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ピーター達が戻ってきた翌日、伯都を目指すメンバーは出立の準備をしていた
明日出立するためリバルタン村の村長のもとにやってきていた
「前にも少し話していましたが、明日出立することになりました」
「そうか、明日出立か」
「宿場町には次郎さんが残りますので何かあれば相談してください」
「バンロートルまでの道は盗賊が多いから気を付けてくれたまえ」
「わかっております、ですが僕は人を殺めたことがないので少し不安ですが」
「大丈夫だよ、あ奴らは魔物とあまり変わりないからな!何度うちの村の者たちが殺されたことか!」
「出来る限り、排除していきたいと思います!」
「よろしく頼む!奴らがいなくなればもっとこの村もよくなっていくだろう!」
「あと、馬を二頭譲ってもらいありがとうございます」
「かまわん、ちゃんと代金は貰っているしな、馬車で移動したほうが旅路少しは楽になるだろう」
「君には感謝している、余裕がなく荒んだ我々を救ってくれた、ありがとう」
村長の家を後にして、宿場町までのんびり川を眺めながら戻った
「ただいま!」
炊事場に顔を出すと沙夜子がパンを焼いていた
「おかえり、村長さんのところどうだった?」
「ちょっと雑談をしてきただけだよ」
「いつも料理ありがとね」
「どうしたの、改まって!」
「いやなんかみんなに甘えてばかりだなとおもって」
「なんか気持ち悪い!でも言葉にすることは大切だもんね」
「楓ちゃんにも感謝しなさいよ!」
「わかった、ありがと」
作業場に訪れて縫物をする楓に話しかけた
「お疲れ様さま、精が出るね」
「お疲れ様です、戻ったんですか?」
「ああ、いつも支えてくれてありがと、これからもよろしくね」
「どうしたんですか?何かあったんですか?」
「いや、今まで余裕がなくて周りの事考えてなかったなとおもって」
「こちらこそありがとうございます!私一人だったらたぶん生きていなかったので!」
「僕は暴走すると周りが見えなくなるから楓たちが居ることで助かっている」
「もうやめてください、これからもよろしくお願いします!」
「もう一つ、また両親と別れることになってごめん」
「大丈夫ですよ、わたし親が恋しい子供じゃないんですから!前の世界では大学生だったんですよ」
「そうだね、今は何を縫っているの?」
「マントです、旅に必要かなと思って」
「さっきまではクッションを作っていました」
「馬車用かありがと、それじゃざまになるから行くね」
みんなの為にも、もっと頑張らなくちゃ
広場で訓練をしているピーター、ニール、イェンのもとに向かった
「お疲れさん」
「「「お疲れ様です」」」
「頑張ってるね!」
「はい」
ピーターが答える
「イェンに稽古つけてやってください、しばらく綾人さんに鍛えてもらえないので!」
「わかった!行くぞ!」
そのあとしばらく四人でひたすら稽古を続けた




