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喧嘩して飛び出して帰った話

作者: 青野菜穂

 



春になりかけの寒い日に


家を飛び出した


頭がどうにかなりそうで


どうしようもなく逃げ出したかった


僕の涙を偽善だと言って泣いた彼女から


泣いた彼女を責めたあの人から


あの人の前で泣いた僕から


全部から逃げたかった




息が上がって足が動かなくなって


田んぼが広がる風景に


漸く僕は独りになった


涙はもう止まって今は空っぽ


代わりに笑いが止まらない


偽善を嫌う純真な彼女が


見た事しか信じないあの人が


自分のために泣いた僕が


馬鹿馬鹿しくて笑える




笑いも止まって息が落ち着いたら


体から力が抜けた


その場に座り込んだ


僕はもう空っぽだった


涙も笑いも何も無い


ただ虚しい


彼女のように純粋だったら


あの人のように強かったら


僕は偽善じゃなくて


彼女のために泣けたんだろうか




風が強く吹いて草花が揺れて


僕は家に帰った


どうしようもなく寒くて


息を切らせて家に帰った


家族は温かく迎えてくれた





ただそれだけの話


 


こんな経験、あるんじゃないでしょうか。


読んでいただきありがとうございました。

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