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13.レポート

間もなく執事が現地に到着し、ソランと共にアサゴに還った。そして、彼の口から事件のあらましがガンセンに伝えられた。無論、人形と執事の視界も繋がって見ることができた。王は激怒することもせずに、執事の話を聞いていた。彼はユハの至らなさをひどく咎めた後で、その報告にあった黒の少年についての話を根掘り葉掘り尋ねた。王にとってもやはりその少年の存在は気にかかるらしかった。そこで少年の容貌や、いた場所から判断した彼の見解はこうだった。

「その少年は危険である。至急居住地を特定し、討伐せよ」

王は落ち着いていた。彼は常に即断をする。その決断の全てに躊躇いのないところが、ガンセンの王としての品格でもあった。

その黒の少年についての王の所感はユハの予想とは遥かにかけ離れていた。

―討伐?何故?危険?彼の潜在能力が?ユハは王の考えを読み取ろうとした。

「黒魔法です」

ユハの疑問を察し、執事が教えた。

「これほど早く問題になるとは思いませんでしたが、ユハ様にはお教えします。我々が白魔法を使うのと同様、黒魔法を使う者もまた、この世には存在します。白魔法が生ける者への想いで力を増す一方で、黒魔法は死せる者との関係次第で力を得ます。先ほどの件ですが、黒の少年が全く動じなかったのにも関わらず、ソラン姫様が失神された。これは彼自身ではなく、彼に関係する黒人形の仕業と考えることができるのです。つまり、ガンセンさまが危惧されたのは黒魔法術者の存在。それがイカゴに身を潜めていること。放っておけば、国の脅威になりかねないと考えられたのでしょう」

危険因子。思わぬところで出くわしたものである。それがイカゴに。しかし、それよりも気になるのが、黒魔法の性質だ。確かに儀式の際、「白魔法は生を共にする者への想いで能力をさらに引き出すことができる」と教わった。黒魔法は逆。そのほかにもいくらか、白魔法とは違った要素があると考えてもよいだろう。

王から指示され、ユハは指揮を執ることとなった。王の命令は絶対で、近いうちにイカゴを国中の兵士が攻め落とす。その前に、標的の所在地の検討を付けておくことが好ましかった。その他にも、現在の国の兵力を考えイカゴ遠征についての戦略を練った。彼は草案を執事に提出した。ユハは考え、まず自ら再び元の地で張り込む決意をした。黒の少年はソランに興味を示していた。それを利用するのだ。彼もまた、決断を行動に移すのにそう時間のかからない性格だった。

夜。ユハは一人国を出、イカゴの森へと向かった。今回は白人形と共に出る。2対1なら、少しはより有利になるだろう。

また、それと同時刻、執事と王はユハが提出したイカゴ遠征への草案を検討していた。

「さすがはユハ様です。抜かりはありませんね。確かに、現在のアサゴにはあっても損はない政策かと」

「分かった。国中に布令を出し、適応する者を選び出せ」


次回 3/17

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