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転生したバケモノの自由な生活  作者: 角谷 樹
第一章 過去編
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一つの終わりと始まり

 帰蝶ちゃんが奇妙丸を出産してから二年。


 俺と銀ちゃんの間にも女の子が産まれた。名前は龍奈だ。この時代の名前って、親、特に父親から一文字受け継ぐ的なことをする事があるでしょ?


 例えるなら織田家の『信』みたいな。


 周りでは俺の家族、柳田家では『龍』を名付けるみたいな認識をされていた様だ。


 まぁ俺の娘である龍巳に『龍』がついてるからそう思われたのだろう。




「龍郎、其方の娘、龍奈と三郎の息子、奇妙丸と婚約をせぬか?」


 龍奈と奇妙丸君が大きくなって、庭を走り回って遊んでいる光景を見ている時、急に信秀君が言ってきた。


「浮気させる家系に娘をやりたくないんですけど?」


「その無礼な意見をしてやりたいのだが、浮気してるから否定できぬ」


 まぁこの時代なら子を残す為に浮気するのはわかるんだけど、心の奥底では浮気は許せないと思うんだ。


 わかるよ?大名なら周りとの関係で嫁を多くとったり、周囲との関係作りの為に子を婿や嫁に出して関係を強固にするって事がよく合ったと思うんだ。


 でもよ?でも男って性を求める生き物だからよく浮気してしまうんだ。それに大名という免罪符があるから浮気をする。奇妙丸君も龍奈以外の女性と子供を絶対作ろうとする。


「だから、浮気を嫌う俺からすると、娘を必ず浮気をするのが目に見えてる奇妙丸君と結婚させるってのはどうかと思うんだよなぁ」


「そこをなんとか!家臣から龍郎はどうして、うちに仕えているのか?いつ裏切ってもおかしくない。今のうちに始末するべきだ、と言う者がいるのだ」


 俺が織田家にやって来て、およそ10年。今の織田家はとても変わった。


 既に信秀君は尾張を統一して、三河も織田家の領地となっている。支配の仕方も侵略して虐げるのではなく、慈悲と信頼で支配をしている。


 慈悲を与え、人々の信頼を得る。商売をして銭を集め、織田家で貧民を雇って公共事業をする。働かせてる間の食事もこちらで提供をする。


 法を作って、法を守らせる事もした。


 これは大日本帝国憲法の様な、もうグダグダな物ではなく、倫理的にダメだとされる物、適正価格での商売の取り締まりなどの事だ。これで文句を言って来た奴は俺が拘束して、俺が作った牢で、適当に刻んで液状にした食料(味の保証は全くありません)を食わせる生活をさせてやった。


 少し変わるが、俺が武功で得た特権の話を覚えているだろうか?あの時は特権を話してしなかった。


 俺の特権とは身分、地位、役職、立場、他国の人間などに関わらず、法を犯しているなら何人でも拘束、逮捕する事ができると言う物だ。


「その人達の名前を教えてください。後で牢にぶち込んで来ます」


「まぁ、落ち着け。つまりだ。ワシ達織田家と龍郎達柳田家の繋がりが全く無いことに危機感を感じていると言う事だ。我ら織田家に何故たったの一人でこんな小さな大名くらい乗っ取る事もできる同じ達が協力するのか、理由が分からんのだろう。家臣達はお主とワシの関係を心配してあるのだ」


「平手の爺さんと柴田の熊ですか。平手のジジイ、命助けやった恩を忘れやがって。熊も嫁さんの病気治してやった恩を忘れたのか?」


「だから落ち着け!まっこと、龍郎は根に持つなぁ」


 しかし、俺が彼ら織田家に協力する理由かぁ。信秀君が子供の時と信長君が子供の時に彼らを助けたのが始まりだ。


 それからも、彼らが最も天下統一を成し遂げる事が出来ると思うから彼らに協力しているのだ。


 だがまあ、家臣達が心配するのも当然だな。


「はぁぁぁぁ……。良いよ。婚約を認める。でも、奇妙丸君がもし外道に育ってたら、潰すよ?」


「っ!わ、わかり申した」


 まぁ、俺も一緒に見ていくから外道にはさせないよ。でももし、乙女ゲーみたいな婚約破棄をするならこっちは別にそれを受け入れるし、報復もするけどね。


「それともう一つ、龍郎に頼みたい事があるんだが」


「何かな?」


「龍郎、うちのお市と結婚して欲しい」


「……俺にはもう、銀ちゃんがいるんだけど?さっきも言ったよね?俺は浮気が嫌いなんだって」


 どうして、さっき俺が浮気を嫌うと言ったにも関わらず、堂々と浮気して欲しいと言うかね。


 確かに戦国一の美女と言われたお市ちゃんは今は幼いが、それでも将来戦国一の美女と呼ばれるのも納得するほどの美少女だ。


「その上お市ちゃんは、今はまだ少女で、俺は大人。歳の差がありすぎでしょ?お市ちゃんが大人になってる頃には、普通なら俺、オッサンだよ?」


 いくら関係を結ぶ為だと言っても歳の離れたオッサンに自分の娘を平気でやるなんて、俺にはどう自分に言い訳しても納得できない。


「龍郎の気持ちはわかるだが、奇妙丸と龍奈はまだ子供で夫婦になるのは10数年先の話。それでは遅いのだ」


「俺じゃなくても、龍巳がいるだろ?」


 すまん、龍巳。お前独身で、そろそろ結婚してる歳だろ?なら結婚相手を探してみるから。だから許せ。


「確かに龍巳は大人だがな。うちの男どもは皆、龍巳を怖がって、夫婦になろうという者がいないのじゃ」


 すまん、龍巳。どうやら龍巳は結婚できないらしい。


「……お市ちゃんの意思に任せる。お市ちゃんが大人になって、俺の事が好きだったら、結婚してもいい」


「そうか!約束だぞ!」


「子供か!……ああ、約束だ」


 こうして、俺と信秀君との約束が交わされた。





 それから数十年。


 お市ちゃんは大人になっても、俺の事が好きだった。


 元々小さい頃から俺に懐いていたのだが、大人になってもまだ好きだったとは思わなかった。


 今は俺とお市ちゃんは結婚して、俺、銀ちゃん、お市ちゃんの夫婦で暮らしている。



 そして現在、ある人物の死期がすぐ目の前まで来ていた。


 それは信秀君だった。


「まさか、死ぬまでに天下統一を、見る事が出来るとは、思わなかった」


「親父、あまり喋るな。もうそれ以上体力を消費するんじゃない」


 信秀君は史実では病気で死ぬ事になっていたのだが、毎回病気や怪我にあった時は俺が見ていたので、病気や怪我で死ぬ事はなく、老衰で死ぬ事になった。


「龍郎、約束は、覚えているだろうな?」


「ああ、約束は守るさ」


「そうか。三郎、先に待っておる。これで心置きなく……」


「……親父?」


「……ご臨終です」


「親父ィィィィィイイイイイ!」


 こうして、織田信秀は死んだ。本来の寿命よりも長くに。


 誰も居なくなった、信秀君が眠る部屋で、俺は一人だけで居た。


「約束を果たそう。君を我が一族に加える」


 爪を鋭く伸ばし、信秀君の首に刺す。そこから俺の血を流し込む。


「っ!ワシは蘇ったのか?いや、これは生まれ変わったの方が正しいか」


「おはよう、信秀君。生まれ変わった気分はどう?」


「最高だ!」


 俺達の約束。それ信秀君が死んだら俺の血で蘇らせ、彼を生まれ変わらせる事だ。


「次は信長君が死ぬを待っとこうか」


「ああ、そうだな」


 次は信長君が死ぬ時。また同じことをする。


「しかし、生まれ変わってやっとわかった。本当にお前たちはバケモノだな」


「まぁ、吸血鬼生が長いからね。それよりも、信秀君。君の自己治癒力を上げるよ」


「わかった」


 それからは、信秀君の自己治癒力を信長君が死ぬのを待ちながら行った。

誤字脱字を教えていただけるとありがたいです。


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