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沈黙は金 雄弁はプラチナ  作者: 中田あえみ
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従業員の都合 1

そ、そう来たか!?

マギーの秘書脳のキャパを越えたところに、ネイトは話を進めていた。

「何でキララ紡績(ここ)に貴女はいるのかな?……簡単だ、生活の為だろう。転職しようと考えているね、まあ予想通りだ。だから私が無言だろうが、部屋にいようがそのまま放っておいたんだよね」

こ、この人?

ネイザン・ジョーンズ。こっちが本物?


「そしてそれは、私も同じだ」

「は?」

ネイトの顔にふっと優しげな微笑みが浮かび、彼は外に足を伸ばして飛んでいる鳥へ目をやる。そう、『ヘンな鳥さん』はまた建物の近くですーっいっと浮かんでいる。まるでこちらを伺っているように。


「私と副社長(ネイト)が同じですか?どこがでしょうか」

「キララを辞めたいと思ってる事さ。ユージーンが貴女を信頼したんだ、私もそうしよう。正直、私はこのポジションに興味がない。実家が期待しているから仕方なくやってるだけだ」

「は?」

さっきからは行しか口に出せないのは、秘書としていかがなものかとマギーの秘書脳が告げるか、そんな状況ではなかった。

「だから、身軽になろうじゃないか。堂々とね。転職なんて面倒だよ、経歴書を書くのも大変、CVを更新するのも手間、写真だってお金がかかる」

「……そんな高くはありませんが……」

「でもタダじゃない。しかし、ここに残れば、来年は海外事業部に異動して、商社の仕事ができる。良い話だと思うよ」

「秘書室はなくなるのですか」

「そんな話はしてない。でもなぜ貴女は秘書をやってる?仕事にありつけるからだろう、誰かのアシスタントなら一生ね」

ず、図星……。またもや。

「お仕事を戴けるだけで有難いと思っています」

「仕事は自分で作れる。はっきり言うと、三社飛び込みで回れとお願いした時、貴女は泣きついてくるか、休むかのどちらかだと思っていた。だが三社とも誰かに出会い、名刺交換をしたというのだから、貴女は本当は誰かの『アシスタント』なんてやるべきじゃない。もっと自分を大切にして、自信を持つべきだ」


いや、住居費光熱費を考えれば、手っ取り早く稼げる方法しか必要ないのですよ。

マギーはどうしたものか、と頭をフル回転させ始めた。

IELTSアイエルツ

作者は英国系から英語を習ったので、TOEFLよりはアイエルツです。サイトによれば「International English Language Testing System(IELTS:アイエルツ)は、海外留学や研修のために英語力を証明する必要のある方、およびイギリス、オーストラリア、カナダなどへの海外移住申請に最適なテストです。イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドのほぼ全ての高等教育機関で認められており、アメリカでも TOEFLに代わる試験として入学審査の際に採用する教育機関が3,000を超え、英語力証明のグローバルスタンダードテストとして世界中で受験者が増え続けています。」とのことです。

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