表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/16

3. リアルとリアリティについて

すごくリアリティーがあるよねとか、

この作品はリアルだ、

なんてよく言うけど、

この時、前提となっているリアルは本当においらたちが日々、送っている「現実」とはまるで別物なんだ、ということを覚えておきたい。

直接的に表現するなら、「非現実」であるからこそリアルなのだ、ということ。

「現実」から程よく遠ざかっているからこそ、いただける言葉なんだと心得たい。


例えば、分かりやすく一人称作品の場合、自身の日常をつぶさに追ったらなら実感できるのではなかろうか。

頭の中は結構、興味のままにアチコチ飛びながら並列に思考してる。

周囲の刺激に触発されるままかなり詳細に目まぐるしく、現実の一人称視点は支離滅裂と流れている。

それをそのままに追ったりすれば、もう読むのがしんどい。


だから物語にするときおいらたちは無意識のうちにその現実をつまんで編集して、ときに思考の雑味を取り除き、ときに時間を折り曲げ短縮させ、見えているものを見えなくし、見せたいところだけをクローズアップして、現実を単純化させて書いている。

それは現実へ迫るのではない。

現実から遠ざかる行為だ。

そしてリアルだ、と理解が追いつくほどにこの作為的作業《リアリティ―の追及》は濃度を増してゆく。


なら宇宙人とか特殊能力とか魔法とか未知の組織とか、明らかに現実に存在しない「現実」と断絶したもののリアリティーってなんなんだ、となるわけだけど、

おそらくこの論理からいけば方法としてこれ以上、遠ざかりようがない非現実的なそれは逆に、「現実」へ歩み寄ることで得られるものではないか、と感じてる。

つまり現実的なものを書くとき編集した部分をあえて加えることで、得られるものではないかな、と。


もし何かについてリアリティーを追加したいな、と考えた時、

以上のアプローチがヒントになるのではないかと思っている。


リアルとリアリティーは地続きにない。

今さらだけど意識するのとしないのではたぶん、だいぶと違うはず。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ