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第49話:魔王の裁き、囚われの魂


東京は、俺の魔王城と化した。 異形の都庁が空を突き刺し、街は絶望に満ちている。 皇居地下。 ユウキは、俺に反旗を翻し、人々を救いたいと告白した。

「僕は、このままじゃいられない!みんなを助けたい!」 ユウキの叫びが、地下空間に響き渡る。 彼の小さな体に、これほどの勇気が秘められていたとは。 愚かな人間め。

俺は、ユウキの告白を冷静に評価した。 彼の反抗は、些細な抵抗に過ぎない。 だが、彼の持つ感知能力は、俺の支配をより完璧にする上で有用だ。 即座に排除するべきではない。

俺は、ユウキへと手を伸ばす。 漆黒の魔力が、彼の体を包み込もうとする。 高橋が、その光景に気づいた。 「レグナ!何をする気だ!」 高橋が叫んだ。

俺は、高橋の言葉を無視した。 ユウキの体は、俺の魔力に完全に捕らえられる。 彼は、その場で身動き一つできない。 恐怖が、彼の表情に広がる。

「貴様の感知能力は、俺の支配において有用だ」 俺は、ユウキに告げた。 「だからこそ、即座に排除はしない。だが、貴様の愚かな反抗には、裁きが必要だ」 俺の言葉は、冷酷に響く。

ユウキの目が、大きく見開かれる。 彼の体は、俺の魔力によって、地面からわずかに浮き上がる。 彼の感知能力が、俺の意図を読み取ったのだろう。 絶望が、彼の瞳に浮かぶ。

俺は、ユウキの感知能力を逆手に取った。 東京中の負の感情。 苦しみ。 絶望。 憎悪。 それら全てを、直接彼の精神に流し込む。

「うあああああああああ!!」 ユウキの絶叫が、地下空間に響き渡る。 彼の顔は、苦痛に歪み、全身が痙攣する。 それは、肉体的な痛みではない。 精神的な地獄だ。

高橋が、ユウキの苦しみに耐えきれず、俺へと飛びかかろうとした。 「やめろ!レグナ!彼を苦しめるな!」 高橋が叫んだ。 彼の目には、怒りと、そして無力感が混じる。

だが、俺の魔力が、高橋の動きを阻む。 彼は、俺の前にひざまずかされる。 俺の圧倒的な魔力の前では、彼は無力だ。 愚かな抵抗だ。

ユウキの絶叫は、続く。 彼の脳裏には、異形と化した人々の苦痛が、鮮明に映し出されている。 家族を失った者の悲しみ。 愛する者を奪われた者の憎悪。 未来を失った者の絶望。 その全てが、彼に襲いかかる。

彼の精神は、その膨大な負の感情に耐えきれず、崩壊寸前だ。 俺は、彼の精神が完全に壊れてしまわない程度に、魔力を調整する。 彼を殺すのではない。 彼を囚われの魂とする。

「これが、貴様の見たかった世界だ」 俺は、ユウキに語りかけた。 「貴様が助けたいと願った人々の、真の姿だ」 現実を突きつける。

ユウキの体から、涙と鼻水が溢れ出す。 彼は、もはや言葉を発することもできない。 ただ、その精神は、無数の負の感情に苛まれ続ける。 それが、俺の裁きだ。

意識を失い、横たわっていたサラの体が、かすかに震えた。 彼女の聖なる魂が、ユウキの苦痛を感じ取っているかのようだ。 微かな聖なる光が、彼女の体から漏れ出す。 その光は、ユウキの負の感情を、わずかにだが緩和しようとする。

俺は、サラの反応に気づいた。 彼女の聖なる力は、まだ完全に消え去ったわけではない。 しかし、その光は、俺の魔力の前ではあまりに微弱だ。 愚かな抵抗だ。

高橋は、その光景を目の当たりにし、深く絶望していた。 彼の顔は、蒼白だ。 彼が守ろうとした世界は、変貌した。 そして、彼が希望を託したユウキは、今、魔王の裁きを受けている。

「レグナ……貴様は……」 高橋が、絞り出すような声で呟いた。 その目には、憎悪と、そして深い悲しみが混じっていた。 彼には、何もできない。

俺は、ユウキをそのままにした。 彼は、これからも東京中の負の感情を感知し続けるだろう。 それが、彼の存在意義だ。 俺の支配の道具として。

東京の地下深く。 ユウキの絶叫が、こだまする。 それは、人々の苦痛の叫びであり、彼の精神の悲鳴だ。 彼は、俺の支配の前に、囚われの魂となった。

俺の支配は、盤石だ。 この東京を足がかりに、世界全体を俺の意のままに作り変える。 愚かな抵抗など、俺の支配の前に、無力だ。 全ては、俺の意のままだ。



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