皓月の詩:ヴィーデ
其に謁見する資格を持つのはどなたでしょうか。
◆
ボクはひとり、神々のおわす天界からボクらの愛しい彼女たちを見守っていた。
「見よ!」
「コレこそが、ボクらの愛しい彼女の愛の譚詩曲だとも!」
なにもない天界に、ボクの喝采が万雷となって響き渡る。
「ふぅ………………」
「……………………」
――ここに神はいない。
……前に言った通り……否、それは関係ない。
兎にも角にも、ボクは神じゃあない。
ただの代理なのサ。
もともと、神なんて――……おっと、イケない。
また、昔からの悪い癖が出てしまった。
今は彼女たちを讃える時だとも。
ボクらはどこまでも続くような高原の草原の中で、小さな花々をカーペットにして寝転ぶんだ。
そうして、仔山羊たちのような真っ白の雲を眺めて、その大海に舟を漕ぐ。
実に贅沢なお昼寝だ。
この場所ではこの穏やか過ぎる時間が永遠に続く……それは祝福か、或いは呪いか。
きっと、剣を取って戦場を駆け、その熱狂の中を突き進むことを望む愛しい仔たちもいることだろう。
けれど、彼女たちが。
その喧騒からかけ離れた、つまらないほどに平和な地でその芽を咲かせてくれたことに感謝しよう。
これでいい。これがいい。
これこそがよかったんだ。
そう思えるような結末を、キミたちは掴み取ったんだ。
――いつかの未来、あの神秘的な静寂の星降る夜に、キミたちは願いを託すだろう。
果てのないあの影の深淵に、幅びろい光が落ちて征く。
やがてそれに続く異常な終節を、キミたちは指揮棒を執って、導くことができるのだろうか。
星落としの魔王が目醒めた時、世界は終演を迎える――。
コレは運命の啓示。
それを覆すのは、いつだって『愛』だとも。
だってこれは……。
ボクらの愛しい彼女たちの挿言なのだから――。




