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転生したバケモノの自由な生活  作者: 角谷 樹
第一章 過去編
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吸血鬼、死す!?

『どうして俺がこんな目に……!』

『お腹すいたよぉ……』

『助けて!』

『逃げろ逃げろギャハハハハハ!』

『みんな死んじまえ!』

『☆¥%♪$°→€#』

『うっせぇなぁ

『死にたくねぇよ……』

『あ〜、溜まってんなぁ。良い女はいねぇかなぁ』

『痛いよぉ、助けてぇ……』

『子供の絶望した顔は最高だな!』

『いや!痛い!やめて!誰か助けて!』


 ショックからなんとか立ち直り、ハジメ君の屋敷に戻るため、那古野の町を歩いていると頭の中に大量の声が聞こえる。声と一緒に声の主の位置の情報も頭の中に入って来た。


「一体全体どうなってんだ?」


 とりあえず頭の中に入って来た情報を頼りに【多重分身】で作った分身を、分かれて緊急性の高いその声の位置へと向かわせた。


『鬼だー!』

『ひぇ!バケモンだー!』

『人喰い鬼だぁ!』

『助けてくれぇ!』


 因みにリアル鬼のマスクをつけて向かわせたので先程の声はおそらくそれだろう。俺もリアル鬼のマスクをつけて行くか。


「グヘヘヘ、ようやっと抵抗せんくなったな」


「うっ、うう」


「それじゃ、さっそく」


「さっそく、お前の玉には潰れてもらおう」


「オギュウッ!?」


 俺も声がしたところへ来たのだが、下半身を出そうとした大男の前に、乱れた着物に踏まれた跡や打撲痕がある女性が倒れていて、先程の言葉。


 どう考えても強姦しようとしてましたね。それも暴行の現行犯。アウトー!と言う事でその男の玉を潰した。


 直接触るのは嫌だったので傘の曲がってるところみたいなのがついてる棒をだし、昔小さい頃にやってた、やられたヤツをやってやった。


 ボギュッ!と嫌な音と感触がして俺方も縮みそうになって、思わず内股になってしまった。


 男はその場に倒れて痙攣していた。


 一応同じ男として今のは酷かったと思うので、痛みは残して治しといてやった。触ってねぇぞ!汚ねぇからな!


「大丈夫ですか?もう安心してください」


 俺は倒れていた女性の傷を治し、服も綺麗にしてから女性を座らせた。


 歳は14歳くらいか?将来美人になれそうな、今は可愛い系の顔をした少女だ。なら女の子と言ったほうが良いのか?


「んん。あ、れ、さっきのおと、こは……キャァァァアア!おにぃぃぃぃいいい!」


「ああ、これ!被り物だから!偽物だから!怖がらせてごめんね」


 そう言えば俺もリアル鬼のマスクをつけてたんだった。そりゃ怖いよな。いきなり目が覚めたら目の前に怖い顔をした鬼の顔があったら。


「えっ?本当だ。あれ?でも角が……?」


 顔は普通の人間だったのに角はそのまま額にあった事に女の子は少し混乱しているようだ。


 そう、何故かは知らんけどさっき外に出て(・・)から額に角が生えていたんだ。どうやら、俺。リアル鬼になったみたいです。


「こ、これは……。飾りだ!そう飾りなんだ!」


「そ、そうですか……」


 とりあえずは誤魔化せただろうか。


「君、名前は?」


「な、名前?私は、銀です」


「ギンちゃんか。もうこんな暗いのに出歩いちゃいけないよ。傷は治したし、純潔も多分大丈夫だ」


「そう言えば、私。あの男に、殴られて、蹴られて。それから私っ、うっ、ウァァァァァアアア!」


 銀ちゃんは泣き出し、俺の胸で溢れ出した涙や鼻水を拭いながら泣いた。


 …………凄い失礼だが、これは美少女だから許される事だよな。


 俺はよく家にやってくる従兄弟の世話を任せられ、涙や鼻水を擦りつけられる事にとも、ゲロを浴びされる事もよくあったので慣れているが、俺じゃなきゃ、銀ちゃんが美少女じゃあなきゃ突き飛ばしてたぞ。


 そうでしょこれを見てる全ての人々よ!


 まぁそんな現実逃避をしている俺であった。いやね、俺、女性経験が少ないわけですよ。だからこんな美少女に抱きつかれてる事にとても混乱してる訳ですよ。


 涙?鼻水?気にしない。気にしない。美少女の涙と鼻水を拭われるのはご褒美です!(変態め)


 なんて冗談はいいとして、これ、どうしよう?


「とりあえず、泣いとこうか。感情をぶつけてスッキリしないと生きていけないから」





「すみません。傷の治療も払えないのにここまでお世話になっちゃって」


「いいって、いいって。さっき襲われたばかりの女の子を一人で帰らす方が人として最低だろ」


 銀ちゃんは泣き止み、今は顔を真っ赤にして俺の隣を歩いている。


 俺は銀ちゃんがまた襲われないか心配で、彼女の家へ送り届けている。


「それで、えっーと、貴方のお名前は何とおっしゃいますか?」


「あー、言ってなかったね。俺は龍郎だ」


 そう言えば俺は名前を聴いてはいても、俺の名前をまだ言ってなかった。


「龍郎様は侍様なのですか?刀を刺していますが」


「いや、侍ではないよ。刀は刺してないと舐められるから刺してるけど俺は刀より拳の方が得意なんだ」


「なるほどぉ。龍郎様はどちらに住われているのですか?」


 銀ちゃん、メッチャ聴いてくるな。暇だったし、全然気にしてないからいいけどね!


「決まった場所には住んでないよ。時々那古野城にお世話になってるかな。最近だとハジメ君のところにお世話になってるよ」


「お城に!?やっぱり、龍郎様って、やんごとなきお身分で在られますか?」


「やんごとなきって」


 俺がやんごとなきお身分ってので少し笑ってしまった。


「俺はそんなんじゃないよ。ただ昔、織田の殿様とその息子を助けただけで、俺もちょっとお世話になってるだけだよ」


 そんなこんなで話をしていたら主に銀ちゃんが驚く事が多かったが、漸く銀ちゃんの家に到着した。


「ここまでありがとうございました」


 銀ちゃんとの別れで、彼女の家、ボロ小屋を背後に銀ちゃんはお辞儀をして俺に感謝の言葉を伝えた。


「どういたしまして、俺も夜の話し相手に丁度良かったよ」


「……また、逢えますか?」


 銀ちゃんが少し顔を赤くして聴いてきた。


「こんな角がある奴が君と会ってたら気味悪がられる。次はこの角を無くしてからかな」


「……その角も、カッコいいですよ」


 冗談で言っただけなんだが、この角をカッコいいと言うのか。男心をわかってるね、銀ちゃん。


「ハハハ!ありがとう。いつでも逢えるよ。君が心から俺に逢いたいと思えば、俺が逢いに来るよ。じゃっ!」


 そして俺は跳び去って、その場から消えた。


「また、逢えますように……」


 彼女の声が微かにだが、俺の耳に届いた。


「またな」


 俺も聞こえないだろうが返しておいた。





「なるほどなるほど。那古野の町、いや戦国時代の町の治安の悪さと貧困層は多いのだな」


 最初に聞こえた声。あれはどうやら人々の心の声のようだ。別に負の感情や助けを求める声だけではないのだが、そっちの方の声の方が多い。


 精神がおかしくなってる殺人鬼や飢餓状態の大人に、やっと得られた食料を理不尽に奪われた子供。強姦されそうだった女に強姦をしようとしていた男。暴行を受ける子供に、悲痛な叫びをあげる女子供を楽しそうに痛め付ける男。


 数えたらキリがない程に人間の負を感じる。ここまで多いとは思わなかった。治安維持しないのかと思ったらそれをする筈だった物も同じように民を傷つけて楽しんだり、仕事をサボったり。


 本当、人間は嫌な面をとことん見せてくる。今まで俺は何をしていたんだ。こんなにも助けを求める声があったのに、助けなかった事に俺は自分が嫌になる。


「帰ったら相談するか」


 勝手な行動はまだしない。今助けを求めるところには分身を送って少し対象しているがそれは緊急性のあるところまで。


 あとは此処を治める人と相談した後にやる。


 そんなことを考えてたなら、人間を滅ぼしたほうが早くないか?だって。何怖いこと聴くの。そんな事しないよ。俺にだって心は有るんだからな。俺はバケモンじゃないよ。




「ただいまー!帰って来たぞー!」


 やっとハジメ君の屋敷に戻ってきた。少し寄り道をしたがなんとか戻ってきた。あとでなんで俺が箱の中に入っていたのかを聞こう。


「やっと帰ってきたのですね」


 玄関で待っていると龍巳がやってきた。


「いつまで待たせているんですか。1ヶ月も戻って来ないから本当に死んでしまったのではないかと思っちゃったじゃないですか」


「……今、なんて?」


 あれ、俺の耳がおかしくなっちゃったのかな。今1ヶ月って聞こえたような……。


「だから1ヶ月も戻って来ないから心配したんですよ」


「1ヶ月ぅぅぅぅううう!!??」


 えっ!?俺、1ヶ月も寝てたの!?


「あの日父上が倒れて、心臓も止まって。1ヶ月も起きないから死んだのかと思ったのですよ」


「それ、死んでるじゃん!」


 倒れて、心臓も止まってるって、心筋梗塞で死んでるヤツゥゥウ!?


 俺の頭の中にある言葉が思い浮かんだ。


『オオゥ、|神(吸血鬼)は死んだ!」

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