表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
沈黙は金 雄弁はプラチナ  作者: 中田あえみ
26/172

白金と銀 9

一息入れた後で、明日からの作業を確認し合い、アラン室長とリッキーは法務総務に残り、マギーとネイトはともかく副社長室へ、ケイト部長も人事部門と居残りとそれぞれに分かれた。


こいつ、まだ黙ってる気なのか。

マギーの殺気に気付いたか、ネイトは先に言葉を発した。

「もしハイランドに帰るのなら、力を貸そう。キララ造船の事務所もある」

「は?」

いつ私が異動願を?

「ご両親にとってみれば、最愛の娘さんをいつか手元に返してもらいたいと思うのは当然だ。私が結婚して、子供がいたとしても、一緒に暮らしたいと思う」

ちょっとは仕事ができるかも、このお坊ちゃま、と考えた自分が馬鹿過ぎたのか、とマギーは一瞬自分自身にむかついた。

「は……い。ご配慮いただき有難うございます。ただ、私自身は未だ戻る予定もありませんし、多分両親も期待してないのではと思います」

「そうか。では何故ここにいる?」

は?

生きるため、でしょう、お坊ちゃま?

沈黙は金、しかし、雄弁が銀とも限らない。マギーは心底から、ふん、と鼻を鳴らした。

「キララ市は、求職数が違います。ハイランド市に帰っても職がありません。第一、そんな事を考えて何になるのでしょうか。ネイトは、首を切りたいのでしょう?私こそ、どんな基準で他人を解雇するのか、お伺いしたいくらいです」

久しぶりに「鼻で笑った」相手が珍しいのか、ネイトも語調を強めた。

「150人なんか大したことない、前社長の息のかかった関係者を数えればすぐだろう。正直、彼らは私の所へ媚びを売り始め、効果がないと分かれば半年以内に去って行く連中だ。それを少し早めるだけで、別に大したことじゃない。今質問しているのは、あなたのキャリアプランだよ、マギー。45歳にもなって、あと15年間どう過ごすのか、まったく気にしてないとでも?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ