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神との遭遇は驚いたが
幼いころ思い描いていた剣と魔法の世界に行ける
彼女にプロポーズを断られたのにそれよりも異世界に行けることに心が躍っている
どんな世界がどんな冒険がどんな人たちに出会えるのだろう
(おほん、そろそろいいかね)
「すいません、よろしくお願いします」
(だいぶ期待しているようじゃな)
「はい、夢見ていましたから」
(では付与できる能力をおぬしの思考に送る)
しばらくすると頭の中にいろいろなスキルが浮かんできた
どんな能力がいいだろ、戦闘向き、魔法特化、生産系、特殊能力
やはりステータスが高くなりやすい能力がいいかな
「スキルはどのくらい貰えるのでしょうか」
(スキルは3つ)
「そんなに1つかと思っていました」
(それではすぐに死んでしまうだろ)
3つならば、やっていけそうかな
「そうですよね、では」
1つめは、能力倍加(レベルアップ時、能力ポイント2倍入手、自由付与)
早く成長してヒロインを守らなくてはいけない、もしかしたらヒロインが異世界になじめないかもしれない
でも経験値よりもスキルレベルが上がるほうが強くなれそうだ、いろいろなスキルをとっていろいろなことできるようにならないと
2つめは、魔力上昇率倍加(レベルアップ時、MP増加率2倍)
やはり魔法はマスト!せっかく魔法が使えるんだからいっぱいやりたいことがある
魔力はいくらあっても足りないくらいだ
小さいころは粘土で色々なもの作っていたな、粘土を家中に散らかしてよく怒られてたっけ
3つめは、強運(行った行為が成功しやすくなる、運の数値が高いと確率が上がる)
「神様よろしいでしょうか」
(なかなか良い選択じゃの)
(もっと派手なスキルを選ぶと思っておったは)
(もしかしたら勇者よりもあの世界を変えてくれるやもしれるな)
「勇者よりも?」
(そうじゃ、勇者は戦闘に特化したスキルを選んでおった)
(魔王もいるが世界が疲弊していて生きづらい世の中になっておる)
「生きづらい世の中?」
(餓死や魔物に襲われて多くの人々がなくなっておる)
(勝手なお願いなのじゃが、一人でも救ってやってほしい)
(おぬしには別に隠者の称号を贈ろう、補助魔法や生産系スキルに恩恵がある)
(勇者とその友以外ではおぬしだけに特別に授ける)
「よろしいのでしょうか」
(良い、おぬしはティファニアールを良くしてくれると確信しておる)
「わかりました、できるだけ努力します」
(そうじゃ、心の中でステータスオープンと念じてみよ)
「わかりました、では」
ステータスオープン