ショタが何がに目覚める話
ぼくはアレスター王室に仕える執事見習いです。
ぼくはもともと孤児で、倒れていたところをエリカ様に拾っていただきました。エリカ様はぼくを育ててくれて執事見習いという生きる居場所を作ってくれました。
ぼくはそんなエリカ様がこの世で1番大好きだし、誰よりも尊敬しています。
ところで最近、変な噂を聞いたんです。ある界隈でエリカ様への怪文書を書くのが流行っているって。しかもそれをみんなで見せ合って楽しんでるらしい。
ぼくはその噂を聞いてとても怒りました。大事なエリカ様でそんなものを書くなんて許せない。しかもそれを見せびらかすまねをして恥ずかしくないのか!
ぼくは怒りに駆られて、その場所に乗り込んだ。
そこには怪文書がたくさんあってみんな下品な顔で読んでいた。
ぼくは近くの怪文書を読んでショックを受けた。
エリカたん?踏まれて喜んでる?脇を舐めたい?
これはダメだ。狂ってる。エリカ様には絶対見せちゃダメだ。
ぼくは人生初めての怪文書に怖くなって走って帰った。
その晩、ぼくは怪文書に書かれていたとんでもないシーンが頭にこびりついて一睡もできなかった。
僕はそれから頻繁にあの場所に通うようになった。取り締まりのためだ。僕は食い入るように読む。あぁ気持ち悪い、おぞましい。しかも間違ってる。
エリカ様はそんなこと言わない!
あんなこと絶対しない!
本物のエリカ様はもっとこう言うんだ!
気づけばぼくは怪文書を書くようになっていた。
そんなある日、滅多に来ないエリカ様が急に僕の部屋にきた。
僕は慌ててノートを閉じる。
「エ、エリカ様。いきなりどうしたんですか?」
「最近あなたの様子が変だから心配になって、、あなた何か隠し事してる?」
「い、いえ、してないですよ。」
「じゃあ、隠し事ないならそのノート見るわね。」
止める間もなくノートを読まれる。
「何これ」
エリカ様がつぶやく。
ぼくは今更やばいことをしてたことに気づく。
妄想であってもエリカ様をあんな目に合わすなんてぼくはなんてサイテーなんだ。ぼくが1番大好きなエリカ様に嫌われちゃう。
エリカ様に嫌われたら、ぼくは、ぼくは、
ぽろぽろ、
勝手に涙が溢れてきた。
「こ、これは、ち、ちが、くて、、エリ、カ様のこと、大好きで、で、でも、変なこと、ばっか考え、ちゃっ、て」
エリカ様が近づいてくる。やばいぶたれる。僕は目をつむって身構える。
がばっっ
ぼくはエリカ様に抱きしめられていた。
「大丈夫」
思いっきりギュッとされてエリカ様のあったかさとかいい匂いとか、痛い程伝わってきた。
ぼくは我慢できなくてエリカ様の胸の中で思い切り泣いた。
エリカ様はぼくが泣き止むまでずっと抱きしめてくれた。
ぼくが落ち着くとエリカ様は
「おやすみ」
とただ静かに僕の部屋から出ようとした。
ぼくは色々謝ろうと口を開ける。
「あの「しっ」
エリカ様は人差し指でツンとぼくの口をつぐませる。
そしてぼくが今まで見たことない誘うような笑顔で
「またね」
と出ていった。
残されたぼくは無意識に唇をさわる。
この胸のドキドキは一体なんなんだろう