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転生したバケモノの自由な生活  作者: 角谷 樹
第一章 過去編
13/37

お互いの為の約束

二連続更新!

 ーーside初


「はっ!ここは?」


「ハジメ君起きたんですね」


「紗織!よかった、無事だったんだ」


 目を覚ますと家内の布団の上にで寝ていた。どうして布団の上に?と思ったが、紗織の声を聞き、顔を見たことで思い出した。


 そうだよ!俺、あの吸血鬼と戦い、頭を殴られて……


「アイツらは!あの吸血鬼共は!?」


「あの方達なら帰っていきましたよ『また来る』といって」


 また来るだと!?


「紗織!塩、聖水舞いとけ!」


「そんな勿体ないこと、しませんよ」


 そんなこんなでそれからも紗織と話をした。


「そう言えば塾の方はどうなった?」


 吸血鬼共が俺の敷地内に入って来たから慌てて授業抜け出してしまった。今日の授業は武術の日だったからアイツらに稽古をつけてやることが出来なかった。


「彼らには私からペアを組んで稽古を続ける様言っておきましたよ。ハジメ君一人相手だと自分達が強くなってるのかわからないって言ってましたから丁度よかったみたいですね」


 えっ、マジで?結構いい訓練になってたと思うんだけどなぁ。


「それよりハジメ君今日の吸血鬼、龍郎さんと龍巳さん達。なんだかおかしくありませんでしたか?」


 紗織が急に神妙な顔をして語り出した。


「まるで初めて会ったかの様に接して来ますし、前まではいつも私達の手の内を知っているかの様に私達の攻撃が全く通じなかったのに今回は私達の攻撃が全て通じた。それになんだからハジメ君の攻撃でもかなりダメージを負ってる様でした。まぁ、直ぐに回復するのは変わっていませんでしたが」


 確かにいつもは俺達の攻撃に対して、全て回避するか相殺、カウンターしてくるのに今回の簡単に攻撃が入った。手応えもかなり深く入った。


 女の吸血鬼、龍巳さんにもいつも完璧な回避、カウンターを決めてくるし、俺の刃が彼女の肌を傷つけることは殆どなかった。少し薄皮を掠る様なものはあったが斬った側から再生を始め、まるで通り抜けるかの様だった。


 龍郎もだ。アイツなんて、斬っても血が飛び出るどころか刃に血さえもつけられない。


 マジもんのバケモノだ。


「確かにアイツらを斬った時、血がついていたし、アイツらの傷の治りも少し遅かったな」


 龍郎さんの攻撃は遅かった。だからあの時は紗織の【時空間操作】で龍郎さんの背後に転移して攻撃する事ができた。


「アイツら、弱体化している?」


「私達の今の現状、龍郎さん達の弱体化。恐らくなんですけど、今日会った龍郎さん達って、過去の龍郎さん達なんじゃないですか?」


「そうか、それなら辻褄が合う。道理で弱くなってると思った!」


 えっ、負けておいて?と思われるだろうが、俺は彼らに一度も勝ったことが無い。


 初めての出会いは俺の両親から彼らを俺に紹介したことから始まる。


 俺の両親と俺にとっては遠い親戚だった様で、挨拶も兼ねて両親の所に行ったそうだ。それから俺の方にも来て、少し喋った。


 始めは気の良いお兄さんみたいな感じでかなり好印象を持っていたのだが、話が終わりあたりに来て急に「模擬戦をしよう」と言われ、当時何の力を持たなかった中坊の俺は奴にボッコボコにされた。


 何故こんな事をするんだ!と聞いたら「前に背後を斬られたから、その仕返し」と答えた。それからも定期的に来ては模擬戦と称して扱かれた。


「……………あれかぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!」


「キャアア!いきなりどうしたの!?」


 過去?未来?現在?の俺の所為かよ!?


「…………紗織、どうやらアイツらが俺達に絡む様になったのは今の俺達が原因らしい」


「えっ、どう言う事?」


 実は紗織も奴の遠い親戚だとかと言われ、自宅にやってきた事があるらしい。


 俺とは扱いが違い、奴らは「昔、傷を負わせてしまったからその罪滅ぼしさ」とか言って、マッサージをしたり、高級フランスを自分達で作り、彼女の家庭に振る舞ったり、旅館や海外旅行のチケットも貰ったりとかなりお世話になったらしい。


 扱い違い過ぎませんかね!?


 まぁ、俺と一緒に連むようになってからは「じゃあ、一緒に模擬戦しようか」と一緒に模擬戦をするのだが、毎回俺に攻撃が集中する事が多い。


 やっぱり扱いが違う!?


「龍郎さん達が言ってただろ?「背後を斬られた」や「傷を負わせた」って」


「あっ、そう言えば今日のも、背後からの攻撃、私の首に指を刺す、確かにあの方達が言ってた事と繋がりますね」


 どうやら紗織も気づいたらしい。


「俺達があの時、あんな事をしなければ」


 俺があの時いきなり襲い掛からなければ、過去?未来?で絡まれことも無かっただろうな。トホホ。


「そう言えば、龍郎さん達って、【時空間魔法】が使えましたよね。私達を元の時代に送り届けて貰う事はできないのでしょうか?」


 そう言えば龍郎さんと龍巳さん、止まった時間の中でも動いていたな。


 前に「【時空間魔法】が使えるから紗織の能力は俺達には効かない」とかって言ってたな。


「私の【時空間操作】と似たような事が出来るなら彼らにも出来るのでは?」


「ん〜、確かに。龍郎さん達、また来るって言ってたんだよな?ならまた来た時はちゃんと話すか」


 アイツらに頼むのは凄い不安だけど帰る為には仕方ない。



 side龍郎


 後日また俺と龍巳はハジメの屋敷にやってきた。


 今回は信長君の案内無しだ。まぁ、ここの寺子屋、どうやら今日は休みの日らしく、その上、信長君は道場の日しか来ないようだ。


 そんな理由で今回は俺と龍巳だけで来た訳なのだが、


「…………」


「……なんか睨んでるな」


「睨んでますね」


「気にしないでやってください。ちょっとトラウマで目付きが悪くなってるだけですから」


 前回みたいいきなり襲われることなく、屋敷の中に案内されたのだが、こちらを見る毎にハジメ君が睨んでくるんだよね。


 確かに前に拳骨した時はちょっとやり過ぎたかなとは思うが、あれは君も悪いんだよ?いきなり襲ってくるし、龍巳の首は斬り落とすし。


「それで、何が目的だ?」


 空気が重いがなんとか俺達の目的を達成しなければ。


「君も持ってる力。俺達も持ってる。敵を倒せば倒す程力を増す力をね。今の俺達は訳あってレベルを上げる必要がある。それに協力して欲しいんだ」


「っ!いいぞ。協力してやる。ただし、条件がある。俺達の望みにも協力して貰うぞ」


「あれ?意外だな。君は俺達が強くなる事に反対するかと思ってたんだけど」


「条件があるって言っただろ」


 前回の様子から彼が俺達に協力する事は無いと思ってたんだけどな。まさか、協力してくれるとは思わなかった。まぁ、条件付きだが。


「その条件ってのは?」


「まず、俺達の事から話す必要がある。俺と紗織は凡そ500年後の世界からやって来たんだ」


「っ!?それは本当か!?」


 まさかの言葉に思わず立ち上がってしまった。しかし、500年後だと、俺と殆ど同じ時代の人間か?


「正確な時間はわからないが大体500年後だ。俺達二人は突然この時代に飛ばされて今を生きている。こっちに飛ばされて大体1ヶ月くらいだ」


「それで、まさかその条件ってのは……」


「俺達を元の時代に送り届けて欲しい」


「私達は貴方方が【時空間魔法】を使える事を存じております。私達には元の時代に残して来た人達、私達を待っている人達がいるのです。どうかお力を貸していただけないでしょうか」


「……………」


 ハジメ君と紗織ちゃんが俺と龍巳に頭を下げて、お願いしてくる。それを見た龍巳は無言で俺を見た。


「今の俺達には二人を送り出す力は無い」


 俺ははっきりと現実を突きつける事にした。


 俺だって正直彼らを元の世界に送り返してやりたいが無理なんだ。今の俺達には。


「そんな……」


「お前らならできんだろ!生きるバケモノのお前らなら!」


「すまんが本当に無理なんだ。500年も先の未来に届けるのには膨大なエネルギーがいる。それに今の俺達は弱体化していて、そこまで出来る力は今は無い」


「そんな……クソッ!」


 何故かはわからないが彼らを見てると懐かしさと親愛の情が湧いてくる。此処で彼らを助けたいと本当に思えてくる。


「さっきから言ってるだろ。今は(・・)ってな」


「何が言いたいんだ……」


「俺達のレベル上げに協力しろ。レベルを上げればその膨大なエネルギーを賄う事が出来る」


「本当か!?」


「ああ」


 そんな事が出来るならなんで自分にしないんだ?っ思っているだろうが、それは無理だ。


 これは自分に向けてやる事が出来ない。誰かにやって貰う必要がある。

 始めは龍巳に俺を500年後に送り届けて貰う事も考えたがそんな事をしてしまえば、500年の間、龍巳を一人ぼっちにしてしまう。そんな事できる訳ない。


「なら協力する。代わりにお前が俺達の望みを叶える事が出来るようになったら、絶対に叶えろよ!」


「ああ、約束しよう。そっちも俺達のレベル上げに協力しろよ?」


「任せとけ!」


 こうして、俺は彼らを元の時代に戻す為に、彼らは俺達のレベルを上げる為に協力し合う約束が交わされた。

誤字脱字を教えてくださるとありがたいです。


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