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市をブラブラしていると村長に呼び止められた
「綾人さん、ちょっといいですか?」
「はい!いいですよ、屋台横のテーブルに行きましょうか?」
「こちらの方は?」
「お初にお目にかかります、武器商のカドと申します」
「探索者兼商人見習いの綾人です」
「そういえば腰にさしている武器は曲刀ですか?」
「そうですね脇差と言います」
「見せてもらっても良いですか?」
「いいですよ」
脇差をカドに渡す
「これはもしかしてカタナと呼ばれるものですか?」
「刀ですね、どうかしましたか?」
「わたくし王都で商いをしているのですが、勇者様が最近現れてカタナがほしいと探されていまして」
「そうですか」
「それで初めて見る形の剣でしたのでもしやと思い見せてもらいました」
「このワキザシ?ですか?どちらで手に入れたのでしょうか?」
「自分で作りました」
「ほんとですか!もう少し大振りものがほしいのですが作っていただけないでしょうか!」
「まってください、もう少し勇者の話を聞かせてもらえないでしょうか?」
「わかりました!これで王都での商いでほかの武器商に一歩リードできます!」
「勇者様のことですよね、ええと、名前は確かアキラ・オガサワラと言っていました」
「綾人さまと同じ黒髪の黒目でしたね、そういえばアヤトさまも同じ地方のお生まれですか?」
「あの勇者はアキラって名前なんだ、一緒の黒髪の仲間はいませんでしたか?」
「四名ほどお仲間がおられましたね」
「わかった、太刀を打ちましょう!ただ私の存在は内緒にしていただきたい」
「約束します!ほかにも武器を作っていただけますか?」
ショートソードを5本ほど机に出す
「これは、なかなか良いものですね、上級の探索者や騎士団の方々がほしがりそうです」
「そんなにいいものですか?うれしいです!」
「こちらは一本銀貨三枚でいかがですか?」
「僕のほうはいいですがよろしいのですか?」
「はい、今回もしかしたら何も取引ができないかもしれないと思いながらキャラバンを組織したのですが、鉱山が解放されていてしかもこのような良い商品に出会えました」
「ただ一番は貴方に出会え、カタナが手に入るかもしれない幸運に恵まれたことですかね」
「太刀は勇者が使うのですからちょっと試行錯誤が必要なのでしばらくかかるかもしれませんがよろしいでしょうか?」
「かまいませんですがこの人数がここに泊まるには少し手狭で」
「それではうちの拠点の側に宿を開設しようと思っているのでそちらに泊まりませんか?」
「そんなところあるのですか!三か月前はもうこの村はやばいと思っていたのに!」
「村長を目の前にそれは・・」
「大丈夫だよ!わしもどうにもならない状態になるのではと数日前まで思っておった!」
「それでは私が今開発している宿場町に案内いたします!」
「次郎さん、僕は先に拠点に戻るので終わり次第帰ってきてください」
「わかりました」
村の門の所に行き移住してくる村人とキャラバンの人たちと拠点に向かった




