ダンジョン最強のボス ②
少し少なめです。
ーーガアアアアァァァァァ!!!!
「「『仙法・闘気、発』!』」」
「属性魔法・風神の旋風』。打ち上げろ!」
魔法で俺達の身体を持ち上げて、応龍に向かっていく。
ーーギロッ
応龍の瞳が俺達を睨んだ。
「『神剣術・光の型、こうーー』」
ゴッオオォォォォォォオオオオオォォォオオオオォォォォォォオオオオ!!!!
「龍巳!」
龍巳が抜刀しようとしたが、抜く前に突然雷が龍巳へ落ちた。
ドドドトドドドドトドドドドトドドドドトド!
「クソがー!」
俺の方にも雹が降ってきた。今『風神の旋風』を使って身体を上空まで浮かせているが、かなりの制御能力がいる。この雹に対処していたら旋風の維持が出来なくなる。
旋風の維持を諦めて雹の対処を行いながら落下していく。
「『属性まーー』ええい!面倒だ!『風神の鉄拳』!」
雹への対処と応龍への攻撃も合わせた魔法を放った。雹は吹き飛んでいったが応龍に届く前に風が消された。
俺は上に放った風の影響で落下のスピードを加速させた。
「龍巳ー!」
「父上!」
よかった。落雷と上空からの落下で行動不能になってるかと思ったがピンピンしてる。
ドガッーン!
完全に地面に落下した。
「龍巳、生きててよかった!」
「あれくらいでは死にませんよ」
と言っても傷は少ないが龍巳の身体からは煙が出ているし、ダメージもかなり多い。今現在も先程の攻撃で受けたダメージを回復しているのだろう。
「龍巳、次は奴の頭に『転移』する。流石に飛んで近づくのは危険だからな。その刀、ちゃんと使えるか?」
また飛んだとしても落雷や雹でまた攻撃されるかもしれない。
「……おそらく使えます」
「なら行くぞ。俺の攻撃力じゃアイツに通じるかわかんねぇからな。掴まれ」
俺がバランス型なら龍巳は攻撃力を高めた特化型だ。龍巳の方が奴を倒せる可能性が高い。
龍巳が俺の肩を掴むのを確認した。
「いくぞ!『転移』」
少しズレたが応龍の後頭部あたりに飛んだ。
「結界を張る!思いっきしぶつけろ!」
「……白虎よ我が意志に応えよ!『次元斬り』!」
龍巳が刀を応龍に向け、振り下ろした。
……………。何も起こらない。
「……無視せずに仕事しろ。折るぞ……」
ピュッー!
ザグっ!
振り下ろしたところから斬撃が飛び、応龍の頭を真っ二つにした。
「えっ?あれっ!?さっきは何もなかったのに。父上、何をしたのですか?」
「別に何も、少しソイツを話しかけただけだぞ」
龍巳は遅れて斬撃が飛び出した事に疑問を持ったようで、刀に話しかけた俺に聞いて来たが、まぁ刀を脅したことは黙っておこう。
「そういえば、モンスターを倒したら消え……ぁぁぁぁああああ!!!!!」
そしてまたのスカイダイビングが始まった。
「応龍の討伐報酬のドロップアイテムは何が出るのでしょうか?」
「それはやっぱランダムだからな。龍巳が開けな。お前の方が運良いだろ」
やり方はわからないが幸運の能力値は龍巳の方が高いだから、運要素がある宝箱のドロップアイテムは龍巳があげる。
「では!」
龍巳が宝箱を開けると中から防具一式が出てきた。見た目は応龍を参考にしたような、某怪物猟師のゲームで作られるような形をしている。
「父上、これをどうぞ」
「ん?良いのか?龍巳がトドメを刺して、ドロップした装備なのに」
「私は先程父上からこの刀を譲られましたので。お返しです」
龍巳が宝箱から出てきた装備を俺に渡してくる。俺はそれを受け取り、『玄武の鎧』を脱いでアイテムボックスにしまい、龍巳から貰った装備を装着する。
なんだか娘からプレゼントをもらった時のお父さん達の気持ちがわかるな。
「おっ、力が湧いてくるな」
試しに鑑定と解析を掛けてみる。
ーーーーー
応龍の防具一式
四聖獣『応龍』の全てから作られた、素材100%の防具。装着者の能力を反映して能力が変わる。現在の装備者、柳田龍郎の能力を反映し、全ての攻撃を99%カットする。ガントレットに取り付けられた爪には応龍の『天変地異』が宿っており、片手の爪全てから放たれる斬撃に斬れない物は無い。この防具は生きている。
等級:神話級
ーーーーー
もう武器要らない。これだけでもう無敵と思えるような力を秘めている。
「お似合いですよ父上」
「全身隠れてるから、似合うとかはねぇと思うけどな。能力が全ての攻撃を99%カットしてくれるのは嬉しいけど、能力値をあげるような事がないのが残念だな」
『玄武の鎧』には耐久が装着者に合わせて防御力が上がると出ていたのだが、これには無いようだ。まぁ、99%カットしてくれるなら要らないのかもしれないが。
兜の部位に応龍の角を小さくした物が付いてるのだが、この他のは魔法の制御補助と威力増強もしてくれるようだ。速攻で倒せたから応龍が魔法を使ってくるようなところを見れなかったが、使われていたらどうなっていたか。
「龍巳。お前、まだちゃんと刀の力ちゃんと扱えてないようだから、ちょっとここで練習しないか?」
「わかりました。私もなんだ刀の力を引き出しきれていない気がするので丁度良いです」
俺も爪の力がどれほどなのか知りたいから一緒に試してみよう。
「では行きます。白虎よ、我が意志に応えよ。『次元斬り』」
龍巳が刀を振り下ろすと大地が一直線に割れる。
「今度は上手くいったな」
「はい。ですがまだまだ私には馴染んでいないようです。鍛錬を続け馴染ませてみせます」
「じゃあ、俺も行かせてもらうな」
応龍がやっていたように噴火や雹、落雷などを行ってみる。感覚としては魔法を扱うように現象を起こせる。
「次はあらゆる物斬れる爪の力だ。応龍よ、我が意志に応えよ。『龍の鉤爪』」
…………………何も起こらない。
「ハァ、『属性魔法・テンペスト』」
ボォォォォオオオオオオオオ!!
ドッオォォォオオオオ!!!
バキュゥゥゥゥウウウウン!!!!
「なっ?応えよ。『龍の鉤爪』」
今度は5個の爪から斬撃が飛び出て、龍巳が作った大地の傷を上書きした。
「ち、父上、さっきのは一体?」
「コイツが俺の力を見た目ていなかった様だから、俺の力を見せたんだ。そしたらこの通り、言う事を聞いてくれるようになったんだ」
「これ、さっきも見たような……」
「よしっ!地上に戻ろうか!」
俺は何もやってません。だからジト目でこっちを見ないで、龍巳ちゃん。
白虎の刀
「ハッ、テメェみたいな雑魚に従うわけねぇだろ!俺様を従えたかったら俺様に魔法を浴びせた野郎位に強くなってから出直して来いってんだ!」脅される前
「すいませんしたー!仕事しますんで折らないでー!」脅された後
応龍の防具一式
「我を従えたいとは笑止!お前の身体を我が支配し、有効活用してやろうフハハ!」力を見せられる前
「えっ、我いる?」力を見せられる前
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