表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

雲ひとつない日

作者: 蒼灯結
掲載日:2026/05/24

雲ひとつない青空だった。

駅前の並木道にはやわらかな光が落ち、人々はいつも通りの顔で通り過ぎていく。


私は待ち合わせ場所で「おはよう」とゆいに声をかけ、一緒に学校へ向かった。


チャイムが鳴り、授業が始まる。

先生の声と、鉛筆を走らせる音が静かな教室に広がっていた。


その時だった。


乾いた破裂音が、突然教室に響き渡った。


一瞬、誰も何が起きたのかわからなかった。

けれど次の銃声と同時に、生徒たちの悲鳴が爆発する。


目の前でクラスメイトが倒れた。

床に飛び散った赤を視界の端に捉えながら、私は夢中で教室を飛び出した。


廊下には血が広がり、逃げ惑う足音と叫び声が錯乱したように響いている。


武器がいる。


そう思った私は、家庭科室へ駆け込んだ。


包丁。まな板。裁ちばさみ。

使えそうなものを、手当たり次第に鞄へ詰め込む。


銃に勝てるわけがない。

そんなことはわかっている。


それでも、何もできないまま殺されるのだけは嫌だった。


どれほど時間が経ったのだろう。


いつの間にか、生徒たちの叫び声は消えていた。


静まり返った校舎に響くのは、冷たい廊下をゆっくりと歩く足音だけ。


そして。


「見つけたら殺せ」


低い声が、すぐ近くで聞こえた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ