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徒歩の者が居ないのでお昼過ぎにはラダ村に着いた
沙夜子が
「綾人、村の外にみんなが寝泊まり出来るところを作るんでしょ?」
「ああ、そうするつもり」
「なら、盗賊団の事はヒューズに任せて、村長の所には私とララで行ってくる」
「ありがとうよろしく頼む」
「お任せください!」「任せて!」
「それじゃあニール、先に僕たちが泊まる建物を建てちゃうよ!その後、他の村に泊まれない人達の簡単な建物を建てる」
「それでは、村の様子をターニャさんと見てきましょうか?」
「そうだね、僕の側にいてもやることないからね。お願いするよ」
みんなと別れた後、いつものように<土魔法><無限収納>を使って豪華な宿屋風の建物を建てた
「周辺は、やっぱり少し整備しないとな」
<クリエイトアース>
周辺の土地を建物が立てやすいように整備をして簡素な建物を十棟ほど建てた
しばらくして、沙夜子たちが戻ってきて
「村長に挨拶してきたわよ!でもなんで、従士自らあいさつに来ないってちょっと怒っていたよ!」
「そうだよね、もう少し整備をしたら行くよ!お腹すいてきたな」
「お腹すいたわね!」
「ニールとターニャを待ちますか?村の様子をみてもらってきている。もしかしたら食べ物屋さんもあるかもしれない」
「そうね、でも何か簡単な物でも用意しようか?」
「キッチンでいつでも料理できるようにかまどに火入れはしてあるよ!」
「じゃあ、なんか作って来るね」
沙夜子達は建物の中に入っていった
土砂もほしいし空堀を作りますか!
新たに整備をした土地を囲むように空堀を巡らした
その様子を手の空いている村民らしき数人が眺めていた
その後ろから、ニールとターニャが現れた
「綾人さま、そろそろ終わりそうですか?」
「整備した土地の空堀までは作り終えたよ!」
「村を一周してきました」
「どうだった?」
「中継点の村なので一応食べ物を売る屋台みたいなものがありました」
空堀からあがりながら
「で、何が売っていた?」
「煮込み料理と芋を蒸かしたものなどが売っておりました」
「そうか、やはり伯都に向かう街道沿いの村だね、ただの農村ではないよね」
「最近はバンロートル周辺が栄えてきているので商人や探索者の往来が増えて屋台を出す人が増えたそうです」
先ほど作った簡易宿泊施設の周りに人だかりが出来ていた
その中の一人が一歩前に踏み出しながら
「これはなんですか!もしかしてあなたが噂のサガミの領主ですか?」
「初めまして、そうですわたくしがサガミの領主兼探索者の綾人です」
「先ほど、奥方にも伝えましたがまずは村長のわしに挨拶するのが筋ではないのでは!」
「すいません、男爵様が来られてから一緒に行こうと思っておりましたので」
「そうか、だがこれはやりすぎじゃないか!わしの村よりもこっちの方が豪華で・・・」
「そうですか?今回は去年よりも同行者が多いみたいなので簡易の宿泊所を作っただけですよ。明日出発したら村の方で好きに使ってください」
「なに!これだけのものを無償で提供してくれるのか!」
「はい、自由にお使いください」
「わ、わかった、すまんな、また後で男爵様が来られたからはなしをしよう!」




