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勇者にならなかった最強の男  作者: 神将.com
第一章 旅団
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第一話 別れの姫と出会いの姫と。

こんにちは。前書きはこのくらいにして、

始まり始まり~

九牛くぎゅう 金治きんじ。18歳。


彼は今・・・・・・・・・異世界にいた!!!


「どうや!かっこええやろ!」

「いや、あの・・・は?」


時はさかのぼる。

大学の入試に受かり、これから夢に向かって突き進もうと電気屋に行っている道中のことだ。

「金かせや!」

「おっさん金持ってるやろ~?」

おっさんがヤンキーに絡まれていた。

「い、いや。わしはもっておらんよ。」

「痛い目見る前に財布出したほうがええんとちゃうか?」

「さっさとだせやぁ!!!」

路地裏のかげで長々と彼らのやり取りを見ていたが、そろそろ悪化しそうなので止めに入る。

「えーと、警察ですか?」

わざと彼らに見えるように立ち、スマホを耳に当てて話す。もちろん、そういうふりだが。

「ちっ。」

ヤンキー達は俺の声を聴くや否や素早く反対側の出口へ走って行った。

「すみませんね。」

「いえ、放っておけなくて。気にしないでください。」

俺は若干頭をさげ、その場を去ろうとした。

「・・・でも、じっと見ていたよね。」

ビクッ

「あ、あ、あのすみません。勇気がでませんでした・・。」

「はっ、はっ、はっ。いやええよ、ええよ。でな」

俺の前にいるサラリーマンのおっさん(推定40後半)がいきなりスマホの画面を見せつけてきたのだ。


時は冒頭にもどる。

「なんで、俺の名前を。」

「ん?不思議か?」

おっさんが当たり前みたいな顔で首を傾げている。

「不思議というか怖っ!!なんで知ってるんです!?」

「わしは大神様おおがみさまやからな。当たり前や。」

「大神?」

「なんや、知らんのかいな。神様の神様や。」

は?

「『は?』やあらへんで。神様知っとるやろ?」

「え、ええ。」

心読んどる!?

「その神様の神様や。」

は?いや、確かに理解はできる。やけど、、、信じられるかぁ!!!

「ええ加減、信じろや~。わしも信仰なかったら生きていけへんねんから。」

でな・・・。話は続く。

「異世界いきたいか?」

「え?どこ?」

「よう、小説にあるやろ~。剣と魔法の世界。」

いわゆるファンタジーか。

「はぁ。」

「そこや。」

「は?」

「せやからそこやって。」

「あの、ほんまに?」

「おう。」

軽い返事が返ってくる。

行きたい。行きたい。行きたいけど!

「俺、この後の用事とかで」

「ほな、いこか。」

そうして俺は異世界にとばされたのだった。

▲▲▲▲▲▲▲▲▲

異世界。


「本当に来てしまった」

『え~ほな説明するわ。』

『まず、君と同じ異世界人は他に三人おる。君にはその誰よりも面白いことしてくれたらええ。』

「あの、その二人は。」

『勇者候補や。君はついでやついで。別に文句ないやろ?』

「ま、まぁ。」

『普通に暮らせるように言語は日本語に聞こえるようにした。話すのも日本語や。やけど字はちゃうで、きぃつけや。』

「、、はい。」

『んで、みんなが好きなスキルやけど。レベルアップに準じ覚えるようになっとる。自由選択とはちゃうから。』

「はぁ・・・。」

『スキル見たけりゃ、そのまま唱えると見える。ほな元気で。』

「えっ?」

『あ、そうそう元の世界の時間は止まっとるから。心配せんでええ。じゃの~。』

「おい、ちょっと待てやーー!!」

そうして大神は消えた。

聞きたいことが山ほどあるってのに。

「・・・ここどこやねん・・・。」

そしてここから金治のサバイバル生活が始まった。


まずスキルやな。

「スキル。」


九牛 金治

age 18

skill 暗殺術Lv10

    覇眼Lv5

    忍び足Lv7

    隠密Lv10

    殺気Lv5

    気配感知lv7


という感じである。


「俺は殺し屋か!!!」

もう大体わかってきた・・・。

(大神の暇つぶしか・・)

面白いことできるか!!警察に追い回されるだけやないか!

『だから隠密Lv10にしたんや。』

あっ!!

「おい!大神!!」

返答なし。

(もうええ!!・・・これからどないしよ。)

次に俺の容姿。

触ってみた感じではツンツンな短髪?みたいな感じだ。

髪の色は紫の艶が出る黒髪。

いつもと同じだ。目線も同じだし、170かな。

服装は・・民族衣装のシャイフのような服に、余った部分を後ろに流した長いマフラー。

腰に帯が巻いてあり腰から下が若干広がり前の部分が開けている。

さらに膝から逆鱗がはえたようなデザインの鉄のすね当て。

そして騎士がはいてそうな靴。

その上それらすべてが黒一色であった。

(怪しい。怪しすぎる!)

九牛は初めてため息をついた。


その後、近くの高木に登り周囲を見回す。

「なんもあらへん。・・・いや。」

少し離れた山から煙が見える。

そしてそこに続くように細い街道?がみえる。

「ま、これぐらいは用意してくれたんか。事件の匂いしかせえへんけど。」

そう言いつつ、早歩きでその煙に向かっていった。


▲▲▲▲▲▲▲▲▲


時は同じく、ガリウェロ城内。王宮にて。


「レイ。ここから逃げなさい。」

「いや!お父様もいっしょ!!」

「いいかい?レイはこれからドンドン大きくなれる。だけどね、父さんがついていったらそれは叶わなくなるんだ。」

「大丈夫!お父様がいても大きくなるもん!」

「はは。頼もしいな。だけど行けないんだ。」

「でも!!」

「さぁ早く!!」

レイは父に背中を押され、四人の護衛と共に地下通路に隠された。

「お父様!パパ!パパ!」

「レイ様、こちらへ。」

護衛と共に逃げる金色の長い髪をもつ少女の顔は涙で赤く染まる。

王は門を閉め、

「先は長い。元気に生きてくれ、我が娘よ。」

城と共に燃えていった。


「レイ様、この森を抜けます。気を付けてください。」

護衛の一人が話しかけるが返事は返ってこない。

彼らはレイを抱え、森に入って姿をくらませ逃げていった。

そのはずだった。


「かかったな!」

そこは森の奥のはずが焼き払われており、城を囲むように更地ができていた。

そこに敵兵が多数。

見つかった。

「くそっ!!」

「何としてでも姫だけは!」

「・・・我らが、命に代えても、お守りしよう。」

一人の言葉を合図に三人の護衛はゆっくりと抜刀する。


「いくぞーーーーー!!」

「「「うぉぉぉーーーー!!」」」

姫を抱えた護衛四人は獅子のごとく駆ける、暴れる。

その覇気に怒気に敵側は気圧され削られていく。

「も、もしやお前らは・・・あの」

「四天の・・・」

「いかにも!」


みるみる内に壁が削れ、やがて穴が開く。

「いけ!!」

だがその時にはすでに二人消えていた。

「すまん。」

そしてまた一人消えていく。

まだ彼の後ろでは敵兵が追いかけてきているようだ。

「姫。」

「・・・」

「私はもう持ちそうにありませぬ。ゆえに」

「・・・」

「ここからは姫は一人でお逃げください。」

「ギークは?ギークはどうするの?」

「私は…、私はこの戦場に、紅き花を咲かせましょう。されど」

「?」

「今はその花を見てはいけませぬ。」

「どうして?」

「今はつぼみ。姫が無事である時、その花を見に来てくだされ。」




―――――「きっといい花が咲き誇っておりまする。」―――――




そしてたった一人の護衛は足を止め、大事に姫を降ろす。

そっと彼女の背中を押し、背を向け。

「うぉーーーー!」

森の奥へ消えていった。


▲▲▲▲▲▲▲▲▲


「逃げなきゃ!!」

レイは森の奥へ奥へ走っていく。

だがその足もすぐに止まる。

「ぁ、ぁ、ゃ・・・。」

人影がゆっくり前から歩いてくる。

レイは呆然と立ち尽くす。

恐怖、恐怖、恐怖、恐怖、恐怖、恐怖。

恐怖は彼女をとらえ苦しめる。


ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、


「ん?どないしたんや。」

「ぁ、こ、ろ、さ、な、い、で・・・」

「ん?大丈夫ちゃうな~。う~ん。このかばんに隠れとき。」

「ぇ?」

「ほら、はよー。」

レイが隠れたと同時に複数の鉄の足音が聞こえる。

「お前は誰だ。」

「え?旅をしているものですが。」

「少女は見なかったか。」

「あぁそれなら・・・」

レイは恐怖にじっと堪える。

「あちらのほうに。」

「そうか。助かった。」

「いえいえ。」

少女は胸を撫でおろす。

ガサッ

「ぁっ!」

「ん?なんだ?」

九牛を冷気が襲う。

「いえ。硬貨が落ちたもので。」

「紛らわしい声をだすな。」

「すみません。」

もちろん、硬貨などない。でまかせだ。

そう言って兵士が去るまで硬貨を探すふりをしていた。


「あ、あの!!」

「なんや?」

「助けていただきありがとうございます。」

「はは。ええよ、ええよ。」

「で、あの…。」

「あぁ。言わんでもわかる。あの状況からすると王女様ってところちゃうか?」

「はい。」

「残念やが、俺に出来んのはここまでや。」

「え?」

「俺がなんで助けたかわかるか?」

「いえ…。」

「それは君がまだ若いからや。これからの人生、何があるかわからん。悲しいことや辛いこと。時にはうれしいことや楽しいこと。人生にはそんなもんが一杯詰まってるんや。」

「そんな未来をこれから経験できる奴には死んでほしくない。ただそれだけや。」

(よっしゃー!一度言いたかってん。もうばっちりやろ!)

ただ俺も一文無しやし。街もこんなんやし。さすがに面倒までは見きれんな。

「やけど、そっからは面倒見きれへん。これから生きていくんは君やからね。ほな。」

俺はそのまま街にむけて足を運ぶ。

「あの!」

後ろから高い声が響く。

「お名前は・・・」




―――――「俺には名前なんかない。ただの、殺し屋や。」―――――




そうして九牛は去って行く。

そしてそのあとを追う少女。

二人の姿は夕焼けに染まり、あたり一面に紅い花が咲き誇る。

そしてその中心にポツリと、金色の花弁が、風に吹かれ、揺れていた。








すいません。作者の都合上、超不定期更新になります。6ヶ月ほどの長期きゅうかもしばしば…。いや~受験はつらいよ。

訂正、改善点、意見などのコメントがありましたら、これからの参考にしますのでぜひ送ってきてください。

あ~連載が短編になるかも・・・(冗談抜きで)

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