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川崎は1人公園でたそがれていた。

原因は営業で商業施設を周ると必ず言われる一言のせいである。


「珍しいですね、川崎さんが仕事しているなんて」

 言い方は違えどほぼ全員に言われる。綺麗なねーちゃん、肝の座った奥さん、ピシッとしたスーツを着込んだサラリーマン、毎週必ず訪問している老夫婦には毎度言われるのでもう慣れっこだが帰りがけのちびっこにまで言われるのは何故だろう?

確かに仕事が終わったらすぐに山に向かう、それは確かだ。


縄と捕獲器具は営業車にこっそり積んであるし、今も公園の草むらで昼を食べつつ視線をきょろきょろしてツチノコを探しているが外見的には完璧な銀行マンであるにも関わらず。


「俺そんなに仕事してないように見えるか?マサムネ君。」

「こんな昼間から草むらにはいつくばっている辺りはちょっとどうかと思いますけどね。」

あ、でもほんとにちょっとですよと焦りながらもフォローしてくれるマサムネ君は本当にいい子だと思う。


出会いはつい先ほどの話になる。文字通りに犬のリードに絡まれている彼を救出したのが始まりだ。聞けば年齢はまつりと一緒の16歳、彼のほうが落ち着いているし礼儀正しいし、なにより優しい。引っ越してあまり時間がたってないにも関わらず既にうろな町の変なオジサンとして職務質問の常習犯である俺にすら優しい(大事なことなので2回言った)   

 感激のあまりお昼おごるからと無理矢理昼限定ツチノコハンティングに誘い出しのだ。

 マサムネ君も広げたシートの半分に座り犬達も俺の背中に乗り出した。小さい子犬はいいが大きいの犬は重量があり重い。マサムネ君は渡したパンをもぐもぐと食べながらこちらを向いた

「仕事は大丈夫なんですか?」

「平気だ、午前中にお得意様はほとんどまわったから後はゆっくり出来るぞ。そういえば君は川の上流からどこからともなく流れてきたんだったか。俺にはとても真似できない、どのくらい前から流れてきたんだ?」

「普通に電車に乗ってきましたよ・・・子犬を助けようとしておぼれたのも事実ですけど。」

「そうだったのか!すまない、知り合いがそう言ってたんでてっきりそうだと思ってた。流石にどんぶらことはいか。」

「桃太郎じゃあるまいし無理ですよ。」

 まぁ無理だよなと頷きしばし話した後正宗君とは公園で別れた。

 ちなみにツチノコは見つからないまま昼休みが終わり、俺は仕事に戻った。



*  *



 竹口が見回りから帰り、うろな北交番に戻ってくるとなぜか問題児日出まつりが我が物顔で玄関に堂々と座り込み、自分を待ち構えていた。

「おかえり、お仕事お疲れ様です!」

「出たな問題児、いきなり駐在まで来てどうしたんだい?」

「なんだかんだいって話聞いてくれる竹ちゃん好き!それがさー今おじさんから珍しくメール来てなにかと思ったらもっと頑張りましょうって文章が来たんだけどこれなんだと思う?」

「もっと頑張れってことだろう、何をかは知らないけどね。」

「なんだろうね?」

「さぁ、家まで送っていくからもう帰りな。」

無事に送っていってもらいました。


ディライトさんの正宗君をお借りいたしました!


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