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商人ギルドマスターが席に着き
「本日はどのようなご用件でしょうか?こちらも少し融通してほしいものがありまして」
「お忙しいところすいません、えーとでは先にそちらの用件をお聞きしましょうか?なにがほしいのでしょうか?」
「よろしいのですか?では、建築資材を融通していただけないでしょうか?中でも石レンガと木材が欲しいです」
「わかりました。出来る限り協力させていただきます」
「ありがとうございます!男爵様より西に続く街道の整備と解体されたスラムがあった場所に使う建設資材が仕入れても足りなかったもので」
「街の食料の方は足りていますか?」
「そちらは大丈夫です周辺の村の状況が改善され探索者が増え街道沿いの魔物が減ってきているので」
「それではいかほど必要でしょうか?」
「石レンガの方は出来れば村まで続く街道を整備出来るほど、木材の方は一万ほど融通していただけると助かります」
「そうですね。石レンガの方は十万、木材はそんなに在庫がないので三千ほどでどうでしょうか?」
「助かります!ありがとうございます!」
「では後で納品所の方で納めさせてもらいます」
「で、従士様の御用は?」
「そうですね、パーク公爵領の情報が欲しいです」
「そうですか、パーク公爵領ですね。やはり気になりましたか」
「そうとうひどそうですね」
「はい、物資を支援しようとしても略奪されてしまい、王国でも困った状況になってきています。王都での報告会が終わり次第大規模で国軍を動員する動きがあります。本来なら勇者様を向かわせたかったらしいのですがワイバーン討伐の方を優先したそうです」
「各地で色々と問題を抱えているみたいですね」
「そうですね、西国の方でもこの状況に乗じて軍を再編している動きがあります。南の方では聖樹皇国でバジリスクのキングクラスが発生したそうで各国に救援が出されているそうです」
「聖樹皇国には聖樹十二騎士団がありませんでしたっけ?」
「あります。がその前に起こった魔王戦線で十二騎士団のほとんどが亡くなられて現在再編をしている最中でして」
「現状、良好な状態なのは王国の東側のこの辺だけですね。もしかしたら男爵様も軍を率いてどこかに配属されるかもしれません。今の所パーク公爵領に派遣されるのが濃厚です」
「男爵様は何もおっしゃっていなかったな」
「そうですか、従士様は伯爵様が配下に狙っていると噂がありますが」
「そうらしいですね。でも今は領地の開発が忙しいからな」
「バンロートルの商人ギルドとしてはそう願いたいのですがね」
「本日はありがとうございました、貴重な話が聞けました」
「こちらこそ、要望聞いていただきありがとうございます」




