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沈黙は金 雄弁はプラチナ  作者: 中田あえみ
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ライフプラン 7

‐会社組織というものは、一つの集合体を形作ろうとしているもの‐


形作っている、ではなく、現在進行形未来なのが、アレックスらしい表現だった。

彼は彼自身を平凡な人間だと思っている。キララ紡績に新卒で入社して15年、総務法務室で静かに働いてきたはずだった。元々アメリカ生まれで小学校卒業までニュージャージーにいて、中学6年間はマニューに戻るもその後オーストラリアで大学、イギリスで大学院と地球を一回りして、またマニューに戻った。


紡績に15年間も居れたのは単に偶然だと思っている。アレックスはまたアメリカに戻りたかったが、結婚したり家族が出来たりでその暇もなく、またしばらくしてアラン管理部門長(当時)やトモミ営業部門長(当時)という『スター』が転職してきたため、紡績本社にて総務法務室自体の影が薄かったのも幸いした。


今度の転職先は実はメガバンクの一つ、マニュー・メリルリンチ銀行である。アメリカ出張もあるはずで、アレックスは気分良く引継ぎ(後始末)を終えられる。


今の紡績(組織)に自分が必要とされないのであれば、そのまま出て行けばいい。自分無しで集合体を形成しようというならば、それはそれでいいではないか。

会社というものも、人間の様に、育っていき、その過程で変化があるものなのだ。

本当は紡績本社への異動を打診されたのだが、そこは断り、人材紹介会社へ登録して転職活動を始めたところ、上場会社で15年間務めた肩書は、金融業へ転職という結果をもたらした。


米国系銀行に居れば、アメリカへ戻る道も探せるだろう、いや、その前に家族の説得が先だが。


まあ何とかなるだろう。


影の薄かった、そして社内ではイソギンチャクのようなアレックス氏ですが、帰国子女でした。マギーとは違い、今回のチャンスを積極的に生かして、海外へ出ようとします。

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