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決戦世界のタリア  作者: 中村十一
第一章 冒険のはじまり
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6.異世界の夜 その1

 この世界に放り出される以前。ジャックと他三名はタリアと合流するまでの時間をエルクーンと呼ばれる都市で過ごしていた。

 四人は各々がその市街地にある広場にてプレイヤーが自発的に開催していたフリーマーケット的なイベントを冷やかしていた。

 その後、なんとなく集まったいつもの顔馴染みたちと雑談に興じた。

 話のネタも尽きた頃、寝る前にもう一稼ぎするかと散らばっていく友人たちの中にあってライトニングやジャックたち五人がその場に留まった。

 パーティーに誘うジャックたちに、今夜は裏で作業中の『ながらプレイ』で戦闘はちょっとムリだとライトニングは残念そうに答えた。

 そうした理由で、ライトニングは一人エルクーンに残ったはずだった。



 ――そんな彼がこの場にいた。ジャックはタリアの懸念が的中したかと身構える。

「さすがリアルおっさん。嫌らしいくらいに察しがいいねぇ」

 ライトニングの言葉にジャックは「お前もだろうが」と苦笑で返す。彼は肩を竦めて見せると表情を改めた。

「まぁ色々話さなきゃならんことがある。だがその前にどこかで腰を落ち着けようや。そろそろ日も暮れる」

 ライトニングは空を見上げた。

 アルタイゼン廃鉱出入り口はアルタイゼン山の西斜面にある。おかげで山中にあって陽の沈みは遅いようだが、それでも空を茜色に染める夕日の姿は既に木々の向こうに隠れていた。

「やれやれ野宿か。暖かくて安全な我が家での冒険なら徹夜くらいワケないんだが。この寒空の下でとなるとぞっとしないな」

 釣られて恨めしそうに空を見上げるジャックにカッコが「それなら」と声を上げた。



 アルタイゼン廃鉱と平地を結ぶ山道の途中、木々を分け入った先に粗末な小屋が立っていた。

 カッコに案内されてきた一行はその佇まいに少々怯む。

「これはちょっと入るのがためらわれるな」

 遠慮ないバハムートの言葉に案内した当人のカッコが苦笑する。

「ゲームだとこんなに薄汚れてなかったんだけどなぁ」

 3DMMOでよく目にする、ゲームマップ上の死にスペースを探すのがカッコの趣味の一つだった。

 一部の好事家たちの間で楽しまれている『登山』なども彼女の好むところである。

 カッコはその折に見つけた、イベントもNPCノンプレイヤーキャラクター(ゲーム内のプレイヤーキャラクター以外のキャラクターの意)も配置されていないこの小屋の事を思い出した。

 その記憶を頼りに皆をこの小屋へと連れてきたのだが、そこで厳しい現実を突きつけられる羽目になる。

 居並ぶ仲間たちも現代日本にあって3Kとは無縁だったらしく、その表情は一様に冴えない。

 しかし目の前のくたびれた小屋は、そこだけはゲーム時代と変わらず人の住む気配を感じさせなかった。

 一行が逡巡する中、タリアが小屋の扉の前に立つ。彼女は扉の様子を探ると鍵などが掛かっていないことを確かめた。

「――ここは魔法の冗長性に期待しましょう。ちょっと〈浄化ピュリ〉ってきます」

 タリアは決死の表情で振り向いてみせると、勢いよく小屋の扉を開いて中へと突入する。

「うわ」やら「ひぐ」などの可愛らしい悲鳴が続くことしばらくして、小屋のあちこちの木窓が開かれた。

 一行はその開かれた隙間から黒い粒子っぽいなにかが舞い散る様を幻視した。

 皆は冷や汗を流しつつタリアの無事を祈る。それからしばらくの間、タリアの掃討戦は続いた。

 時折咳き込む音や実におとこらしいクシャミの他、「バカじゃないの」だの「死ね死ね」などの物騒な声も漏れて来る。

 仲間たちはタリアの戦いを固唾を呑んで見守った。

 辺りがすっかり暗くなる頃、少々煤けたタリアが小屋の出入り口からまろび出てきた。

 俯いたまま荒い呼吸を繰り返す彼女の、その白い装束の所々が戦いの激しさを物語るように薄汚れている。

 クララが恐る恐る声を掛けようとした矢先、タリアは深呼吸のあと顔を上げた。

 思わずのけ反るクララにギラリと不敵な笑顔を見せるとサムズアップを突き出す。

「お掃除完了です。魔法ファンタジー万歳ってコトで」

 

 マタギ小屋ってところかなと《導く灯り》に照らされた小屋の中の様子を見渡してジャックは一人ごちた。

 小屋の中は簡素な作りであったが薪ストーブと思しき物が設えられている。

 背後に〈耐寒〉の魔法を掛け直すタリアの声を聞きながら、リアルアルタイゼンの山中は狩猟期でも夜は冷え込むのかと埒もないことを考える。

「ざっと気になるところは掃除しました。今晩くらいでしょうからこれでがまんして下さい」

 タリアの言葉に皆が十分だと口々に応えた。

 実際小屋内部は薄汚れてはいるものの、しばらく居室として使用していなかった空間特有の埃っぽさや匂いも感じない。

 まさに魔法万歳と言ったところだろう。

 粗末な板張りの床に腰を下ろそうとするとボルトから待ったの声が掛かった。

「手持ちの中に敷き物使えるかもしれない毛皮があるからちょっと出してみる」

 彼は背嚢を下ろすと一抱えはあろうかという灰色の毛皮を取り出して見せた。

「OK。加工後の生産パーツ状態だからいけそう」

 一行はボルトに手渡された毛皮を何枚か使って居住空間の向上を済ませると次々に腰を下ろす。

「ダメ。もう動けない」

 座り込んだカッコが深々と息をついた。

 同感だと内心で頷きながらもジャックは済ませなければならない事案を思い出す。

「皆も疲れてるだろうが本格的に落ち着く前にライトニングの話を聴こう」

 ジャックの言葉に板場の縁に腰掛けていた者も履き物を脱いで上がり込み、何となく皆が車座に座りなおす。

 その動きは誰もが億劫そうで表情にも疲れが見えていた。しかし面倒臭がる素振りはなくむしろ興味津々といった様子である。

 ライトニングは皆を見渡した後、規格外の巨躯を器用に縮こまらせたバハムートに視線を止めた。

「よし。こっちも焦らすつもりはない。だがその前に確認させてくれ」

 ライトニングは沈痛な面持ちでバハムートを見詰める。

「バハムート。お前、今回はアライアンス(共成集団)に参加してたんだよな? 他の仲間はどうした?」

 その問いに、バハムートとカッコの表情が暗く沈んだ。自分たちが生き延びた影で死んでいった仲間たちのことを今更ながらに思い出す。

 それでもバハムートはライトニングの問いに口を開く。

「参加した12名の内、剣士二名、戦士二名、魔術士二名、僧侶一名は戦闘で死んだ。残る弓兵二名と僧侶一名とははぐれてしまって安否を掴んでいない。でも状況からして生存は絶望的だと思う」

 こうして一応安全と思える場所に腰を落ち着け、改めて10名にも上る人たちが殺されたという事実を聞かされると、それは一体どんなフィクションだと思いたくなる。

 しかしバハムートら二人は実際に仲間たちが惨殺される光景を目の当たりにしたし、タリアたちも一人の遺体を目にしている。

 それは、実際に起きた惨劇だった。

「了解した。まずはその話をするつもりだったんだが、ダンジョンで実際に戦闘してきたおまえらには言うまでもなかったようだな」

 ライトニングは目を伏せると呟く様に続ける。

「そう、『こっち』の世界では『この俺たち』でも死ぬ。それが事実だ。わかってるなら一先ずこの件はいい」

 ライトニングは顔を上げると再び皆を見渡した。

「俺は残念なお知らせと、とても残念なお知らせ、更にとてつもなく残念なお知らせを持ってきた。とても残念なお知らせは今の件。次はどれがいい?」

 皆がどんよりとした様子でため息をつく中、クララが手を挙げた。

「センセイ、先ずは残念なお知らせからお願いしますにゃ」

「よろしい、クララ君」

 ムリヤリ気味に気を取り直した感じにライトニングが芝居掛かった調子で頷く。

「皆も基幹都市のアイテム保管所(倉庫)には色々貯め込んでいたことと思う。だが残念だったな! なんとこの世には倉庫の施設が存在しないっ!」

 一同から断末魔の悲鳴が上がった。

「ちょっとマジなのソレ!」

 それが素なのか意外に普通の女子っぽいテンションでクララがライトニングに駆け寄るとその肩を掴んでガクガクと揺らす。

「残念ながらマジだ。全オレサマも泣いた。アイテム保管所だったところにはすっとぼけたことに別の建物が建っとったわ」

 わたしのコレクションが~と泣き伏すクララほどでもないが、誰もが憂鬱そうな表情を浮かべるとため息をついた。

 倉庫の財産が当てに出来なくなったという痛手に現実的な不安を憶える。

「さっきのボルトの様子だともうわかってるかも知れんが、キャラのアイテムインベントリ内のブツは無事だ。所持金も念じればホレこの通り」

 ボルトが片方の手のひらを広げて見せると、見慣れない硬貨が唐突にその上に出現した。

 見ていた者たちの間でどよめきが走る。

「こっちの世界の人の前ではやるなよ? やっちまったら手品だとでも言ってとぼけろ」

 そう真剣に言い放つライトニングに周囲から「こいつやっちまったんだな」と言う生温かい視線が集中する。

 彼はわざとらしい咳払いでごまかした。

「あと補足するとだな、ボルトは背嚢からアイテムを出す素振りをしてみせたがソレいらねーから。慣れればこのとおり」

 再び手のひらを開いて見せるとその上には出し抜けに細長い陶製品が姿を現わす。バハムートにとっては生々しい記憶も新しい、回復ポーションの容器だった。

 ほほうと見守る周囲から感心したような声が漏れる。

 ライトニングは澄まし顔に微かな自慢の色を浮かべて「すぐ慣れる」とうそぶいてみせた。

「素朴な疑問なんですが」と小さく手を挙げたサーラにライトニングは頷いて先を促す。

「アイテム保管所の変わりに何が建ってたんですか?」

 その問いにライトニングは微妙な表情を浮かべた。

「うん、俺もまだよくわかってないんだが『名も無き神の商工会』って団体の建屋が建ってた」

「そういう情報が引き出せたって事はこっちの世界の住人とは意思疎通できるんだな」

 ジャックの言葉にライトニングが頷き返す。

「ああ、こっちの人が使ってる言語はお約束どおり日本語じゃねーんだが言葉も通じるし文字も読める。試してねーけど書く方もイケる気がする」

 おっと話を戻そうと、ライトニングはサーラに向き直った。

「で、この『名も無き神の商工会』ってのは『あうたーそうる』って資源? だか素材の取引を一手に担ってる組織なんだそうな」

 わかんねー話だろ? と一同を見回す。

「中途半端で不親切なチュートリアル機能だね」

 ボソリと呟いたボルトに冷めた表情のサーラが「手抜きっぽいですね」と相槌を打つ。

「《外念体アウターソウル》ならこちらで説明できる。と言うより実物を見せた方が早いか」

 ジャックはライトニングと同じように手のひらを示してみせた。

「意外と難しいな」と眉をしかめ、ためつすがめつ自分の手のひらを睨みつける彼の姿はインチキ手品師のように胡散臭い。

 その様子を見ながら(俺ってあーゆー風に見えてたのか)とライトニングは自重することを密かに誓う。

 やがてジャックの手のひらの上に紫に輝く八面体が姿を現わした。

「ソレが《外念体》ってブツ?」

 訝しむライトニングに頷き、《外念体》を渡してやると彼の表情がサッと冷たいものに変わる。

「――OK、わかった理解した」

 そう無感情に呟いて《概念体》を押し付けるように返して寄越すライトニングの反応に、正しく彼が『チュートリアル』を受けた事を察する。

「とりあえずそいつを『名も無き神の商工会』に持ち込めばカネになるんだな」

「まだ実際には試していないがそういう事なんだろうと思う」

 ジャックは《外念体》を仕舞うイメージを脳裏に描きながら答えた。取り出して見せたときとは逆に手の中のそれの感触が無くなる。

「よし、この件もいいよな。倉庫にレア貯めてたヤツは俺も含めてご苦労さんてこったチキショウめ!」

 そんじゃこのままインフラ周りの残念なお知らせ行くぞ、とライトニングが唸る。

「全チャット機能が消失しました。遠隔地の友人フレ念話テレパシー的なナニかで会話とかムリです」

 そう言えばそんな機能のことをすっかり忘れていたなと皆が互いの顔を窺い合う。

 ダンジョンという危険地帯にあって先ずは目の前のことに対応しなければならなかったタリアたち、実際に差し迫った危難と遭遇していたカッコたち、いずれの状況も彼らにそれらの機能を失念させていた。

「ほんでギルド機能が消失してるっぽい。ギルド会館も無くなってるので設立手続きはおろか会館にインスタンスゾーンへ入り口があった関係上ギルドハウスが使用不能で当然ギルド倉庫もダメだ」


 ギルドという言葉はMMOに普遍的に用意されているコミュニティ形成システム或いは集団単位を意味し、ゲームによって様々な呼称が存在する。

 パーティーやアライアンスとは異なり、その機能は戦闘単位としてのそれに限定されないケースが多い。

 《Decisive War World》においては他のゲームにも見られるようなギルドメンバー専用のチャットチャンネルによるコミュニケーション機能、ギルド員のみが入場できる固有マップ(ギルドハウス)の開設機能、独自のエンブレムをキャラクターの外装に貼り付けられる機能などといったメリットをもたらしていた。


 その機能が根こそぎ消失したとあってギルドに所属していたカッコはため息をついた。

 壊滅したアライアンスにあって彼女とバハムート、戦死した戦士の一人は同じギルドに所属していた。

 カッコはギルドハウスに設置されるギルド倉庫にも幾つか有用なアイテムを保管していたのでその落胆は大きい。

 今までは自分が生き延びることに必死で思いも及ばなかったギルドの仲間たちのことも途端に気になり出した。

 他のギルメン(ギルド員)との連絡が困難になった事実に思わず唇を噛みしめてしまう。

「ギルド会館の代わりに建ってたのはわかりやすい。笑っちまうかもしれんがなんと『冒険者ギルド』でありましたとさ」

 一同からまたどよめきが上がる。

「――こっちの冒険者ギルドは、そう日本語に変換されて理解できるんだが、今時の若いゲーマーがその言葉から想像するようなのとは大分様子が違う」

 ライトニングは自分の考えを吟味するように虚空を睨むと、しばらくして口を開いた。

「どちらかっつーと『冒険者の酒場』がチェーン展開してる感じだな。情報提供や仕事の斡旋はしてくれるけどどちらも有料だし、仕事を達成したからと言って冒険者ギルドから報酬が出るわけでもない。あくまで仕事の斡旋てワケだ」

 ジャックだけは頷いているが、他の面子はわかったようなわからないような顔をしている。

 皆の顔を眺めながらライトニングは「冒険者の酒場じゃ今時通じないか」とため息をついた。

「要するに冒険する者のギルドじゃなくて、冒険者相手の商売人のギルドって捉えるのが間違いないと思う。そういう商売人が組織ギルドを形成して各基幹都市に店を構えてるワケだ」

 ようやく皆の顔に理解が浮かぶ。ライトニングはホッとすると表情を崩した。

「よし、伝わったな。おまえらの前に説明してやったやつらもこれがなかなかピンとこなくてなぁ」

 ライトニングは再び口を開こうとするが苦い表情を浮かべて固まった。

「やべ、さすがに口ン中が乾いてきた。ちょい待て、今ポーション飲むから」

 そんな彼をタリアが止める。

「ポーションだともったいないですからちょっと待って下さい」

 タリアは自分の手のひらに意識を集中するつもりで見詰める。眉をしかめる彼女の表情を皆が微笑ましそうに見守るが集中している本人は気づかない。

「わ、ホントに出てきた。はい、ライトニングさん」

 仲間にはすでに馴染みとなった小振りな陶器を「粗茶ですがどうぞ」とライトニングに渡す。

 受け取った本人とバハムート、カッコらが不思議そうにそれを見詰めた。

「中身はご存知『低レベルキャラの狩りの友』、《ミルクティー》です」

 にっこり笑うタリアを狐に摘まれた様な表情で見ながら、ライトニングは陶器の栓を抜いた。途端に甘い香りが辺りに漂う。

 バハムートはその香りに、ああコレの匂いだったのかと廃鉱第七層での出会いの時のことを思い出す。

 ライトニングは無造作に口を付けると喉を鳴らして嚥下した。あっという間に飲み干し「ンまい!」と大きく息をつく。

 目の前でミルクティーを飲み干すライトニングを目にした途端、カッコは自分の喉も酷く渇いていることに気づいた。

「タリアさん、悪いけどわたしももらえないかな」

 カッコの言葉尻にバハムートが「僕にもお願いします」と乗っかる。タリアは笑顔のまま「もちろん」と答えると、両の手に呼び出したミルクティーを二人に渡した。

「――リアたん、 わたしにもお願いできるかにゃ?」

 ライトニングの後ろでしばらく伏せっていたクララがユラリと身を起こすとその手を伸ばしてきた。顔が怖い。

 タリアは若干怯みつつもクララにミルクティーを渡した。

「呑まなきゃやってらンにゃいにゃー!」

 実際耳にすると少々苦しいニャンコ語尾で喚いてクララが勢い良く陶器の栓を抜く。

 豪快に喉を鳴らしながら嚥下する彼女に苦笑しつつ、カッコとバハムートもミルクティーに口を付ける。

 砂糖をたっぷり含んだ子供だましのような甘さのミルクティーはそれでも味は悪くなく、華やいだ香りも伴なって二人のどこかささくれていた気分を慰めてくれた。



 辺りに漂いだした紅茶の香りに、ボルトはどこかぼんやりとした頭でタリアが温めてくれたミルクティーの味を思い出す。

 この世界で飲んだそれは凡百なファミレス以上、近所の喫茶店のマスターが淹れてくれた紅茶未満と言ったところだった。

 疲れた身体を休ませたこともあり、ボルトの精神もずいぶん弛緩し始めていた。

(もっとマスターの紅茶飲みたかったなぁ)

 ボルト――中島矢子(やこ)は、今はもうとどかないかつての世界のリアルを思い浮かべながら仲間の少女に声を掛ける。

「タリアちゃぁん、わたしにもお紅茶貰えるかなぁ?」


 かつて仲良くしていた後輩のらにモノを頼む時のノリで、ボルトはそう言葉を発していた。


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