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15.「聖山に挑む勇者(4)」

「はっ! ソクティともあろう者が、推しの目の前で気絶なんて失態を犯してしまったです! いけないいけない……って、あれ? 見覚えのある銀色の鎧が何故か目の前に……?」

「お、気が付きやがったか、ソクティ」

「!!?? 勇者さまにおんぶしてもらッ――!? んきょぴょしゅぴゃああああッ!?」


 気絶したソクティちゃんを勇者さんがおんぶして歩き、目が覚めたソクティちゃんが、推しに背負われているというシチュエーションにまた昇天する、ということを何度か繰り返した後。


 馬車に乗り込んだ僕たちは、ソクティちゃんと勇者さんという新たな旅の仲間たちと共に北上して、アスバドに戻った。


「それじゃあ、ちょっと聖剣をお借りしますね」

「ああ。じゃあ俺はソクティと店の外で待ってる」

「え!? そんな!? ソクティは勇者さまと二人っきりです!?」

「嫌なのか?」

「い、嫌な訳ないじゃないですか! って、ちょっ!? 屈んで目線を合わせた上でそのワイルドなイケメンフェイスを近付けないで下さ――」

「フッ。おもしれー女だな、てめぇは」

「ワイルドスマイルッ!? んきょぴょしゅぴゃああああッ!?」


 僕、カカナ、リンジーさん、そしてスプリちゃんは、魔導具屋の中に入っていった。


「おお~。いらっしゃ~い」


 相変わらずゆったりした喋り方の魔導具大好き少女シルディが、これまた相も変わらずヘンテコな魔導具がいくつも突き刺さったすごい毛量の髪型のまま、カウンター内からこちらを見た。


「どう~? 聖剣は見付か――はっ! それは~!」


 口調とは裏腹に、俊敏な動きでカウンターを飛び越えるシルディ。


「じゅるり~。聖剣だ~! 聖剣じゃないか~!」

「うん、約束通り持ってきたよ!」


 僕の手からバッと聖剣を奪い取った彼女は、カウンターの上に乗せると、「うへへ~うへへへ~じゅるじゅるり~」と、涎を垂らしながら細部に亘って触り調べる。


 こんなに喜んでくれるなんて!


「喜んでくれて良かった! 勇者さんが貸してくれたんだ!」


 何気なく放った僕の一言に、シルディの手が止まった。


「……勇者に~、会ったのかい~?」

「はい! 今、店の外にいます!」

「!」


 シルディが目を見開く。


「……そうかい~」


 あれ?


 複雑な表情で目を伏せるシルディを見た僕は。


 何となく……

 本当に、何となくだけど……


 直感に従って、目の前の少女に聞いてみた。


「シルディって、もしかして……勇者さんの〝お母さん〟だったりする?」

「「「「!?」」」」

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