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転生したバケモノの自由な生活  作者: 角谷 樹
第一章 過去編
22/37

斎藤家へ突撃

遅くなりました。

 ある時、


「信秀君、俺と鉄砲、大砲の力試しさせてくれないかい?」


「?力試しとはそこらでできないのですか?」


「いや、周辺諸国、尾張内部に俺達の力を知らしめたいんだ。その為に俺達に戦を紹介して欲しいんだよね。あと俺の個人的な要求で沢山武功を取ったらある特権が欲しいんだ」


「その特権とは?」


「それは……」


「それは少々……」


「今信秀君は正妻や知られている妾以外に○人いる。それも毎週逢いに行ってるね。つい昨日も行ったのか」


「どうして、それを……!?」


「俺の能力に相手の思考、記憶を読み取る能力がある。これなら俺が要求した特権を得ても問題ないでしょ?」


「……わかりました。ただし、妻には先ほどの話は内密に」


「わかってるよ」


 こうして、俺はある要求と戦の話が進められた。


 南から持ってきた物は米や野菜、砂糖や香辛料などの食料と調味料の他に鉄鉱石や銅などの金属や銃や大砲などの火器も持って来た。


「それにしても、丁度良い。今、美濃で謀反が起こりましてな美濃守護の土岐家から救援を求められ、それに参戦することになっております。いやぁ、よかった。龍郎様が一緒に戦ってくだされば、勝ったも当然ですな。はっはっはっは!」


 ん?美濃で戦って、まさか斎藤道三との戦いか?あれ、尾張の負け戦になる筈なんだけど。……タイミングミスったかもしれない。




 そしてやって参りました加納口です。マジでどうしよう。


 俺は今信秀君に連れられ軍議が行われる場所に連れられていた。


「聞けぃ、みなの者!皆知っておると思うが、我らに模擬戦と称し、娘と超常の戦いを見せてくれた龍郎殿が此度の戦に参戦する事になった。それと龍郎殿が南蛮から持ち帰った新兵器、タイホウとテッポウを使われるそうだ」


 そうして俺は紹介された。俺の戦闘能力、身体能力を彼らは直に見ているのでよく知っている筈だ。実際に何枚かは安堵している者もいる。しかし、それらだけで戦に勝てるとは限らないと考えている者もいる様で不安そうな顔をする者もいる。


「テッポウとタイホウは龍郎殿が連れてきた南蛮人達に装備させた隊で行動する。指揮は龍郎殿がする」


 まだ鉄砲と大砲は持って来たばかりで日本人には練習させていないので、扱いに慣れさせた南の人達にさせる事にしている。


 まぁ鉄砲は数が少ないので、こちらの兵は数十人程度で相手を務める。敵の残りは俺一人で相手をする。




「さぁ訓練通りに、だ!何人列に並んで、打ったら後ろに回って弾を詰めとけ!」


「イエッサー!」


 指揮は俺に任されたけど現場は彼らのリーダーがする事にしている。俺が一々命令するのは面倒いからな。



 そして戦が始まった。


『オォォォォォォ!』


「第一弾……放てぇー!」


 ーーパン!パパパパパパパパン!


「第二弾……放てぇー!」


 ーーパン!パパパパパパパパン!


「第三弾……放てぇー!」


 ーーパン!パパパパパパパパン!


 敵の兵は連続の銃声により、一時動きが止まったが、また動き出した。


「次だ!……放てぇー!」


 ーーパン!パパパパパパパパン!

 …………

 ………

 ……

 …


「神よ!全弾、打ち尽くしました!」


「そうか。次は俺が出る。お前達は下がってろ」


 俺は鉄砲を構えていた人達の前に出て、彼らを下がらせた。


「矢を放てぇー!」


 銃声がなくなったので敵の将が指示を出した。


 弓を持っていた人達が構えて矢を番て、放つ。矢は空へ上がりこちらに飛んできた。後ろに下がってた人達は全身鎧と大楯部隊を連れていたので彼らに守らせる。


 俺は何もしない。


 ーーシュトッ。シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュトッ!


 矢は全て地面に落ち、誰一人この攻撃で死んだ者、怪我をした者はいなかった。


 俺は服が穴だらけになった。


 戦ならきているのに布製の服を着ていたので、服が破けるのは当然なのだが、俺どこも怪我をしていない。


 矢はちゃんと俺の身体を通過していった。ただし身体を通過すると同時に傷怪我が治っているので、まるで俺の身体を矢が俺の身体を透過していったようになった。


「次は俺からだ。それと、これで最後だ」


 俺は物持ち上げるように腕を下から上へと上げた。すると見える範囲にいる敵全てが宙に浮いた。そして俺は勢いよく腕を振り下ろした。


 宙に浮いてた敵は俺の腕に合わせるように地面に叩きつけられた。それで意識を失った奴は幸運で、まだ意識があった者や唸った声を出した者はまた宙に浮かせ、地面に叩きつける、まだ意識がある奴を、とそれを繰り返した。


 宙に浮かされた敵はジタバタと動き回り、叫んだり、命乞いをしたりとこの光景は完全な阿鼻叫喚、地獄絵図だった。


 そして目に入る範囲の敵は全て再起不能にした。命を取らないように心がけたが、四肢が曲がった者や顔がボロになっている者などがいたので、意識を取り戻さないように回復をかけた。


 因みに先の銃撃では弾を致命傷を与えないように弾道を調整していたので、怪我をしたものがいても死んだ者はいない。ついでにコイツらの傷も治しておいた。


 こうして俺の目の前には傷が何のに倒れている数百の敵兵が転がされていた。


「流石です、神よ。お一人ここまでやられるとは、思ってもいませんでした。」


 俺達は一名の死傷者を敵味方出さずに勝利した。


 ……あっ、大砲使ってないけど……まぁ、いっか。




 結局、この戦では尾張は歴史通り敗北した。


 俺達の方は敵の命をとる事なく、だが意識は刈り取って全て勝利した。


 その異常性に織田家臣だけでなく、戦後交渉に来た美濃の使者も驚いていた。



 終戦から少し経ち、信秀君から美濃の和睦の条件が斎藤道三の娘、帰蝶と織田家嫡男、信長とを結婚させると言う事を聞かされた。


「やっぱり、こうなるのか」


「龍郎殿は知っていたので?」


 まぁ、歴史をちょこっと知ってる俺からしたらこうなる事は分かっていたからな。それに、


「俺には未来を見る事が出来るんだ。だからこうなる事も予測していた」


「では、我らが戦で負ける事も見えていたのですか?なら勝つ事も出来たではありませんか!」


 予測していた事だが、未来予知の話をして、不幸な結果が見えたなら変える事もできる筈だと言う人もよくいるだろう。


 だがこの未来予知、ほぼ完璧な未来予知なのだ。つまり未来予知によって見えた未来は必ず起こるという事だ。


 未来予知で見た事を回避しようと行動し、上手く回避出来たとしても、時間を置いてまたその光景が起こる。


 フ○イナルデ○ドシリーズを知っているだろうか?あれと同じだ。決まった運命から逃れられないという事だ。


 まぁ、これは見た未来予知を実現させるというような能力だが、加減ができれば悪い結果が出る前に過程だけ見ればその過程は決定され、結果を自分達で変える事が出来る。


 だがその加減が難しい。その上その余地が良い物なのか悪い物なのか結果を予知するまでわからない。


「未来予知で見た未来は必ず起こる決まった運命なんだ。これを回避するには俺でも難しい。悪いが俺にもこの予知はどうする事もできない」


「そんな……」


「すまんな」


 未来は本来、見る物じゃない。自分達で掴み取り、その時が来るのを待つのが重要だと思う。



「龍郎、どうにかならんか?」


 加納口の戦いから1年、信長君と帰蝶ちゃんが結婚して約1年が経ち、信長君から相談を受けていた。その相談とは、


「不妊治療しか無いな」


「帰蝶は子供が作れるのか!?なら頼む!」


「俺は別に良いけど、俺の治療は特殊だよ?神仏には頼らないし、食事も俺が作る事になるぞ。治療も身体切って悪い部分を取り除く、治す治療をする事になるが本当に良いんだな?」


「俺はそれでも構わない」


「まぁ、本人にも聞く必要があるか」


 そして、患者本人である帰蝶ちゃんにも治療を受けるか聞いてみた。


「……龍郎様、貴方の話は父から聞きました。貴方がもっと早く活躍していれば私は貴方に嫁がされていたかもしれないと申しておりました」


「成り上がって今の地位についた君の父上に評価してもらえて、光栄だねぇ。で、治療は受けるかい?安心して良い。確かに君の身体に刃を入れるが、痛みを感じる事は無いし、絶対に死なせないし、傷も残さない」


 帰蝶ちゃんは鋭い目をしているが流石、信長君の嫁となった程の女性、美女、いやまだ少女か、美少女だ。


「織田家臣にも貴方を高く評価する者も多くおりましたね。人は貴方に勝つ事が出来ない。戦えば認識する前に決着がついてしまうと聞きました。神の如き人あらざる者、と周りには言われているそうですね」


「確かにそう呼ばれてるね。それで?どうする?やるの?」


 さっきから全然俺の質問、施術を受けるかどうか、に答えてくれない。まさか、


「帰蝶ちゃん、まさかとは思うけど、怖がってる?」


「こ、怖がってなどおらん!」


 帰蝶ちゃんから可愛らしい声が返ってきた。


「プッ。いやごめん。別にこれは怖がってもおかしくない。当然の反応だ、身体を切るからな。怖くなっても恥ずかしい事じゃない」


「べ、別に妾は怖くなど……」


「でもね、帰蝶ちゃん。これは君にとっても、斎藤家にとっても大事な事なんだ。君に子が出来る事を願っているのは織田家だけでなく君の父上も同じはずだよ。それに女性の心の子供作ってから成長する場合もあるんだよ」


 フランスの『パンが無ければケーキを食べればいいじゃない』(嘘)で有名なマリーアントワネットは子供ができる前、夫の親類に利用され、酒とギャンブルにハマっていたらしい。しかし子供が出来てからはそれらの一切をやめ、立派に母を務めようとしていたとか。


「子供の成長を見守ると言うのは良い物ですよ。それが自分と血が繋がった子とあっては尚更ね」


「…………妾も、子は欲しいです。それに、それは斎藤家の為、父上の為になるのですね?」


「ああ、君に子供が出来れば、斎藤家と織田家は強固な繋がりが出来る。それと君の父上はかなり喜ぶんじゃないかな」


「そうでしょうか?本当に父上は喜ぶでしょうか?」


「喜ぶさ。君が赤ちゃんの時……あっ、これ言っちゃダメなんだった。ごめんがこれは言えないんだごめんね。ただ、もし君達に子供が出来て顔を見せてあげると良い。きっと君の父上は大層喜ぶよ」


 うっかり彼女の父、斎藤道三の秘密をうっかり言いそうになったが危なかった。


「よろしい。その施術、受けましょう」


 こうして患者本人からも施術を受ける意思を確認する事が出来た。


 次は彼女の親にも聞いておくか。




「何奴だ?お主」


「織田家でちょっとお世話になってた、柳田龍郎だ」


 と言う事で帰蝶ちゃんの父親、斎藤道三、今はまだ利政だっけ?が住んでる稲葉山城、後の岐阜城に文字通り飛んで来た。その中で帰蝶ちゃんに似た匂いの持ち主で歳が一番取ってる顔の怖い人


「柳田龍郎……あの怪鬼の龍郎か!?」


「何その呼び名。微妙にあってんな……唐突だけど、斎藤さんは家族、特に子供は?好きかい?」


「なんじゃ唐突に。しかもどうやってここまでやって来た?この城には見張りを何百も置いておるのだぞ。主は何処から入って来た?」


 ありゃ、そこから?


「飛んでだよ。俺の話を集めてたでしょ?敵を宙に浮かせたって。敵を宙に浮かせるの自分にした感じ。それで?俺の質問に答えようよ。俺も大体は答えるよ。他人の秘密や自分の流石に言えないような秘密以外は」


「……家が大切なのは当然だろう」


「俺が聞きたいのそこじゃないんだ。家、じゃなく、人、妻や子供達の方だ」


 この時代は親兄弟で争うのが当たり前だ。道三だって、息子の義龍に殺されるのは歴史では有名だろう。


「何が目的だ?うちの者に手を出したらタダじゃ済まさんぞ!」


 声でけぇな。隔離空間の結界を張ってなかったら、声が城中に響いてたな。


 しかし今の言葉、やっぱり家族を大事にしてるのかな。


「別に貴方の家族に傷をつけに来たわけじゃありません。俺は貴方の娘、帰蝶ちゃんの話をしに来たんです」


「帰蝶の?」


「ええ。彼女、子供が産めない、作れないと言うのは知っていますね?貴方も情報を集めてるの、知ってますよ?」


「……知っている」


「俺、それの治療が出来るんです。患者である帰蝶ちゃんと夫の三郎君の許可は出てます」


「……何をさせたいんだ?ワシに何を要求したい。地位か?銭か?」


 あー、そっちを考えたか。この時代だったらそう考えてもおかしくない。


「いや、俺が求めてるのはそっちじゃなくてですね。帰蝶ちゃんの治療の許可なんだ。親の許可もいると思ってね」


「ナニ?何故不妊の治療をするのにワシまでの許可がいるのだ?」


「それがね、治療のために直接悪い部分を治療する必要があるんですよ。それが腹の中にあるわけですから……」


「まさか……帰蝶の腹を切る気か!?貴様あぁ!」


 道三さんが娘の腹を切ると気付き、刀を今にも抜きそうな状態に入った。


「待って!切ると言っても手が入るくらいの小さい傷だし、命を失う事も、傷が残る事も無いですよ」


「何処にその保証がある?命を失うというのはまだわかる。だが傷も残らないってのはありえん!」


 普通そうだよね。命は助けれても傷を完全に残らないようにするのは普通不可能だ。


「保証したいが、そんな保証は無い。だから俺の娘をそちらに預ける。期限は帰蝶ちゃんが子供を産んで連れて来るまで。『嫌だ』と言っても預け続けさせますよ」


「ほう、自分の娘を、か?」


「はい、絶対の自信と信頼がありますから。俺と娘の、ね」


「良かろう。治療の許可をしよう。だがもし帰蝶が命を落としたり、傷が残っていればお主の娘の命は無いと思え」


 こうして、帰蝶ちゃんの不妊治療の許可を貰えた。




誤字脱字を教えていただけるとありがたいです。


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