転職しない理由 6
申し訳ありません。放置ではないんですが……いえ、放置ですね。しかし出来るだけ更新するよう致します。このネタになった会社を辞め、転職して更なるOL活動をしているあえみでございます。
コンビニの前に停まっている黒いポルシェを見て、マギーはまさかと隣の上司に顔を向けたが、ネイトは何事もなくドアを開けてマギーに座るよう促した。
「有難うございます」
マギーの棒読みの感謝にも動ぜず、ネイトは反対側から運転手のエスコートで隣に座り、にこやかに笑いかけ、さあ行こうか、という。
この界隈で、黒いポルシェ!マギーは何だか分からないながらも、この車が自分の住んでいる地域に全く似合わないことだけははっきり理解していた。
「ここから1時間ちょっとだろうから、何か飲もうか。簡単な物しかないが」
「ポルシェって黒があるんですね」
「パナメーラだから目立たないからいいかなと思ってね。赤とか黄色は目立つだろうし」
黒でも目立ってますが……。ネイトはここにそぐわないとは感じていないらしい。
「……そうですね……ここはあまりよく知らない地域ですよね」
「ああ、初めて来た。ここら辺の区画整理が滞っているとは知らなかったから、ちょうどよかったよ。ジュースでいいかな?」
今朝ジョーンズ家のキッチンで絞られたフレッシュジュースがグラスでマギーに渡された。秘書として、全く機能していない絵である。
「すみません、やっていただいて。私がお手伝いすべきでした」
ネイトはそれを聞いて目をパチッと大きく見開いた。
「いや、プライベートだろう?そんな事はしなくていいよ、マギー。ここ一体のディベロッパーと接触したいから、来週オフィスに戻ったら私にメールしてくれ」
仕事する気満々じゃないか、とマギーは思ったが、プロのOLはポルシェには動揺しても上司の指示には動揺しないものなのだ。
「分かりました」
「仕事の話は以上だ。で……ピイちゃんだが……ユージーンは何か君に言っていたか?」
当初は黒いポルシェにしようと思ったのですが(911)、4人乗りが出来ないので諦めました(汗)




