りたい場所を押せばいいのだろうか?


 ......どうやら正解だったようだ。押した項目の横に、その項目の詳細が記された小さな二つ目の板が出現した。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 『固有名』・・・己を除く知的生命体から与えられ、一定期間大勢の知的生命体に呼ばれた名称。霊魂を一定期間肉体に定着させる役割を果たす。


 《種族》普人族(ヒューマン)・・・数多の世界で最大の規模を誇る知的生命体。飽くなき欲望を持つが故に驚異的な繁栄を遂げている。様々な進化の可能性を保有する。


 《天職》侍大将・・・侍の上位職。前衛職としては万能に近い能力を持ち、妖力を氣に変換して扱うことが可能。様々な分野に精通しており、指揮官、商売人または芸術家としても優れた能力を持つ。一部の《才力(スキル)》の成長速度に小補正。筋力と速力に中補正。妖力と堅力に極小補正。


 性別:男・・・別称:雄。雌と交尾をすることで、子を作ることが出来る可能性を持つ。一つの物事への集中に長ける。

 年齢:17・・・自身が生誕したときに最も近かった国の年齢計算方法を基準として数える。


 能力値・・・主に、筋力は攻撃力、魔力は魔力量、速力は俊敏性、妖力は妖氣量、堅力は耐久力、魅力は統率力に影響する。能力の変化に伴い、値が変動する。


 《才力(スキル)》・・・才能、技量、経験によって決定される特殊能力。Lvの上昇に伴い新たな武技(アーツ)や妖術、魔術(スペル)などを習得することもある。詳細な効果を見るためには、各《才力(スキル)》に対応する鑑定系《才力(スキル)》が必要。


 《固有権才(オリジナルスキル)》・・・霊魂の真核に宿る唯一無二の権限にして才能。この能力を所有する者は、いかなる状況でも霊魂を奪われることはない。また、この能力を所有している限り、永久に輪廻転生を繰り返す資格を与えられ、真の意味での死を迎えることはない。ただし、《固有権才(オリジナルスキル)》を所有する者が同じく《固有権才(オリジナルスキル)》を所有する者を殺害した場合、その《固有権才(オリジナルスキル)》の力の一部を奪うことが可能。


 【天壌の刀勇(アーク・ブレイブ)Lv1】・・・天と地を統べ、刀剣で全てを斬り裂く権能を持つ、孤高の英勇。人々に讃えられて英勇になるのではなく、人々に讃えさせて英勇となる。しかし、その力の大半は未だに引き出せていない。魅力に極大補正。『刀剣術』と『勇気』の《才力(スキル)》を取得。一部の《才力(スキル)》の成長速度に大補正。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 見たところ、なかなか興味深い内容が多い。また、予想よりも詳細に記されているようだ。とはいえ、曖昧な点も多いが。


 ただ、何故最初から《天職》が侍の上位職である侍大将になっているのだろうか?

 ......ああ、そういえばこれまでの才能、技量、経験によって発現すると聞こえたな。

 ゲームであれば最初から上位職は不正行為(チート)に当たるだろうが、これまでの鍛錬の成果だと考えれば妥当か。

 むしろ、素人と同じ《天職》だった場合、様々な面で違和感を感じるだろう。


 後、個人的には武技(アーツ)が気になる。武技(アーツ)とは本当にゲームのようなシステムだが、発動した場合もゲームと同じように身体が勝手に動くのだろうか?

 まあ、各《才力(スキル)》に対応する鑑定系《才力(スキル)》を使わなければ、どのような武技(アーツ)が使えるかも不明なので、すぐには使えないか。

 とはいえ、使える技を一通り試せば幾つかは見つかるかもしれないから、移動後に試すとしよう。

 幸い、俺の流派は他の流派と比べても、桁が違うほどに技の数が格段に多い。ゲーム知識が役に立てば、一つは発見できる。


 ......上から順に見てきたが、最大の注目点はやはり、この《固有権才(オリジナルスキル)》だ。

 説明文を見ただけでも他と比べて破格の力を持つことが伝わってくる。この俺でさせ、大半の力を引き出せていないほどだ。

 もしも意図せず他の《固有権才(オリジナルスキル)》所有者と遭遇した場合、相手が力を引き出せていることも考慮して、一先ず撤退する必要がありそうだな。

 殺害に成功すれば報酬は大きいようが、他の所有者も【天壌の刀勇(アーク・ブレイブ)】と同程度の能力を持つことを考慮すると難易度が高過ぎる。積極的に殺すかどうかはよく考えて行動しないとならないだろう。


 あと、この説明文に書いてある............


 § § §


 そうして、何度も『ステータス』の詳細を確認して考察が終了した後、俺はすぐに荷物をまとめて黒斬狼が来た道とは反対側の道を進んだ。また、荷物の一つとして、あの黒い両手剣(ツーハンデッドソード)も持っていくことにした。

 もしも先程のような黒斬狼が群れていた場合、丸腰では俺でも危険だ。勝ちはするだろうが、無傷は難しい。

 しかし、この両手剣(ツーハンデッドソード)があれば、怪我を負うことなく、短時間で討伐できるだろう。

 こと刀剣の扱いに関しては、世界一の自負があるからな。また、刀剣の類を持っている限り、変化前の世界では最も強い自負もある。だから持っていくのが正解だろう。


 さらに、この世界がゲームのようなファンタジーな世界に様変わりした以上、これは魔物(モンスター)のドロップアイテムである可能性が高い。あくまでもゲームの話だが、ドロップアイテムの武器は何かしらの能力を持っていたり、売却できるだけの価値があったりした。

 この非現実とかした現実世界ではどうなのかは分からないが、俺以外の存在もこの土の迷路にいるようだし、その者たちにとってこの武器はかなりの価値があるだろう。殆どの者は黒斬狼を倒すことは出来ないだろうしな。

 ......いや、それを考えると遭遇する前に全滅する可能性もあるのか。所有物に期待はしないが、せめて俺に遭う前に喰われないで欲しい。


 そんなことを考えながらも、俺は警戒しながらも着実に、血が染みついた道を進んで行くのだった。


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ぜひよろしくお願いします!



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