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「何だ、大したことない男だな、奴を隠れ蓑にしてもっと甘い汁を吸おうと思っていたのに!」
魔術師らしき男がフードを深くかぶり綾人たちの後ろに立っていた
「誰だ、お前は!」
「誰でもいいだろ!」
「ここも、もう終わりだな、それでは失礼させてもらう!」
「<テレポート>」
魔術師はそこから忽然といなくなった
「あいつは、何者だ・・」
ピーターが話しかけてきた
「テレポートってどんな魔法ですか?」
「普通の魔法じゃない、何個かの条件をクリアすると使えるらしいが僕は今のところわからない」
沙夜子が遠くから声をかけてきた
「綾人!こっちに監禁されてる人がいるよ!」
「わかった!そっちに行く!」
「ピーター、そこらへんに転がっている盗賊たちの捕縛を頼む!」
三人に任せ、沙夜子の所に向かった
牢獄みたいなところに十人ほどの人たちがとらえられていた
「綾人鍵がないの」
「わかった、探してくる」
牢獄の中から商人らしき男がかすれた声で話しかけてきた
「早く、ここから出してくれ」
「沙夜子、みんなに水を飲ましてやってくれ」
僕は頭目が出てきた建物に向かった
建物の二階に上がり何部屋か入ってみたが鍵らしきものはない
「どうするかな?」
とりあえず牢獄の前に戻った
「沙夜子、メイスを貸してくれ」
「みんな、少し扉から離れてくれ」
メイスを振りかぶって鍵を叩き壊す
ガシャン!ガシャ!
鍵は壊れたが、メイスもひしゃげてしまった
「沙夜子、ごめんでも鍵は壊れた」
商人らしき男が話しかけてきた
「誰だか知らないがありがとう!命拾いをした!」
「わたしは、探索者兼商人の綾人と申します、まずはこの砦から出ましょう!」
「監禁されているのはここだけですか?」
「たぶんここだけだと思う」
「それでは行きましょう」
砦の門の所まで来て
商人が声を出した
「何だ、これ!ここに来たときはこんなお堀なんかなかったぞ」
「どうやってここから出るんだ!」
「ちょっと待っていてください」
<クリエイトアース>
向こう岸まで石の渡しができた
「すごい魔法だな」
「わたりましょう」
渡りきったときピーターたちが二頭立ての荷馬車を引いてきた
その後ろにイダたちが六頭ほどの馬を引いて石の渡しを渡ってきた
「とりあえず、ほとんどの盗賊は縛っておきました」
「荷馬車に頭目の死体も積んでいます」
「ありがとう」
死体に手をかけ
<無限収納>
・無宿人ガロンの死骸
「無宿人ガロン」
僕がぼやくと
商人が
「やはり、ガロンか、こいつにはかなりの懸賞金がかかっていたはずだ」
みんなが渡り切って石橋をクリエイトアースで消し去った




