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次の日の朝、五人を連れ立って領主の館までやって来た
門番に取次ぎをお願いすると応接室まで案内されて待っている状態だ
ティアが部屋を見回しながら
「やはり、お偉いさんの住んでいる所は豪華ですね」
「人を迎え入れるときにはそうゆうのも大切だからね」
「そんなもんですか、うちらスラムの人間がこの調度品一つで数年は暮らしていける値段ですよね」
「ティアはもうスラムの人間じゃないからね、僕の領民だから」
「領民より愛人の方がいいかな!」
「それは、」
「失礼します、もう少ししたら主人がこちらに来ます」
「わかりました」
少ししてベントナー男爵がやって来た
「おはよう、それで何か用事かな?」
「はい、カーク村を復活させたのとオーク谷の手前に現在拠点設営の報告をしようと思ってお時間を割いてもらいました」
「そうか、カーク村の話は聞いている、スラムの人間を連れていって復活させてらしいな」
「あと、衛士を付けていただいた件なのですが」
小袋をテーブルに出した
「これは、何だね?」
「従士としての年貢ですか?金額がわからなかったので大金貨一枚と金貨三十枚入っています」
「普通は、一つの村で大金貨一枚くらいだな、村民の人数にもよるがな」
「それに、初めて従士になって年貢を納めるのは二三年後だな!」
「だが、受け取っておく、今はありがたい!」
「そうだ、あと二月したら伯都に向かう、年始の挨拶だ。年貢もそこで納めることになる」
「もうすぐ年始なんですね!こっちの催しに疎くて」
「お前は流れ者だったな」
「もしかしたら伯爵さまと王都に行くかもしれん、おぬしにお願いがある」
「何でしょうか?」
「伯都までの途中まででよいのだが、街道の整備をお願いできぬか?」
「物資提供だけでも良いですか?」
「出来れば、おぬしの手も借りたいのだが、領地の開発もあるか・・・」
「まずは物資提供でオークの事が落ち着いたら手を貸すのではどうでしょうか?」
「よろしく頼む!」
「では石レンガと砂や砂利を融通きく分をお渡しします、どこか都合のいい場所はありますか?」
「西門の広場があるだろ、あそこに仮置きしてもらえるか!」
「はい、分ました」
ベントナー男爵は手元にあるハンドベルを鳴らす
チリンチリン
「おい、誰か!」
すると執事らしき男が入ってきた
「誰かカーク村従士殿を連れて西門広場に行ってくれ、わしは追って広場に行く」
「かしこまりました、ではしばらくここでお待ちください」
「では、わしも準備をしてくる」
執事の後を追うように男爵も出ていった
少し待っていると使用人らしき男が現れた
「従士様ではまいりましょうか」
使用人と共に西門広場までやって来た
使用人たちは簡易的な杭とロープで広場の半分ほどにスペースを作った
「こちらに物資を出していただけますか」
「わかりました」
魔法鞄から出すふりをして
石レンガ、砂利、砂と少しだけ石灰を物事に分けて出していった
ちょうど出し終わったころにベントナー男爵が到着をした




