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門の前には、衛兵が二人立っていた
「すいません、探索者の綾人と申します、本日伺うようにと言われてきました」
「話は聞いています、少々お待ちください」
一人が館の中に入っていった
しばらくして執事らしき人とともに戻ってきた
「お待ちしておりました、わたくしは家宰のリュードと申します、主人が待っていますのでついてきてください」
「わかりました」
館の中に入り、応接室のようなところに案内された
「今しばらくこちらでお待ちください」
しばらくソファーに座って待っているといかにも貴族ですと思われる人物がやってきた
僕は立ち上がった
「待たせたな、立たなくてよい、楽にしてくれ」
「はい、わたくし探索者兼商人の綾人と申します」
「わたくしは、男爵でバンロートル領主のカイン・バンロートル・ベントナーと申す」
「今日呼び出したのは、お礼とわが君より召還の話なのだが、ギルドマスターから概要は聞いているな」
「はい、数か月のうちに伯都より呼び出しがあると聞かされています」
「そうだ、まずはお礼を言わせてくれ、このたびはヒュドラ討伐及び盗賊団壊滅をしてくれてありがとう」
「しかも、ダンダンブ村、リバルタン村の件も聞き及んでおる」
「いえ、わたしは自分ができることを行ったまでの事です」
「そんなことはない、誰にでもできることではない」
後ろに居る家宰の方を向き
「おい、例の物を」
「はっ!」
「そうだ、おぬしリバルタンと鉱山の間に宿場町と大橋を作ったな」
「はい」
「本来なら、認められぬことなのだが例外として認めたいのだがそうするために従士なってもらいたい」
「従士ですか?」
「わたしが任命出来るのは従士まで、子爵は騎士、伯爵は男爵まで任命できる」
「何か責任のようなものは伴うのでしょうか」
「年一度年貢を、大金貨一枚相当を納めてもらう、ただどの都市に行っても通行税がとられない検問も止められなくなる、あと戦争や大暴走などがあった場合招集に応じなければならない」
「村長などは大抵、従士の称号を持っておる」
「大暴走?とは?」
「大暴走を知らんのか!何十年かに一回、数万の魔物がどこかの都市を襲う時があるそれを大暴走と言う」
「わかりました、従士のお役目受けさせ貰います」
「良いのか!助かる、なかなか従士のなり手がいなくて」
「面倒な役割だから実力あるものはなかなかなってくれない、クランを設立して利益だけをむさぼる」
家宰が戻ってきた
「では、これはお礼だ」
小袋を差し出してきた
「ありがたくお受けします」
「あと従士証を発行するがそれは準備が必要なので後日連絡をする」
「今日はありがとう、また連絡をする」
「それでは失礼します」




