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ラクガガク  作者: 徳丸
第1章 羅劫(らこう)
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6.一方その頃

ロロたち視点


「一体何が起こってるんでしょう・・・・・(-ω-;)ウーン。」


花が周囲を覆いつくし、生徒を恐怖に陥れてから数十秒後、それぞれが思うことを発言する。


「何?何か見えるの??」

「私には紫のモヤモヤがカバディしているように見えますが・・・??」

「あ、やっぱり?なんか円周キめて、奇天烈な動きしてるからさ。なんか面白くて反応に困ってたんだよねえ・・(´・ω・`)。あとパルルン真似しないで~」


ロロ達にはみんなと少し離れたところにいたため、全体像が見えていた。皆が驚いていた羅劫だが、ロロ達には近づいてくる前段階から近づく様子と、標的の生徒に気づいてもらうための努力が見えていた。


それの行動と、みんなの反応があまりにかけ離れすぎていたため、言葉がうまく見つからなかったのだ。


生徒に本体が近づけるようにしばらく観察をしたのち、なんとなく匍匐前進の体制で生徒に近づく。花に跡がつかないように立って?気配を希薄にし囲うように、それは徘徊し始めた。

それはまるで気づいてほしいけど気づいてほしくない恋の駆け引きのようで・・・。


(実際は目標の人物を探していた模様。)


そして目的の生徒がを見つけた瞬間、持ち場に戻ったといった感じだ。


「先生呼びに行けなかったのも・・・・物理的に阻止してましたしね・・・。」


呼びに行けなかった生徒には見えない壁があったわけではない。羅劫がいただけ。それが余計に生徒を混乱させていたようだが・・・・。


「か・・・」


ジェリーが小さな声で何かをつぶやく。

彼女は見えていないはずなのだが・・・。体に何か異常をきたしたのか?



少し異様な気配を感じ取った2人はジェリーに問いかける。


「?どうしたのジェリー??」

「目が回ったんですか??」

「か・・・・か・・・・」

「「か?」」


何を言っているんだろう?やはり、何か様子が・・・


「かわいいいいいい!!!!」


勢いよく俯いていた顔をあげ、立ち上がり、目をキラキラさせて叫ぶ。ロロと春はびっくりして目をぱちくりさせた。


とりあえず、体の異常でなかったことを確認した2人は安堵のため息を吐く。


それにしても・・・・。


時々おんなのこってよくわからないものを「かわいい」っていうよね。あのモヤモヤした紫が見えてても同じ事を言えるのだろうか・・・。


生暖かい視線をパルルンと一緒になってジェリーに送った。


視線を感じてはしゃぎすぎたと気づいたジェリーは誤魔化すようにして


「あ、ち・・・違うのよ!?見えてはいないけど・・・・う、動きがかわいいなって!!!」


といった。


・・・・・・それは同意(〃 ̄ω ̄〃ゞ。


そういえばジェリーはちゃんと女の子らしく?かわいいものが好きだったなあパルルンとアイコンタクト取ってたのは内緒☆



*******



いろいろあった昨日。


皆、先生にバスに乗りなさいと言われてから5分ほどたって、のろのろとバスに乗り始めた。

バスの中で先生は何も語らなかった。

学校到着後、学校に到着したらなにか説明があるのかともやもやしていた生徒たちの期待を裏切り、先生が放った言葉は


「今日はお疲れさまでした~。本日はこのまま解散とします。ちゃんと体を休めてくださいね~。ではでは、さようなら~。」


語る必要はないということなのか。何か一言でもあったらまだよかったのだろうが、気の短い生徒の中には先生に対する文句を言うものまで出る始末だった。


悪い空気のまま明日教室にいるのは嫌だな~と思ったけど、ぼくちんには関係ないなと思ってとてもよい睡眠をとることに成功したよ~。おやすみな( ˘ω˘ )スヤァ…



で、



今ここは教室onぼくちんの席。

案の定もめごとが起こっている。


「なあ。油留木さん。昨日さどんなことしてたの?なんかコツとかある??」

「すごいね!油留木さん!」

「昨日びっくりしたよね~。なんか羅劫に言われた??」

「昨日は大丈夫でしたか??昨日は聞ける空気じゃなかったのですごく心配していたんです・・。」

「かおる~ん!おはよ~!!」


水面下。表向きは心配をしている体であるものの、本心から心配している人はいるのか。彼らの心に渦巻く嫉妬が隠しきれていない。


「ありがとうございます。心配してくださって・・・・。」

「いえいえ・・。ほんとに偶然ですよ。」

「おはようございます。特にこれといって言われたことはないですよ。」

「本当に自分でも信じられないくらいで・・・。」


あまりの周囲の反応に心が追い付いていない油留木さんははたから見ても戸惑っていた。

皆気づいているのかいないのか、はたまた気づいていて質問攻めにしているのか。


「・・・・・羅劫と契約できたからって調子乗ってんなよな。ボンボンが・・・。」

「ほんっと何あれえ~。ちやほやしてしておこぼれにあずかろうって魂胆が見え見え~。」


彼女に近づくもの。近づかずに自分が選ばれなかった落胆とイラつきを転化して、他者にぶつけるもの。何も語らないが不満そうな視線を彼女に送るもの。


彼女にとってすべて同様に悪意だと感じるだろう。そしてその理由も自分で十分に理解できている。


こうゆうとき言葉のまま素直に受け取って有頂天になれる人であったらよかったんだろうけど、彼女はそういうタイプじゃないよなあ~。

それにしても、この状態ですべての様子を把握できてるけど何もしない、今のぼくちんも傍から見たら、同罪って思われるのかな~(* ̄ω ̄)。


ま、興味ないよねえ~。勝手にやってくださいって感じい~。ひねくれてる?人間ってそんなもんよねえ。人の入ってきてほしくない領域に触れられたら怒るだろうけどね~。


「あ、おはよ~。パルルン~。」


やっと来たかあ。授業中寝てるパルルンが寝坊しがちだと思われがちだけど案外ジェリーのが学校来るのギリギリなんだよねえ~。


「おはようございます。ロロはいつも干物ですねえ~。」

「ひもの?どゆことよΣ( ̄ω ̄;)。」

「ひねくれもの、モンスター、能天気の略です。」

「能天気!?そそ、それは聞き捨てならぬう・・・・。」

「あ、そこに引っかかるんですね。まあ、わかってましたけど。」


そんなこんなでジェリーも教室に滑り込み先生のHRが始まった。


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