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10話

宇宙空間でも船内から酸素が供給され続ければ延焼します

物質が溶かされ高温になり気化することを爆発以外にひと単語でどう表現すればいいのか分かる人は感想欄にお願いします

展開が速すぎるという意見をいただいたのでゆっくり話が進みます。以前の部も連載を続けながら改修しますよかったら戻ってください

私の名前はリリー。3番コロニー群で生まれ育った。歳は18歳で農家の娘だ。食料が尽き売れるものがな今スペースデブリとなり果てたスペースコロニーの残骸を集め売るジャンク屋のまねごとをするしか生計を立てられない


~コロニー民間港

「おねーちゃんまた行くの?」

5歳の私の可愛い弟が後ろから問いかけてくる

「ああそうでないと食べていけないからね。お父さんとお母さんの手伝いをしっかりして私を安心させてね」

宇宙服にヘルメットを左手で担いて右手で弟の頭をなでる。心配している理由も分かる。ちょっとしたミスで簡単に人は死んでしまうのだから。だが食料も金もない今一攫千金を狙えるジャンク屋のまねごとをするしかない、わかってくれ

「うん、頑張る」

両手を強く握ったその姿は姉に変なことを言ってしまった謝罪と姉を奮い立たせようとした意志を感じ、弟にそんなことをさせてしまっている自分の不甲斐なさ噛み締めながら苦笑いを浮かべることしかできなかった

「リリーよちゃんと安全を優先するのだよ」

整備士のおっちゃんが声をかけてくる。我が家の事情を案じ無償で働いてくれている恩人といっても過言ではない人だだが、たまにどこか遠くを眺めているのが気がかりだ

「手を煩わせないように頑張るね」

「おう、カタパルトの準備ができた移動してくれ」

「はーい」

ヘルメットを被り首周りをベルトを締める

「気密確保」

梯子を上る

途中で弟の視線を感じた

「God bless you」

振り返りながらサムズアップをする

「God bless you too」

弟もそれにこたえる

一番上まで登り腕と足だけでコックピットがガラスで覆われているだけの産業用MSのコックピットに乗り込む

『生体情報認識、リリーさんお帰りなさい』

「おう」

Y字型のシートベルトを締める

システムが立ち上がる

モニターに次々と情報が表示される


「ユニットチェックを開始する」

右腕、左腕を可動域限界まで動かす

「右腕、左腕問題なし…握力問題なし」

左足を一歩前に出す

「機体姿勢装置問題なし」

ゆっくり歩き始める

根元から指先まで線入りに確認する。足に問題があると帰還ができなくなってしまうからだ

「system all green, カタパルト接続」

左足から順にカタパルトへ接続する

「よし統制室へ戻るぞ」

整備士のおっちゃんが弟へ連れ出していく

時たまこっちを振り返る弟の視線に耐えることしかできなかった


弟らが出ると気圧ハッチが閉まる

『気圧低下』

椅子から体が浮き上がる。その度にシートベルトをきつくする

開けたまんまのコックピットハッチから統制室の窓を見上げる

轟音とともに扉が開く

星々の光が差し込む

「何度見ても美しいよな…」

ぼそっと独り言を零す


再度統制室を見上げると弟が手を振っていた

手を振り返すとうれしそうにだけどどこか陰のある表増で笑いかけてくる

笑顔を横目にコックピットハッチを締め発信準備を整える

「準備はできたみたいだな」

スピーカーからおっちゃんの声が聞こえてくる

回転を始める機体

カタパルトと平行になる

「レーダーポインター表示、射線に障害物なし」

壁が光りだし磁界が発生する

目を瞑り大きく息を吸い込む

「リリー、産業用MS出る」

威勢のある声で宣言する

カタバルトハッチが機体を押し上げていく

火花と白い煙を後ろに引きながら急速に速度が上がる

光が次々に後ろに流されていく

足にかかるGは凄まじいが周囲を見るほどの余裕は生まれていた

「発進」

足がカタパルトからパージされる

僅かにブラスターを吹き、機体にかかる慣性を安定化させる

「機体制御安定、機体に問題なし、時速700㎞を維持している」

「進路変更4時の方向」

ブラスターを吹き機体を旋回させる

今回は恒星の引力にひかれて流れたものを探しに行くつもりだ

無性に不安になる

燃料が底を尽き始めているからか?尽きればMSを発進させることが出来なくなる。そうなれば本当の終わりだ。だがそういう不安ではない


レーダーを確認する白い点が無数にあるだけでやはり何もわからない。電力がもったいないから切ろうにももしものために絶対に切るなというおっちゃんのお願いを無下にするわけにはいかない


自問自答を繰り返していると視界の端っこで光の反射が見えた

ブラスターの微噴射で近づく

アームを伸ばして引き寄せてみたら1m²四方のコロニーの外装だった

「お、しょっぱなからラッキー菓子パンが10個は買えるだろう」

販売経路を確定できていない今足元を見られてまともな額にはならない


さらに慣性航行を続ける

さらにもう一つの外装を見つけることができた

さらなる部品を求めて航行を続ける


あれから30分ほど航行を続けたがめぼしいものはなかった。そろそろ方角を変えようか悩んだころレーダーの端っこにどでかいものが映った。レーダーの探索域に収まりきらず全貌はまだ見えていない。興奮しながらブラスターを吹かし近づく

だがいくら近づいても全貌は見えてこない。無性に不安が掻きあげられる


遠くに見えてくる

光沢から想像するにコロニーの部品ではないようだ

「艦首…なのか」

艦首以外に考えにくいどこかの輸送船だろうか

徐々に後ろが見えてくる

あのどでかい3本の筒はまさか砲台?

軍艦だったようだ

だが装甲に見覚えがない

しかもこの船の構造も初めて見た

「まさか宇宙人⁉んなわけないか」

だが軍船には必ずある認識番号が書かれていなし煙が出ている…ん?煙?難破船やないかい

自分自身にツッコミを入れる

どこの船かは知らないが困ったときはお互い様だ

だがどうすれば?言語は通じにくいだろうしそもそもこのMSを認識しているかどうかも怪しい


とりあえず一か八かだ敵対行動と見られたら悲しいけど

ブリッジと思われる場所に光を照射する

気が付いたようで機首をこっちに向けてくる、砲台は微動だにしない

よかった

相手が減速し相対速度比が0となる

小惑星にフックを射出し、その周囲を回ることで反転する

光を発し自機をアピールしながらコロニーに向かって進む

後ろを振り返ると依然延焼しているようで煙は落ち着かなかった

「この艦がコロニーまで持つことを祈るしかないな」

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